救命救急医療の現場と、そこにある深い闇(?)を描いたドラマだ。
映画なのに、テレビドラマを見ているような感じがした。
医療の実際の現場を見たことはないが、この作品でも、リアルな描写も手伝って、そこはまさに戦場だ。
そのことは容易に理解できる。
ただ、期待となるとどうか。
『チーム・バチスタ』シリーズ映画化の最新版だそうだ。
海堂尊原作による、中村義洋監督作品だ。
この作品、どうも人気先行の感が強いようだ。
東城大学医学部付属病院の窓際医師、田口公子(竹内結子)は、院内における諸問題を扱う倫理委員会の委員長にはからずも任命される。
その彼女のもとに、一通の告発文が届く。
その内容は、「救命救急のセンター長の速水晃一(堺雅人)は、医療メーカーと癒着していて、看護師長は共犯だ」という衝撃的なものだった。
ところが、告発された医療メーカーの支店長が、院内で自殺(?)するという事件が起きる。
田口は、院長(國村隼)から、病院内を密かに探るよう指示を受ける。
そこに、骨折をした厚生労働省の切れ者役人、白鳥(阿部寛)が運び込まれ、二人は嬉しくもない‘再会’をする・・・。
しかも、白鳥のもとにも、同じような告発文書が届いていたのだった。
こうして二人は、救命救急医療の深いヤミを探り始めることとなった。
速水センター長は、“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”の異名を持つ男だ。
なかなかの切れ者だが、冷徹で、非情な面を持っている。
それに、何かとよからぬ噂も多い。
彼の主張するドクターヘリの導入についても、それが何かしら彼の利益誘導になるからだと陰口をたたく者もいる。
「支店長は自殺なんかではない。殺人だ。そして、速水は告発どおり収賄をしている!」
そう口走る白鳥の言葉に、田口は首を捻る・・・。
エンターテイメント性の高さ、昨今社会問題化する救急医療の問題を、リアルにスリリングに大きなスケールで描く。
完成度の高い、現代医療の最前線をスクリーンに見るのは、見応えもある。
そこから聞こえてくる悲痛なメッセージは、いくつかの深いテーマと綾をなしている。
迫力もある。見どころも満載(?)だ。
でも・・・。
人気度の高い、中村義洋監督の「ジェネラル・ルージュの凱旋」に水をさすつもりはないけれど、はやりのテレビドラマを見ているようで、それはまた、よく売れている大衆マンガの別冊版のような気がしてならない。
確かに、十分な娯楽性があって、結構面白くは出来ている。
でも、それはそれだけのことだ。
田口公子役の竹内結子は、役柄のせいもあるのだろうか。
存在感が薄く(?)、どうもぱっとしないのはどうしてか。
救命救急医療ともなれば、様々な問題提起がある。
例えば、この作品の中でも、街で大きな災害が発生し、多数の重傷患者が次々に搬送されてくるが、治療に当たる医師は足りない、時間との勝負の中で患者や家族、苦悩する医師らの葛藤についても、十分に描かれているとは言えない。
何がどうと言って、立派な(?)筋書き(ストーリー)があるのに、とくに速水センター長以外の登場人物については、とことん人間が描ききれていない。
通り一遍の現象をなぞるだけではなく、さらに踏み込んで鋭い<メス>を入れることができたら、一段と深みと重量感のある、硬質な社会派ドラマとなったことだろう。
映画なのに、テレビドラマを見ているような感じがした。
医療の実際の現場を見たことはないが、この作品でも、リアルな描写も手伝って、そこはまさに戦場だ。
そのことは容易に理解できる。
ただ、期待となるとどうか。
『チーム・バチスタ』シリーズ映画化の最新版だそうだ。
海堂尊原作による、中村義洋監督作品だ。
この作品、どうも人気先行の感が強いようだ。
東城大学医学部付属病院の窓際医師、田口公子(竹内結子)は、院内における諸問題を扱う倫理委員会の委員長にはからずも任命される。
その彼女のもとに、一通の告発文が届く。
その内容は、「救命救急のセンター長の速水晃一(堺雅人)は、医療メーカーと癒着していて、看護師長は共犯だ」という衝撃的なものだった。
ところが、告発された医療メーカーの支店長が、院内で自殺(?)するという事件が起きる。
田口は、院長(國村隼)から、病院内を密かに探るよう指示を受ける。
そこに、骨折をした厚生労働省の切れ者役人、白鳥(阿部寛)が運び込まれ、二人は嬉しくもない‘再会’をする・・・。
しかも、白鳥のもとにも、同じような告発文書が届いていたのだった。
こうして二人は、救命救急医療の深いヤミを探り始めることとなった。
速水センター長は、“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”の異名を持つ男だ。
なかなかの切れ者だが、冷徹で、非情な面を持っている。
それに、何かとよからぬ噂も多い。
彼の主張するドクターヘリの導入についても、それが何かしら彼の利益誘導になるからだと陰口をたたく者もいる。
「支店長は自殺なんかではない。殺人だ。そして、速水は告発どおり収賄をしている!」
そう口走る白鳥の言葉に、田口は首を捻る・・・。
エンターテイメント性の高さ、昨今社会問題化する救急医療の問題を、リアルにスリリングに大きなスケールで描く。
完成度の高い、現代医療の最前線をスクリーンに見るのは、見応えもある。
そこから聞こえてくる悲痛なメッセージは、いくつかの深いテーマと綾をなしている。
迫力もある。見どころも満載(?)だ。
でも・・・。
人気度の高い、中村義洋監督の「ジェネラル・ルージュの凱旋」に水をさすつもりはないけれど、はやりのテレビドラマを見ているようで、それはまた、よく売れている大衆マンガの別冊版のような気がしてならない。
確かに、十分な娯楽性があって、結構面白くは出来ている。
でも、それはそれだけのことだ。
田口公子役の竹内結子は、役柄のせいもあるのだろうか。
存在感が薄く(?)、どうもぱっとしないのはどうしてか。
救命救急医療ともなれば、様々な問題提起がある。
例えば、この作品の中でも、街で大きな災害が発生し、多数の重傷患者が次々に搬送されてくるが、治療に当たる医師は足りない、時間との勝負の中で患者や家族、苦悩する医師らの葛藤についても、十分に描かれているとは言えない。
何がどうと言って、立派な(?)筋書き(ストーリー)があるのに、とくに速水センター長以外の登場人物については、とことん人間が描ききれていない。
通り一遍の現象をなぞるだけではなく、さらに踏み込んで鋭い<メス>を入れることができたら、一段と深みと重量感のある、硬質な社会派ドラマとなったことだろう。
残念!ですね。
映画も、所詮はれっきとした商売ですから、興行成績重視は致し方ないとしても・・・。
でも、それではいい作品はできません。