松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

イチローの涙

2016-08-08 16:09:20 | 日記・エッセイ・コラム

 きのう37.6℃を経験してからの36.1℃は、思ったより楽です。温泉に入っているようなものですからね。だからかあ、首にタオルをぶら下げているのは。ただし、のぼせるまでの数分間だけね。

 家の前の道路で、目玉焼きを作ったら、何分で出来るか試したかったのですが、「やめて!もったいない」と妻。

 草も木も、鉢もメダカも、生きています。大したもんです。生まれたばかりのメダカも、洗面器の熱湯風呂に耐えています。

 イチローの3,000本目、見ていました。打った瞬間、ホームランだなと思いました。試合を中断して、3塁ベース上で祝福されるイチロー。帽子を取って観客に応えます。敵地でありながら総立ちで讃える観客。チームメイトが駆け寄って抱きつきます。次打者がヒットを打ってホームイン。

 ベンチに座るイチローをカメラがクローズアップします。横顔ですがサングラスの下から二筋、流れ落ちるものがありました。それがしばらく続きます。解説の新井氏は、今までのつらい日々を思い浮かべているのかと考えたようですが、私は違うことを考えていました。オレの個人的な記録を、自分のことのように喜んでくれる人がこれほどいるんだ、という感慨なのではないでしょうか。

 ちょうど7回が始まる前の守備につき、セブンス・ストレッチの時間です。イチローが帽子を胸に当て、どこかを注視します。God Bless America の演奏が流れて、まるでイチローを祝福するために予め準備されたような演出に見えました。「アメリカに主の祝福あれ」のアメリカがイチローと聞こえます。

 試合後の記者会見でやはりチームメイトの祝福に感激したことを、イチローらしい言い方で表していました。「僕が何かすることで、僕以外の人たちが喜んでくれることが、今の僕にとって何より大事なものだということを再認識した瞬間でした。」

 またひとつ、区切りを超えた。天皇陛下が国民にメッセージを伝えた日に。

コメント
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