松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

天下の奇祭「牛乗り・くも舞い」・2016

2023-07-08 07:46:21 | 日記・エッセイ・コラム
 実はきのう、4年ぶりに祭りが行われたのですが、見学に行きませんでした。それは新しい中古車が来たのもあり、暑い事もあり、この中で体力が持つか不安だったこともあり。NHKのローカルニュースで見ました。(写真は全部、過去のものです)

 今年の祭り、つまり東湖八坂神社例大祭(統人行事)のクライマックス「牛乗り・くも舞い」はテレビでは「くも舞い」が映りませんでした。なんでだろう。これはセットなのに。スサノオがヤマタノオロチをやっつけて、初めて成立するお祭りなのに・・。

 そして今年のスサノオは、神がかりし過ぎて、まともに牛の背中に乗って居られませんでした。上半身を牛の背中にべったり乗せて、周りに支えられて戦いに行きました。この映像は2016年のもので、私はそれ以来まともに見ていなかった事にも驚きました。

 見学者の感想で、牛もスサノオも立派でした。というインタビューが流れました。その通り。牛は堂々としていて、カメラマンがスサノオの顔に迫ろうと近づいた時にも取り乱さず、グッとその大きな瞳で睨み付けるのです。それに歩き出すと速いこと。正面からねらうカメラマンは意外な速さに、駆け出します。だからかも知れません。つられて牛さんは思わず早足になるのかも知れません。

 それに引き換え、神懸かったスサノオ。酒部屋と呼ばれる奥の方から、役員4人くらいに抱っこされて、牛に乗せられます。実質、何もしていないように見えます。酒部屋で酒浸りになって、酩酊状態になっただけじゃないか。なんて思われても、仕方ありません。でも立派に行事をこなしました。伝統は滞りなく進む事が大事なのです。

 で、天王地区と船越地区の間を流れる船越水道に到着するのですが。今回初めて見ました。スサノオがヤマタノオロチに向かって矢を放つのを。
 それは周りの役員(統人:トウニンと言います)が代行するのですが。やや短めの矢をたくさん、周りを囲んだ見物客に向かって投げるのです。多分それをゲットすれば、御利益があるのでしょう。

 そうすると船上の、赤い装束に身を包んだヤマタノオロチが、のたうち回って、でんぐり返るのです。
 シュールな映像です。

 これが行事のクライマックス「牛乗り・くも舞い」で御座います。なおこの東湖八坂神社の統人行事は1年中密かに行われていて、今日からまた次の統人によって「新統お竹受け」として引き継がれます。

 私は7月6日の「お竹迎え」を見たことがありますが。それは対岸の男鹿市船越から竹を担いで神社に向かう行程を車で追跡し、途中の八竜橋の上でひと言何かを聞こうと話し掛けたのです。すると手を口に当てて、しゃべる事は出来ないと意思表示したのです。その上、竹を持ち替える事すら御法度だそうで、そういう厳格な決まり事があって成立するお祭りでした。

 その統人の、後ろから見た足下はヨレヨレで、足袋のかかとがすり切れていました。

 この一連の行事は天下の奇祭として名が知られ、平安後期から千年続く国の重要無形民俗文化財に指定され、雑誌ムーにも取り上げられた事があるんです。

 やっぱり行くべきだったなあ。3年のブランクですっかり体力も気力も後退してしまった。これではイカン。来年は仕切り直しすべし。

 今日から、修行の毎日だ。
コメント (2)
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