棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

花いかだ-3 夜の部

2017-06-18 16:46:13 | 山郷の暮し
満月が湖面に映る様を描いたのであるが、これは実写ではなく創作の空間だ。
以前に試みたことがある和紙の 絞り の方法で、どのような染まり方をするのかわからない所がある。
ソレが面白いので、予想を超えることを期待をするが、さほどのものでは無かったのだが。

キャンバスは布ではなく障子紙なのです。
化学繊維の入った紙は非常に強く、かなり無茶なこともしてきた。
くちゃくちゃな状態を幾分伸ばし、これに描き入れるのであるが、これから先が私のあみ出した方法である。

裏打ち(表具のひとつで、裏にもう一枚糊付けをすること)をするのだが、絞った部分が延びてななか均一な面にならない。
これにはまいった。
プロの表具師では絶対にやってくれないだろうなー、と思いつつ苦戦をしているうちに、しわも絵の要素にしよう。
そして、ちぎりえ の技法をとりいれれば、まったく問題はない、と気がつく。

制作結果は、ちぎりえの技法は使わなかったが、細かいしわの動きが面白く、彩色により強調する。
これは予想よりも上出来で、まるでニンフが漂っているように見えてきた。

さて、問題は上部であるが、花吹雪が頭に降りかかるま近な空間を設定。
難しい。
足元の水面は当然平面の広がり。
それに、頭上の空間を表すのだ。

失敗をもかまわぬと、意を決して黒系と白色のペンキを撒き散らす。
花吹雪の様子になったが、頭上の位置になっていない。

試しに花びらを実物大くらいに切り抜いて散らしてみる。
正直びっくりするほど空間が生まれた。
絵画制作の面白さを改めて知る思いであった。

それより、金銀の箔にて最適な位置に画着込む。

緊張感というかぎりぎりでの均衡を保っている画面は、ほんの一点で変わってしまう。
例えれば天秤秤のようなもので、均衡を保ちながら錘が増してゆくのである。

この夜の部が最も楽しく、予測を超えた作品になった。

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