足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

夏相場のトレンドを読む・・・超人気株の輩出

2016-07-16 09:03:03 | 投資戦略
日米とも今週の株価は連騰し、NY株は史上最高値の更新を続けた。
英国民投票が市場の期待に反して“No”と出たのに、それが相場の人気を 反転させ足掛け2年間に及ぶ相場の足取りの転換につながった。
6月下旬の英国民投票後の世界の株価は混迷するとみられたが、欧米株価は悪抜けして上昇への弾みとなり、日本、中国の株価まで回復トレンドにはいった。

注目したいのはヘッジファンドのジョージ・ソロスの動きだ。年初来、世界の株価に弱気でNY株にはショート・ポジションをとって、金銀相場の上昇に賭けた。しかしすべてが思惑通りにはいかず、間違いと判断してショート・ポジションからは撤退、むしろ英国離脱が「ユーロ圏の再構築でヨーロッパは強くなる」という見方に転換した。その変わり身の早さは驚きであり、学ぶべきところがある。
昨日のウォール街では足元の景気指標に好調な数字がみられ、今週から発表がはじまった米企業の第2四半期決算も悪くない。これまで足を引っ張ってきた銀行株の業績に復調が見られるのは4月の第1四半期のときとは大きな違いで、企業業績の底入れ観も出てきた。
これは今後の日本株をみる上での好材料である。

東京市場は円相場の落ち着きが相場にとっては好材料。昨日はNY市場でも一時は106円台をつけた。政府の景気対策、日銀の追加緩和策を相場が読みはじめた。
昨日はファーストリテイリング(9983)がストップ高(+5000円)をつけるという異例の展開。昨日の市場の騰落指数は111%と上昇銘柄数と下落銘柄数には大きな差はなかったが、日経平均の111円高への貢献はこの株の寄与度だけで説明ができた。このような現象が出るのは、市場に資金の還流が続く証明でもある。
今後も個別の人気株が相場の牽引役になるだろう。夏相場の特色の象徴的な現象である。