松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

胸に刺さる遺族のコメント

2023-07-03 14:47:54 | 日記・エッセイ・コラム
 どこの誰とは言わないが、大学生になったばかりの女性が刺し殺された。相手は交際して別れたばかりの4歳年上の22歳自称会社員。
 遺族が一日置いてコメントを発表した。これをコメントとひと言で言い表すに忍びないが、他に言葉が見つからない。
 全36行ほどの文字の、広くとった行間の多さに、無念さがひしひし伝わって悲しい。一部掲載する。


 「こんなひどい方法を選んだのは何故なのか」

 「報道陣のモラルのなさ」

 「この全てのことに疑問悲しみ憤りがあります」

 「でも一番許せないのは私たち親がまぬけだったこと」

 「○○を守れなかった」

 「逮捕されたら可愛そうなんて何故思ってしまったのだろう」
 「いっときも目を離してはいけなかった」
 「私たちの認識の甘さ」

 「後悔ばかりが押し寄せてきます」

 「気持ちの整理がつかず悲しみに暮れています」

 「好奇心を満たすための憶測や誤った情報で娘をこれ以上傷つけないで下さい」

 「どうかそっとしておいて下さい」

 「お願いします」



 オレも蒸し返しているんだけど。日本は異常だ。日本では誰が誰を殺したか、まるで隣近所の出来事のように逐一知る事が出来る。1億も人が居るのに。自由主義社会というやつだ。テレビ局は視聴率で持っている。だから好奇心を満たしたい国民には、懇切丁寧に情報をお届けする。

 自分ではなるべく他人事だと無視するタイプだと思っているが、掲載されたスナップ写真が悪かった。目を引いてしまった。まぶたが二重の可愛らしい人だった。
 それでいつになく遺族のコメント全文まで、読んでしまった。なんてこった。1億総井戸端会議の輪の中に入っちまった。なんと尾を引く文章なんだろう。
コメント (2)
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