足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ウォール街に強気が蘇る・・・目先は微調整か?

2016-07-25 06:44:14 | 投資戦略
先週末のNY株は強気筋のエンジンが全開し史上最高値に進んだ。
市場での雰囲気は強気が支配する。センチメント指数のVIX(恐怖)指数は11.77と1年振りの低水準。1ヵ月前の英国民投票で「離脱」が決まったときは40まで急騰し、先行きには不安感が増幅した。数値の大幅な低下は市場の楽観論を示す。
またFear&Greed(恐怖&貪欲)指数は先週には89まで上昇し1ヵ月前の57から急上昇した。楽観論が強くなり恐怖感の後退を示す。1ヵ月前と比べて市場心理は大きく好転した。投資家の目先のセンチメントは強気に転換した。
英国民投票の結果に大騒ぎしたときと異なり、投資家は自信を取り戻しセンチメントは正常化に向かう。
心理好転のひとつは米企業収益の回復の兆しが見えてきたことである。
ただVIX指数、Fear&Greed指数をみるかぎり相場は一休みの段階にはいることを暗示している。

東京市場にはNY株ほど環境好転は見られず、問題は第2四半期の企業収益に移る。円高の進展で経営者が先行きの見通しをどのように見るかが市場の関心事である。

市場の話題は東証の売買代金の売買代金の3分1を独り占めする任天堂(7974)に集中する。突如として出現した「ポケモンGo」人気が、任天堂の株価にどう影響を与えるかにある。これまでの理想買いから、人気が業績にどのような影響を与えるかの議論が始まる。
この種のイベント出現時にはさまざまなアナリストの見方が出るが、週末のウォールストリート・ジャーナル紙は「ポケモンGo」の1日当たり売上を100~600万ドル(1億1000万円~6億4000万円)と大きな幅のある見通し数値を出した。平均値は3億7500万円。任天堂にはこの内からいくら入るか?
週末の同紙は株価が「バブル」でないとみる。引き続き、今週も東京市場の最大の材料である。


「ポケモンGo」が日本に上陸

2016-07-23 09:16:26 | 投資戦略
NY株は反発しS&P500は史上最高値を更新した。
S&P500の引け値は2175ポイントで、次の目標値は2400ポイントという見方も強まる。ケイティ・ストックトン(BTIG)は「向こう6~9ヵ月は上昇相場が続く。2015年以降のボックス圏を抜け出し、8月には一時は波乱しても上昇トレンド入りの確度がは高くなった」と強気だ。
この日のリード役はビザ(V),アメリカン・エクスプレス(AXP),マイクロソフト(MSFT),ゼネラル・エレクトリック(GE)、キャタビラー(CAT)と強気相場の常連で、市場が先行きに自信を持った時には人気化する常連である。投資家センチメントは強気筋が支配する。
背景には景気指標の好転がある。今月初めの雇用統計は好調、発表中の企業収益も底入れを暗示する数値が出てきて、日が経つにつれ全体の予想数字が好転している。来週の連銀FOMCに関心が集まるが、利上げの話がでないかぎり相場の方向性は変わらないだろう。



昨日の東京市場でも任天堂(7974)は市場の人気を独り占めした。
売買代金は7260億円と今月20日の史上最高の7320億円に肩を並べた。
昨日10時過ぎに日本での「ポケモンGo」の配信がはじまった。スマートフォンの利用者では中国、米国に並ぶ大国だけに、お膝元での配信はメディアでも大きな話題。
一方、ウォール街では異常人気に反省気分が強まり、昨日のADRは下落した。空売り残が急増して、その方に関心が集まる。
メデイアは「ポケモンGo」の超人気がもたらせる任天堂の業績への寄与度は大きくなく、アップルやグーグルに比べて見劣りすることを指摘するアナリストの見方を紹介する。
7月上旬からはじまった米国ADR急騰→日本での株価の上昇という好循環は一服した。

しかしこれで人気が天井を打ったわけでない。スマートフォンへの進出がもたらす、任天堂の新成長期の幕開けを約束したことは確か。「ポケモンGo」の人気が、任天堂の再評価の大きな材料を提供した。
ウォール街ではディズニー(DIS)がコミック映画のマーベル、ピクサーを傘下に収め、成長の扉を開き時価総額1590億ドル(16兆円)の大企業にのし上がったことを任天堂の未来と重ね合わせる投資家も出てきた。ジョー・ケネディ(ソニアン・キャピタル)という長期投資の運用者である。ことしの2月に「任天堂は大変な時期を迎える」といち早く今日を予見した。

