棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

坊ちゃんを読んで

2011-01-18 10:16:46 | 山郷の暮し
蔵書を適当に手にしたのが「坊ちゃん」
もうなんども読んでいるので、筋を読むというよりひまっつぶしなのだが・・
「親譲りの無鉄砲で子供のときから損ばかりしている。・・・・」の主人公の坊ちゃんにそっくりな友がいる。
正真正銘の江戸子。下町、浅草ちかくに生まれ、亡父は芸者さん相手の飾り職人。江戸の小物博物館に収蔵されているほどの名人の息子。
正に宵越の金はもたねーーと、パッパッと浅草あたりで飲んでいたと言う。

小学生時代から、とうちゃんに焼き鳥やに連れて行ってもらっていた、という。
このへんは、父親と相性が悪かった「坊ちゃん」とは違うが・・・・。
わたしも、この友には酒の量はかなわなかった。
彼も「坊ちゃん」と同じく、小柄でくりくり目玉。喧嘩ぱゃく、あきっぽく、おだてに乗りやすく、借金をしてまで大判振る舞いをしてしまう。という単純な江戸っ子だ。
生粋のべらんめーー調では切れがよかったが、演説となるとまるっきしだめで、どもってしまうほど。
ただし、喧嘩となるとよくまーーでるものだと感心してしまうほどだった。
ずっと前に私は彼に言ったことがある
「夏目漱石のーー坊ちゃんーーそっくりだ。読んでみろ」といったら
「小説なんかめんどくせーから読マネーー」と。
そうそう、彼も後輩の画家で一時教師をしていたが、教鞭中に一杯飲んでしまいクビになってしまった。
「そろそろ飽きてきていました。ありがとうございます」と、放浪旅にでた青春時代だ。
ここ10年ほど会っていない。
相変わらず酒息を吐いていることであろう。


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