棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

2-中国の酒

2013-06-28 08:49:06 | 山郷の暮し
純中国のデザインとなると、ともかくギラギラ・ギトギトした度派手な品のないもので、高級と書かれていてもとてもそのように見えない。
いただいた酒パッケージは、中国デザインの割には抑制がきいている。
とはいっても、写真のごとくなんとも品はなく、
箱からのイメージはあの臭くてドッとくる酒が舌に染み出てきた。
粗悪な作りの箱を開けると、相変わらずの金色の内蓋。

小瓶をつまみだせばみ、これは意外。真っ黒な陶磁器製のシンプルなデザインだ。
ラベルもなにもないのがいい。この瓶は一輪挿しにもなると飲む前に思った。

皇帝の色 黄色の包み布には「福寿僖禄」とある。
コルクではないプラスチックの栓をキュキュと開ければ、プーーーンと甘く優しい香り。
「ウッ!!!これは知っているコーリャン酒とはわけが違う。そうだ、以前に中国に居る友が
土産に持ってきてくれた高級酒と似ている」
と、にわかに思い出した。(下の写真)

そして・・・小さな小さな盃に注ぐ。舐めるように口に。フワーーと香りが広がる。
56度という強さは口の中に入れた途端に、蒸発するような舌触りだがウマイ!!
舌に溶ける というよりも、私のほうが酒に溶けてゆく、そんな感じだ。

強い酒は薄めてはもったいない。ウオッカなどは薄めると白く濁ってしまう。
ズブロッカ という酒はよくよく冷やし、トロリ・トロリとしたやつを舐める。
豪快な酒飲みで知られた作家の開口健さんも、ズブロッカは値段の割にうまい酒だと書かれている。

酒や料理のウマイまずいの表現はなんとも難しく、時には陳腐であるが、この中国酒を開口氏だったらどんな表現をするのかなーーと、思いながらちびりちびりと舐める。
書いているうちに、ジワーーとしみ出てきました。

ryusun

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子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本