海側生活

「今さら」ではなく「今から」

鐘が響き渡る

2014年09月08日 | 海側生活

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                                     (光明寺/鎌倉)

夕焼けが茜色に空一面を染める季節がきた

光明寺は風格を備えながらもオープンな気風が満ちている。潮風に晒された山門を潜ると青銅色の本堂の大屋根が目に飛び込んでくる。境内は広く参道の両側には風雪に耐えた桜の古木が、今でも四月になると花を咲かせ多くの人を引き寄せている。

また毎年10/12~15には、520年に渡り続いている宗教行事が行われる。人々の安穏な生活を願い、同時に先祖の供養をする行事らしい。期間中は茶席が設けられ、雅楽が奉奏され、説教や各種法要が間断なく行われる。 100メートルにも及ぶ練行列は見ものだ。

また13.14日は朝から、総門から山門に至る長い参道の両側に屋台が並ぶ。提灯の明かりに照らしだされた様々な業種の夜店は遅くまで賑わう。夕方以降は半歩ずつでも前に進めないほどの多くの参拝客でごった返す。中には参拝は省略して、馴染みになっている焼き鳥屋などに酒を飲むだけに来る人もいる。

楽しませてくれた蓮の花も、今、実が褐色になる季節を迎えた。境内を渡る潮風が体に優しい。人影も無い。
陽が西に傾き始める頃、若い住職さんが鐘楼に向かい駈けていく。5時の鐘突きだ。低いゴ~ンの音は本堂の大屋根で跳ね返り、材木座海岸から茜色に染まり始めた空や海原へと響き渡って行く。

平凡な日常にこそ安らぎがある。


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1 コメント

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      蓮の実や僧侶は走る鐘衝きに (宮本靖夫)
2014-09-16 17:13:41
      蓮の実や僧侶は走る鐘衝きに
最近は人件費節約のためか、小さなお寺では鐘衝きにコンピュータを使うところが多いそうですね。
世知辛い世の中になったものです。先日成田山に行ってきましたが、お坊さんの多さにびっくりしました。やはり、あれだけ参詣者の多いお寺の経営は安定しているのでしょうか。なんだか、大きな本堂がとてつもない賽銭箱にみえてきました。
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