棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

終戦70年

2015-08-16 09:27:48 | 山郷の暮し
昨日は終戦70年でした。
ラジオで式典の中継を聞いていましたが、安部首相の言葉は先の終戦70コメントと同じく、
なんとなく空々しく、真意が伝わってきませんでした。
この人の本音は別なところにあるな--と思わせるものです。

天皇陛下のお言葉は決して難しい言葉遣いでなく、心のこもったもので、納得できるものでした。
その心のありようは大変な違いかと思います。

私は昭和19年生まれと、翌年に東京大空襲がありました。
幸いに親兄弟に不幸はなかったのですが、明治神宮近くの屋敷は丸焼けで、書生二人が我が家の防空壕でなくなってしまったと母から聞いたことがあります。
焼け出された一家は、父の故郷である信州に疎開したわけです。
当然ですが、ワタシはまったく記憶がありません。

戦後の光景でまず目に浮かぶのが、上野駅の通路にたむろする「戦災孤児」または「浮浪者」です。
ワタシと同じような年の子どもたちが、全身灰色になり固まり、力なく見つめる目です。
怖さで母の手をグッと握った記憶がありますので、3-4歳になっていたでしょう。

蛇足になってしまいますが、そのような視線はインドの旅で何度も観ることになったのです。

そして、昭和30年代までお祭や町中で見かけたのが、白い服を着た「傷痍軍人」です。
戦争で手足を失った身体のまま、アコーデオンを奏でながら軍歌を歌い、物乞いをしていたのです。
此の姿はなんとも哀れで、不気味でした。
この傷痍軍人のことを調べたことが有りましたが、新聞等には記載されていません。
障害手当が支給されていたので、本来は禁止されていた事らしい。

戦争・・・その真っ最中より、終戦の後のほうが苦しかったと、母から聞きました。

イラストは拙著「松本歴史絵巻」より ブックマークにあります、検索ください

ryusun

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