海側生活

「今さら」ではなく「今から」

”お師匠様”

2016年12月02日 | 最大の財産

         (鎌倉高校前から)
友人はかけがえのない財産だ。

勤めている時は、どうしても交友関係は狭くなりがちだ。学生時代の仲間を除けば、その多くは会社の同僚と言う人が少なくないのではないだろうか。
しかし。会社の友人は所詮、仕事上での事だ。よく一緒に酒を飲み、ゴルフもやり、自分では親友と思っていても相手の胸の内は分からない。出世を考えれば同僚はライバルでもある。移動や転退職などで離れてしまえば自然と縁遠くなるものだ。潮目を計りながら人付き合いをするのが、サラリーマン社会の人間学だ。

その点、経験から考えても、趣味の世界は出会いの宝庫で、理屈を超えたところで意気投合し、豊かな人間関係の輪を広げていける事が多い。
現役で趣味の友人を持っている人は、オンとオフの切り替えが上手い。自分の仕事を愉しく語れる人は素晴らしい。だがそれに加えて自分の趣味に付いても熱く語れる人はもっと素晴らしい。まして現役を退いた人にとって、孤独を愉しめる人は良いが、一緒に遊んでくれる友人がいなければ、多分、寂しいしつまらない時を過ごすだろう。

現在の自分にとって、写真の“お師匠さん“と呼ぶべき友人がいる。
M.Fさんとはプロが主唱する同じ写真教室の仲間だが、付き合いが始まって五年にもなる。このブログに新たに投稿するたびに、自分で撮った写真を一枚掲載しているが、もっと上手く撮りたいと、月謝を払って写真を学ぼうと決め教室に入った。そして暫くして意気投合した。折に触れカメラと言う機械の仕組みから、写真とは?を指導して頂いている。

彼はカメラに関し、又写真に関して造詣が深い。現役の頃から趣味でカメラもやっていたらしい。教室のプロが教える分野とは別の“自分流“が有る。彼が主唱して教室を開いても、きっと大人気を博すだろう。また彼は博識だ。時事に明るい。なんでも知っている。知っているだけではなく、それぞれの出来事に対し受け売りの情報ではなく独自の考え方を持っている、その分野が広い。その他、仲間と共に絵画も一年に一度展覧会を開催しているし、随筆では毎年一冊を出版している。中でも自分には出来ないと思うのは、日本で働く外国人に対して毎週、日本語を教えている。これらは現役の時は経験もなかった事なのに。また彼は貴公子然とした端正な顔立ちの笑顔が素敵だ。特に女性に対しては一層笑顔が弾ける、ユーモアを交えて。

ただマルチタレントの彼にも弱点はある。それはお酒が三杯目あたりになると、話題が長い川のように止めなく滔々と溢れだす。知識の引き出しの数が多い。話の切れ目がない。

しかし、そんな彼の弱点が好きだ。会う度に、聞くほどに「なるほど!」と気付かされることが多い。

寂しがり屋は、心が許せる友人が居ないと現役を退いた後は暮らせない。