棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

関東味VS関西味

2012-03-16 08:14:43 | 山郷の暮し
私の大好きな作家 井上ひさし氏は平成22に亡くなられてしまい、残念でならない。
東日本大震災の不幸に合わなくて幸いだったかも知れないが、復興に向かっての彼の行動をみたいというおもいもある。
それはともかく、氏の作品には料理のレシピーが事細かく書かれていることがある。
試して美味かったのは「焼き鳥のタレ」だった。今回は未完の「黄金の騎士団」に書かれている蕎麦のつゆのことだ。
レシピーというより、江戸前の蕎麦つゆは「関東勢の誇りにかけてタレは辛くなくっちゃーいけねー」とある。
腰のある手打ち蕎麦は味がゴツイ。かつおぶしのだしをきかせた辛口のタレでなくては、蕎麦の味に負けてしまう。
というのだ。 
 関西の昆布出汁味の薄味は私も好きですが、確かに田舎そばなどは昆布だしのつゆでは物足りないことがある。
ただし、蕎麦の味そのものがわかり、辛いつゆとは違った蕎麦がたのしめる。
どちらがいいというより好みとしか言えないが、味はむずかしいですねーー。
子供の頃に染み込んだ味が一生続くのでしょうか・・、となると、ファストフード店で慣らされた舌では本物は・・。
 ついでですが小説の中の一節から・・
客は、タレをほんのちょっとだけつけただけで、ゾーーッと口へ吸い込んだ。
蕎麦を食べ終えた客は、たっぷり残したタレの中に、小皿のネギとワサビいそいそと掻き落とし、そこへ湯桶のそば湯を注ぐと、
いかにも美味しそうに飲み始めた。
 タレの付け方によって4つの味を楽しんでいる、というのだ。それには、辛いタレでなくてはいけねー。というわけだ。
ときに、私は蕎麦つゆ といっているが、たれと言っている。

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