海側生活

「今さら」ではなく「今から」

私鉄沿線

2011年04月05日 | 感じるまま

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私鉄沿線と言う言葉が何となく好きだ。
私生活、私事と言う言葉同様に、どこと無く秘め事めいた艶やかで柔らかいイメージがある。それにオシャレである。トレンディでもある。
また駅の近くにはセンスの良いカフェがあり、ファッションの専門店もあり、その沿線ならではの落ち着ける飲食店が夜も昼もあり、都心とは違った華やかさがある、と思っていた。

久し振りに横浜から県央に向かって走っている電車に乗った。
座って二駅過ぎる頃、何かが違う事に気が付いた。いつもとは違って電車内には“色”が少なく、何となく寂しい雰囲気だ。車内を眺め回す内に分かった。人も少ないが電車内の広告が少ない。スペースの全体の三分の一ぐらいは空いたままだ。
世相を映しているのか、消費者ローン・雑誌・予備校等の広告が目に付き、従来は必ずあった不動産の広告が殆ど無い。目的駅に着いて、ホーム周辺の駅看板を見渡すと、まるで歯が抜けたように半分ぐらいしか埋まっていない。目立つのは医院・病院の看板ばかりだ。空いてるスペースには大きな風景画が貼られ、その上に“募集中”の文字が鮮やかに目に飛び込んでくる。たまに不動産広告があれば、電車内も駅ホームでも系列不動産会社の言わば身内広告だけだ。

調べてみると昨年度の日本の総広告費は10%以上も減少し、過去最も大きい減少率だったようだ。
 
駅からの商店街を抜けて歩いた。この商店街は銀座通りと名付けられている。人の流れも少ない、目に付くのは高齢者の姿ばかりだ。
100メートルぐらいの銀座通りは四軒に一軒位の割合でシャッターが閉まっている。

しかし様々な分野で明るい兆しも見え始めたと聞こえてくる。元気を出して欲しいのは、地域密着型の自営業者だ。あらゆるモノが大きく変わった。その変わり方のスピードも速かった、これからもっと速くなるだろう。変化の時は最大のチャンスでもある。

私鉄沿線への自分の思いは過去への感傷か。
歌のタイトルや歌詞にも良く似合うし、生活の匂いがする言葉である。こう思うのは自分の感情に生活の情緒が、私鉄沿線で最初に形づくられたからだろう。


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1 コメント

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        北思ふ蝋燭の灯や春の夜 (宮本靖夫)
2011-04-06 17:15:44
        北思ふ蝋燭の灯や春の夜
興奮状態が少し収まり、これから日本をどうするのかに焦点が移りつつあります。(原発の脅威はまだ収まりませんが)戦後、経済の発展ばかり追い求めてきた思考、態度を根本から考え直す機会と捕らえたいものです。
貧しさに我慢する言い訳的清貧ではなく、真の豊かさを求める品格ある生き方を求めたいものです。まず、目の前の人を幸せにすることから始めよう。
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