黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

風雪に耐えた「普請」の見事さ

2017-10-18 | 日記・エッセイ・コラム

学園を出てバスは、さらに奥へと…

県道496号線 英彦山 田川方面~

山あいの小村、ここは英彦山の北麓に位置し、祓川左岸の造成地

道路沿いですぐに目に入る場所。

 

 ここは帆柱地区にある「永沼家住宅」です。

今から170年前に建てられた豊前地方を代表する建築。

この永沼家は、江戸時代を通じてここ帆柱村の「長」「庄屋」を

勤めたほか、近辺15か村を束ねた「節丸手永」の代表

「大庄屋」を務めた地区有数の旧家。

*「手永」(てなが)とは、江戸時代に小倉藩主(細川家)が

 その領地に導入した行政制度。 領内を「手永」と呼ばれる行政区画に

 分けて村を束ね責任者として惣庄屋を置く。

 

 天保12年(1841)

 桁行 20m 梁間11m の 入母屋造り 茅葺きの直屋民家が特徴

 現在国の重要文化財に指定

  *直屋(すごや)

   民家の平面形態の一形式、長方形の輪郭でその周囲に突出部をもたないものをいう。

   民家の基本的なもので 日本全国どこでもみられる。

    この反対が、「曲屋」(まがりや)

   母屋が直角になっているもの突出部が広い

   「厩」(うまや)と「馬小屋」となっているもの。

   良馬を多く産出した江戸時代の岩手県南部地方の民家に多い。

 

 なお、永沼家 鎌倉時代すでに村の中心的存在~戦国時代には豊前地方の国人

 城井(宇都宮氏)の被官にもなっており天下統一後は「庄屋」「大庄屋」に任命

現在も家は存続し、先祖伝来の住宅、土地とかかわりながら暮らしています。

  家屋までの石の階段を上がると・・正面に見える 

 この「玄関口」は、「藩」重役のみ。 普段は右側の「入口」から。

 造りは 武家屋敷とは違い、そんなに豪勢な造りではありません。

 入ってみましょう… 屋内は 薄暗く…

 煙に燻され 梁も 柱も 黒々と艶が出て 重厚さを感じさせます。

 「囲炉裏」 往時は、いつも火があって、鍋や 鉄瓶から湯気が出ていた?

 そんな雰囲気が・・・・でも、私たちの戦後間もないころでも こんな景色 ありましたよね。

 土間の隅に…きっとこれ使っていた? 「五右衛門風呂」の釜が 転がっていました。

 農具や生活調度品の数々も。 無造作に…。

 部屋に上がる 柱と障子の コントラスト「黒」&「白」

  凄く 新鮮な感じです。

 現在の当主の この建物の維持管理は さぞや 大変だろうと…

  今日はわざわざ電気まで付けていただき 家屋内の説明も。

天井を見上げれば…立派な梁が 歴史をものがったています。

 ちょっと写りが悪いので…あしからず。 でも、凄いですね。

 今時、こんな梁 見つけることも難しい… 

 

部屋の造りはこんな風です。

 

 さて、古民家と言えば  「 茅葺き」 この外観の見事さです。

 この「きりっとした威厳ある姿こそ、見どころなんです」 私流ですがね。

  この永沼家も築150年以上経過するころから痛みが激しくなり

 昭和62年から国と県、町の補助を受けて全面解体修理が行われ

 その解体修理工事総額は?   総工費1億1千万…

  さらに、平成21年、茅葺き屋根の葺き替え工事が行われた。

  熊本県阿蘇山産の「茅」約30トンを使って、茅葺き職人9人が

 半年がかりで仕上げたとそうです。

  茅の厚みが60m 陽が差せば屋根の色は黄金色に。

  永沼家に残る「普請張」によると当時(天保10~12)2年を要し

 その記録には、作業記録。職人名、上棟式の準備、祝儀記録

 なども記載され、大工は、大分県から、遠くは広島県からも来ていたという。

 

 「文化財」には それ相応の「魅力」があります。

 しかし、この維持管理は並大抵なことではなさそうです。

 全国どこでも、直面しているのが現状。

 

  郷土の誇りと 一口に言っても…「守る」ことの難しさ。

 その地域の方々の「郷土愛」が 各種の「応援隊」に 託し、伝統が維持されている。

 そんなことを肌に感じ 後にした。

  帰りがけに 庭の隅に 誰からも気づかれずに 「烏瓜」がひとつ

  可愛そうなので…蔓を伸ばして 記念に パチリ

  秋の風情ですね。

  

 

 

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。