徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「SEX AND THE CITY」ー輝く女たちの讃歌ー

2008-08-24 09:00:00 | 映画

ニューヨークを舞台に、キャリア女性4人の生き方を描くアメリカ映画だ。
人気テレビドラマの続編というかたちらしいが、ストーリーの展開にもまして、ヒロインたちがまとう最新のモードが、かなり関心を集めているようだ。
女たち4人の恋愛と友情を描いて、これが結構楽しめる作品となっている。

多くの欧米ハイブランドが協力し、主役4人の衣装だけで300点を越すと言われる。
華やかなニューヨークモードと共に、愛と笑いと涙のグラビアドラマも上出来の部類(?)だ。

マイケル・パトリック・キング監督は、四通りの人生、愛のかたちをこの作品で描いて見せた。
女性の生き方を、考えさせる作品だ。

欲しいものは、何でも手に入れてきた。
転んでも、ぶつかっても、確かな友情があるからこそ、美しく勇ましい4人のニューヨーカーたちは、今日も輝き続ける・・・。

全く新しい視点から、スキャンダラスに、そしてキュートに、4人の主人公を通して、女たちの本音をさぐる。
生き方も個性も、それぞれに違う彼女たちが、傷つけ、傷つけられながらも、友情という絆に支えられていつも前向きに立ち上がっていくところに、女の勇ましさが見える。

女たちは、みんな個性的である。
そして、誰もがわがままで貪欲だ。
幾つも失敗を繰り返しながら、自分の手で今の仕事や生活を手にし、それぞれの愛を見つける。
でも、その‘ハッピーエンド’のその後はどうだろう。
人生は、おとぎ話のようにはいかない。
時間と共に変わるものもあるし、失うものもある。
しかし、さすが彼女たちは、絶対に裏切らない確実なものを手に入れている・・・。
いい言葉がある。
 「人は、ブランドでは決まらない」

ファッションアイコンで、コラムニストのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー) 、美貌とパワーを兼ね備えたPR会社社長サマンサ(キム・キャトラル) 、母親かつ敏腕弁護士ミランダ(シンシア・ニクソン) 、理想の結婚を果たしたシャーロット(クリスティン・デイヴィスの4人が繰り広げる物語だ。

キャリーは、ニューヨークで幸せな生活を送っている。
長年くっついたり離れたりを繰り返した、理想の男性ミスター・ビッグ(クリス・ノース)との仲も順調だった。
結婚していなかった二人は、結婚する約束をするのだが・・・。

そのことを喜んだシャーロットは、自分の夫との間に子供ができずに悩んでいた。
彼女は中国から養女を取り、立派に母親をこなしていた。

サマンサは、恋人スミス(ジェイソン・ルイス)の仕事の関係で、彼のマネージメントに徹している。
彼女は、海辺の街で一応幸せな毎日を送っていた。

ミランダだけは、あまり幸福ではない。
子供の世話、アルツハイマーを患った義理の母の世話、そしてキャリアとのバランスをうまく取れずに奮戦している。
しかも、そんな彼女に、夫のスティーブ(デヴィッド・エイゲンバーク)は浮気をしたことを自ら白状したものだから、激怒したミランダは、息子を連れて家を出てしまうのだった。

そんな合間に、キャリーの結婚式の準備は着々と進んでいく。
そして著名ライター、キャリーのこの結婚を「ヴォーグ」誌が取り上げることになったりして、マスコミに注目される派手なウエディングになった。
その展開に困惑したビッグが、結婚式当日式場まで来ていながら、突如姿を消してしまったのだ・・・。
大騒ぎになった。
絶望のあまり、キャリーは花嫁衣裳のまま式場を飛び出した。

自責の念と屈辱感に苦しむキャリーを、サマンサミランダシャーロットは、彼女がハネムーン用に予約していたメキシコ旅行に連れ出す。

サマンサも、恋人のためにつくす毎日の中、いつしか自分らしさを喪失しつつあって悩んでいた。
ミランダスティーブの別居状態も続いていた。
一方で、シャーロットは、思いがけず念願の妊娠をした・・・。

それぞれの苦しみ、悩み、喜びを、強い女同志の友情に支えられた4人は、一緒に笑い、泣きながら様々な体験をしていく。
そんな彼女たちを待っていたのは、これまた思いがけない“ハッピーエンド”の‘続き’だった・・・。

女性が新しい服(ファッション)を探して、雑誌をぱらぱらと眺めるようなスピード感がある。
派手な格好を良しとするセレブりティー風な服を、普通の人たちが着る設定もある。
おしゃれとは、本来あまり目立たぬシックなものだったではないか。

主人公の4人とも大人で、ファッションを見せることに徹した。
高齢化社会に、年齢を重ねた人に、ファッションで気分を変える楽しみがあることも伝えてくれている。

本編冒頭、キャリーのナレーションはこんな台詞を語る。
 「20代の女性が大勢ニューヨークにやって来る。お目当ては二つの“L”。
 ラベル(ブランド)と愛(ラブ)だ。20年前、私も同じだった。」
女流作家という‘肩書’をものにした、キャリーのさらなる目標は、運命の男性とゴールインを決める“愛”であったが・・・。

アメリカ映画「SEX AND THE CITYは、当然女性の人気も高いようだ。
かなり欲張った内容だが、面白い映画だ。
まあ、大人向けのハッピーコミックかも・・・。
上映時間2時間24分、眠くなることはなく、目の保養にはなった。
甘さも、可笑しさも、ほろ苦さも、涙もありで、これは女性必見かも知れない。
女性は比較的よく描かれているが、男性の方は、やや描き方が希薄で物足りなく感じた。
やはり、こういう映画ではどうしても男性は影が薄くなるのだろう。(?!)

作品の中で、「ヴォーグ」誌のベテラン編集者を演じるキャンディス・バーゲン を見つけた。
もうかなりの年になってしまったが、 「パリのめぐり逢い」「ある愛の詩などを想い出し、懐かしかった。