松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

神道式葬儀

2016-08-07 15:42:18 | 日記・エッセイ・コラム

 気温36度超の中、わけあって神道の葬儀に参列しました。決死の覚悟でした。

 式場に入るなり、雰囲気が違います。しめ縄で結界が張ってあります。二人の神官が執り行うのですが「祭主・さいじん」とアナウンスしていたようです。多分「さいじん」さんの方が笙を奏でます。最初だけです。でもいい音色でした。生で聞くととてもいいです。マイクを通さない方が良かったと思います。

 発生した音はそれだけ。あとは祝詞のような祭主・さいじんの肉声のみ。言霊(ことだま)が辺りに沁み渡ります。会葬者である我々は、仏教だと「焼香」を1回するだけで、実際暇です。あとは読経を聞いているだけですから。あのハーモニーも悪くはないですが、メロディのない、もろ言葉だけというのも神聖でいいもんです。その間「低頭して下さい」と言われ、頭下げっぱなしです。立ったり座ったり低頭したり、結構会葬者も忙しいです。

 頭を下げたまま考えました。あの言霊は陰陽師の言霊と共通するものがある。ひょっとすると陛下の宮中祭祀でも一子相伝の言霊があるんじゃなかろうか。

 最後に「玉ぐし奉奠」で一人ひとりの名前が呼ばれます。親族の数だけ玉ぐしが用意されます。あと会葬者代表が一人。その間は笙が鳴っています。音が出るのは、「笙」と「言霊」だけ。あとは装束の衣擦れの音のみ。2礼2拍手1礼も動作だけで音はなし。古代を彷彿とさせる、シンプルだが、おごそかな神葬祭に、運よく立ち会わせていただきました。

コメント
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