松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

ボクらの敗戦記念日

2016-08-14 16:04:14 | 日記・エッセイ・コラム

 先の大戦とは別に、我々の年代は秋田県民としてもう一つ負い目を持っている。それは秋田県民歌を歌えないという負い目だ。今でこそ「秋田県民歌」と言えば「秀麗無比なる鳥海山よ・・」を指すけども、ボクらの時代は県民歌と言えば「朝明け雲の 色映えて・・」を歌っていた。これは「県民の歌」として、2番目の地位に没落している。

 腹立たしいのは、先に出来た素晴らしい歌詞とメロディの、この曲を抹殺したまま、退職直前まで知らずに過ごしてきたことだ。それも教育の現場にずっといたのにですよ。

 昭和5年だから、文語体の歌詞は格調高く、内容も優れている。それを「浜辺の歌」で知られる郷土出身の成田為三が作曲したものだ。

 今でこそバスケのハピネッツの応援で歌われ、サッカーのブラウブリッツの応援で恒例の曲となった。また大曲の花火のフィナーレでも流れるように、ことあるごとにオーケストラと合唱団により披露されるようになりました。これを空で歌えないのが悔しい。

 くやしいので、楽譜をダウンロードして、細部にわたって抑揚を確認した。

 どうもこの歌は、3番の歌詞があるために、そういう紛らわしいことになったのではないかと思う。それは「錦旗を護りし戊辰の栄えは」というのがあって、明治維新の際、奥羽越列藩同盟から寝返って、新政府側に付いたことを誇らしく謳っていることだ。東北で唯一、幕府側を裏切ったのが秋田なのだ。

 この年になって初めて接したために、余計に歌の素晴らしさに気づくことになった。何かの節目に皆と一緒に歌うことがあったら、今度は人一倍高らかに歌うべし。

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