来週の日銀政策会合に関心

2016-07-22 08:06:54 | 投資戦略
NY株は9日間の連騰後、一服した。
それでも今月はナスダック指数が+4.6%、ダウ平均+3.1%、S&P500が+3%と好調な相場展開である。
ユーロ中央銀行の政策会合は現状維持でドラギ総裁は「必要ならいつでも行動を起こす」というこれまでの方針を繰り返した。
焦点は来週の米連銀26~27日、日銀27~28日の会合が市場の関心事。米連銀は現状維持で政策変更はないが、最近の株価の落ち着きをみて早ければ9月の利上げ説が出てきている。
問題は日銀の動向でなんらかの追加の緩和策を期待する向きが多く、政府の景気対策に合わせて追加の緩和策を見込む。
本年は黒田総裁らしい行動が欠如してきただけに、どうような手を打つか国内だけでなく、ウォール街でも米連銀の動向よりも注目度が高い。
昨日は円相場が反発し105円台に上昇した。市場では最近の円安基調のテクニカルな要因の動きとみる。

コマツ(6301)が米鉱山機械の大手ジョイ・グローバル(JOY)を3000億円での買収を発表した。鉱山機械といってもまるでプラントのような大きい機械で日本国内ではあまりなじみがないが、文字通り地球を掘り返す大型の機械である。
最近、ウォール街で注目されるのが世界最大手の建機メーカーのキャタビラー(CAT)の株価の動きだ。ダウ銘柄であり相場全体の先行役だが、最近の動きが目立つ。
コマツも文字通りキャタビラーに並ぶ存在になった。最近の株価は堅調で、最近の相場の先導的な役目を果たしている。注目したい。

任天堂の人気の再考

2016-07-21 06:55:24 | 投資戦略
NY株は続伸した。特にダウ採用銘柄の好調が続く。この日はマイクロソフト(MSFT)が牽引してハイテク、半導体、コンピュータ、バイオ、通信が上がった。
背景には企業業績の回復の兆しがある。第2四半期の決算は全体の14%が発表したが、既発表のうち64%がサプライズ決算で、NYダウ平均の上昇基調を支える。
円相場も落ち着き昨日のNY市場では106円台。

ウォール街でも任天堂(7974)の人気に関心が一段と高まる。
これまでの連騰がストップしこの日のADRは2日間の続落になった。日本は世界でも携帯ゲームの規模が中国と並んでもっとも大きい。肝心のお膝元の日本でのリリースが決まらず、昨日は株価に大きな打撃を与えた。メデイアは日取りについてさまざまな報道をするが、任天堂は海外の人気の過熱をみて、利用者の人気過熱による事故を気にしている。出足で大事故でも起って販売中止にでもなれば大きな打撃である。株価はこのことを気にし始めた。東京市場での任天堂の売買代金は異常な水準で昨日は東証の4分の1を占めた。
外資系アナリストはこの異常な人気をみて、「ポケモンGo」の任天堂の業績への寄与度の大きくないことを強調し、株価の割高を指摘する。短期的には正しい評価である。
株価の25日移動平均との乖離率は火曜日+84.9%、昨日は+57%と超過熱ゾーンである。投資家は先を急ぐ必要はない。飛び出した宝物を大事に育てるべきだ。

2007年にDS,Wiiが人気化したときの任天堂は米ディズニー(DS)の時価総額を視界にとらえたが、現在のディズニー(DIS)は16兆円、任天堂は3兆9000億円。
その後、業績の低迷で差は大きく開いたが、ここへきて再び蓄積された知的資産と4,000件の特許を基盤に日本のディズニーの資格人気が蘇ってきた。このような視点から任天堂の可能性をじっくり考え投資戦略を考えたい。

株価は調整期いりか

2016-07-20 06:28:56 | 投資戦略
NY株は8日間の連騰。3年ぶりである。
相場をリードするセクターはみられないが、代表的な消費関連のマクドナルド、ヘルスケアのジョンソン&ジンソン(J&J)の上昇が目立った。第2四半期決算が発表中だが、3ヵ月前とは異なり、好決算を買う動きが散見され市場の先行きに対しての不安感が後退してきた。
目先の日米の株価の焦点のひとつは米連銀、日銀の動向。来週は政策決定の会合が開催されるが、特に注目されるのは日銀の動き。年初来、黒田総裁の政策は市場を裏切るケースが多く、2013年の就任当時のような市場にフレンドリーな政策発動がしばらく見られなかったが、市場の評価が芳しくないマイナス金利政策の始末をどうするかの難題をかかえる。

昨日も東京市場の最大の話題は任天堂(7974)の株価の上昇と大商い。1日の売買代金が7036億円と全体の4分の1を占めた。ソニーの時価総額を上回ったことがウォール街でも話題になった。
今月7日に米国でスマホ向けゲーム「ポケモンGo」がリリースされたが、いまや世界35ヵ国で配信され、人気は一段と盛り上がる。目先は日本での配信がいつ始まるかにある。月内であることは確実。日本での人気がどのように盛り上がるかが、株価の最大の関心事だ。昨日の売買代金は7036億円と市場の4分の1を占め、株価は対25日移動平均の乖離率が84%と異常な水準になった。
今回の株価はNY市場が先導して東京市場での株価を牽引してきたが、昨日のNY市場は-4.07%の下落であった。さすがのウォール街でも調整気分が出てきた。