9月相場も終わった。ウォール街では9月のNYダウのパフォーマンスは71年ぶりの記録になった。
いったい何が起こったのか?
第1は8月にダブルディプ論が横行し相場が下落、テクニカル指標が改善したことだ。そのきっかけには連銀の市場にフレンドリーな金融政策が上げられる。
第2は足元の景気指標に改善の兆しが出てきたことだ。特に8月の住宅市場の好転がサプライズであった。
第3は企業の自社株買いで第2四半期は前期に比べて41%増、前年比では3倍になった。マイクロソフトは金利の低下した環境下で社債を発行して自社株買いを行うという、好循環が市場では働いている。市場の危機は自分たちで守るという資本主義の精神が息を吹き返す。
第4は企業業績がアナリストの予想ほどは落ち込まないという期待感の台頭だ。4月以降の株安でウォール街が先行きに慎重になったことが反動を生んでいる。
9月はNYダウ+7.7%、ナスダック+12%といずれも8月比で大幅高になった。
明らかに市場のセンチメントに変化がみられる。
残念なのは東京市場である。昨日も日経平均は-2%と急落した。円高がきっかけであるが、
世界の投資家の日本離れは一段と進む。円高問題は景気の回復の足取りがはっきりするまで解決しないという皮肉な循環が出てきた。
いま日本の経営者に求められるのは自社株買いで、病める株式相場を自力で立ちなおすことである。1970年代までみられた経営者の自社株に対しての関心が失われてしまっている。