松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

難破船と彼女

2018-11-15 06:33:44 | 日記・エッセイ・コラム

 またこの季節がやってきた。わくわくする。北朝鮮が怖くはない。彼らが飛び道具を持って、漁船でやって来る理由がない。

 そのことは去年の一連の出来事で分かった。だから太平洋側では絶対経験出来ない事を、今年も楽しむ。

 これは出戸浜。解体してしまった船の残骸。の前に誰かが座っていた。長い足を放り出して座っている。男に思えたが、近づくと女だった。

 黙って撮るのもなんだから、ひとこと断わった。「写真を撮るんだけど・・」彼女は耳からイヤホンを外した。「写真を撮りたいんだけど、そのまま座っていてもいいよ。大きさ比較ができるから。」

 一旦行動を起こそうと動きかけたが、その言葉で理解し、またイヤホンを掛けた。

 写るのがイヤじゃないらしい。珍しいなと思った。そしてその内面に踏み込んでいって、なぜ一人なのか聞きたい衝動にかられた。

 凄い美人だったら、もう一言聞いたかも知れない。オレも一人だったから。

 あとで思った。難破船を見に来て、ナンパする。

 これじゃあ、シャレにならんって言うか、シャレじゃねえかよ。

 すんごく体力が有り余っていたら、根掘り葉掘り聞いていたかも知れない。いいからだ、していたからね。

 向こうにも何か見えた気がして、一度離れ、また戻って来て何枚か撮り。

 バイバイって両手を振ったら、頭を上げ振り返してくれた。

 

 ps. オレって、わがままだねえ。先に場所とっていたのは彼女なのに。

     後から行って、座っていていいよは、ないね。

コメント
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