棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

りゅう王丸作品展 7月28日-8月1日

2010-07-22 07:26:50 | 山郷の暮し
A Wall→War→W→?
ベルリンの壁を観て f100 1995年
今は歴史の一こまになったが、ドイツを東西に分けたベルリンの壁は有名だった。
1988年は西ドイツに招請されマンダラ・パフォーマンスを公演した。そのおりベルリンの壁を観て「人類の愚行」の象徴だと激しい憤りをかんじた。
 西側の落書きされた壁は、ポップアートを観るような陽気さがあった。観ることができない東側の壁面を想像したとき、いいしれぬ悲しみと怒りは脳裏に焼きつき、ふつふつと燃え続けていた。
 其のことがきっかけになったと言うわけでもないが、世界の国境線の在り様に興味を持ちだした。 
田舎の踏み切りのような国境ゲートや、白線をまたいで記念写真を撮る観光的国境や、銃を水平に構えた兵士が守る国境線。
延々と砂漠地帯に伸びる金網の壁。東西を分けたコンクリートの冷たい壁。銃弾が打ち込まれ崩れ、落ちた残骸のある壁。国境は現実の壁であり、まさに争いごと、生死の最前線です。
具体的な壁のほかに、、壁のイメージには時間とか社会の壁などと、抽象的な要素を含んでいます。
 1990年ベルリンの壁の崩壊は、永い冷戦時代の終焉をもたらした
再び壁が構築されるようなことが、絶対にあってはならないという思いが、脳裏から一気に蘇った。

 この作品ほど題名に悩んだものは無い。
題名は作品にとって製作意図を理解していただく重要な導きだけに、銘々によっては、限定した狭義的なものになりすぎてしまうことがある。この作品に関しては、広い意味をくみとってほしく、あらゆる意味に解釈できる壁「A Wall」とし、Wで続く展開を暗示した。
松本市美術館企画展 出光美術館収蔵展7-24--9-5


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