棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

白日夢 1945-広島 続き

2019-04-30 16:42:57 | 山郷の暮し
平成最後の日となりました。
政治的には割合と穏やかでしたが、天変災害が続きました。
なんといっても2011-3-11の東日本大震災でしょう。それに続き熊本大地震。
いやいや、忘れたわけではありませんが、阪神淡路大地震が・・。

その度に、両陛下が現地に赴き、被害者の方々と相対したお姿は、感動的でした。
一部の右翼系の勢力が、「膝をつくなどと、あまりにも軽すぎる。もっと権威ある対応で」というような強力な意見があるとか。
私は平成天皇さんは、類まれな人徳者であると思っています。
次の令和天皇も父上をよくよく見習っていただきたいと切に願います。


さて、昨日に続き「白日夢-1945広島」の制作について。
18年の夏になると、この絵が気になりイーゼルにかける。
眺めているうちに、私の作品に時々登場する分身ともいえる「後ろ向きの少女」が浮かび上がる。
シュールな作品にしようと思い立つ。
となると、根本的に変わっていくものがあるはずだが、それが分からない。
ただ、少女を描きこめば幻想的な世界になるわけでもないのだ。

再び筆が止まってしまった。

19年4月。
寒いアトリエも、ようやく筆が取れるようになり、今年最初に制作に入ったのがこの絵だ。
題名も「白日夢」から、井伏鱒二の「黒い雨」が思い起こされ、その題名で制作意図を練る。
問題は向日葵の扱いだった。
誰が見ても悲惨な原爆被害者の図に近いイメージにしょうかとも思い、幾枚もクロッキーをする。

あるとき、宮崎駿の動画を見たとき「この色調だ」とひらめく。
次第にアニメの背景のような明るい色調にかえてゆく。
入道雲から完全な原爆雲に変え、空の色は明るい青空からセピア調にする。

まさにハーハー・ゼイゼイする心境であった。
それは、それまでの幾日かの仕事の積み重ねをゼロにすることで、かなり勇気のいることなのです。
とはいっても、誰も傷つきませんが・・。
ようやく「一応完成」という気になりました。
一応とはこれから部分的に加筆するかもしれないが、全体の様子は変わらないと思うからです。

この間の制作記録は写真・VTRと記録してきましたが、それを見ることはあるのかないのか・・。

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