棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

12-珍訳源氏物語-葵の上

2009-06-28 11:02:49 | 四国遍路
 妹の葵の上の器量ときては当代1-2位といってもいい。兄である私が観ても、絵から抜き出たような完璧な美しさだ。おしむらくは知性というか気品かありすぎて、打ち解けにくかったかもしれないが、育ちが皇族なみだからしかたがあるまい。くどいようだが、兄妹という関係はあっても、母はちがうし、それぞれの母方の家で養育されるので、父親が同じだということだけだ。
夫より4歳年上の妹・葵の上は、年上ということに、どことなく引け目を感じ、さらに、自尊心がゆるさなかったかもしれぬ。
普通の女子だったら、そのことがかえって夫婦仲をよくすることになったことだろうが、華よ蝶よとそだった妹は、男を引き立てるという、こころずかいなど必要なく育ってしまった。正直、あまりにも誇り高い女だったかもしれない。
二人のみぞは深くなるばかりで、私も心苦しかった。
 あまりにも完璧なものには、拒否反応をおこすのは、光源氏とても同じことだ。

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