棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

菩薩絵紋着付舞妓図の製作日記より

2009-09-04 08:04:47 | 創作活動
7月15日より
19世紀の後半、印象派といわれた画家たちは、日本の浮世絵や花鳥図などにひときわ影響を受けたことはご存知だと思います。それがどおいうことかの解説は他者にまかせて、日本の装飾手法や線描写を真正面にとりくんだ、私の大好きな作品があります。
「日本の着物を着せたカミーユ」油彩1876年 231X142cm
「睡蓮」で有名なモネは、奥さん(カミーユ)に日本の着物を着せ、踊っているようなポーズの作品を残しています。発表当時はケッタイナ東洋趣味の作品。ポーズたるや曲芸師だ。デッサンもアッタモンジャーネーと、モネの意図とする芸術性を理解されなかったようです。
私はこの作品が大好きで、日本人作家ではない重厚さとバタ臭さに魅力を感じるのです。
私の体内から湧き上がり描いた舞妓図は、どこかでこのモネの作品の影響があると思います。
きらびやかでありながら、決して薄っぺらな装飾美でない舞妓さんにお会いし、従来の日本画法での舞妓図では現代性が無いと感じた。彼女やその社会は確かに現代社会と異質かもしれないが、したたかでダイナミックな現代に生きる確かな伝統芸術を感じたのです。
むしろ日本画のような美人画にならないように、バタ臭くなった現代の舞妓図を描き出しました。
そして、日本の独特な装飾性と異空間を創りだし、ただいま会心の作品です。

9月2日より6日 松本市美術館展示
    

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