10月相場の幕開けは日米ともプラスで終わった。
エマージング市場も引き続き好調。
東京市場ではこれといった材料が出たわけではないが、テクニカル面で売られ過ぎの銘柄が出てきた。
ウォール街では景気指標はまちまちであったが、連銀の引続いての資金供給の増額に期待している。
東京市場での問題点は円高であるが、この点を気にするとなかなか方向感がつかめない。しかし日経新聞にこのところ出てくる輸出関連の業績には円高を消化して好調な数字を出すところが散見される。円相場に足して経営者の対応が効を奏してきている。
一体、円相場の目先の方向性はどうなるのか?
ここで想起するのは1995年の円高時のことだ。当時は年初に阪神大震災が発生し、日本へのセンチメントが冷え切った。政府が地震で冷え込む景気のために公共投資をはじめ景気対策を発動した。円高にも歯止めがかかるという見方も有力になった。しかし円相場は夏にかけて上昇し一時は79円をつけるという予想を絶する円高が進んだ。
円高に賭けたヘッジファンドの論理は日本では景気が低迷し、デフレになるという見方であった。この見方に異論があったが、それは20年にわたる失われた日本へのプレリュードの始まりであった。
今回の円高は水準としては限りなく高値にきてはいるが、円高トレンドの反転は景気の回復→物価の上昇が絶対条件である。1995年から教えられた。日銀の政策にかかっている。