足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

常識を覆す中国企業

2009-09-16 08:56:53 | 株式

今週の米バロンズ誌に中国株のBYD1211HK)のことが載った。それが材料になったのか本日は株価が急騰し一時はHK$66.8まであった。過去1年の安値から7.4倍に上がった。

ウォ?レン・バフェットは昨年初め、5年間所有したペトロチャイナを売却した。株価は8倍になり48800万ドルの資金が40億ドルになった。石油が下落する前で実に絶妙のタイミングであった。

そして1年前、バフェットはBYDの株をHK$8で投資した。時期はリーマンブラザーズ破綻の1週間前である。米バロンズ誌によると先週末で13億ドルのペーパー・プロフィットになったという。

最近、バフェットは現在の持ち株を25%(現在は10%弱)にまで引き上げたいと申し入れているという。

BYDはバッテリー・メーカーから自動車会社に多角化している。ことしの販売台数は415,000台、2010年には650,000台(+56%)の計画。

最近、注目されている材料はバフェットの投資だけでなく、電気自動車への進出である。

今年の利益は+102%、来年+78%というのが予想である。日本の第2次大戦後にホンダ、ソニーが誕生した時のようなイメージが重なる。

電気自動車への進出で資金が必要になり、近く、上海取引所へA株として上場する。資金調達のためである。こんな記事をバロンズ誌が伝えた。現在、時価総額は5700億円である。夢のような話である。BYDの社名はBuild Your Dream 


IPO人気に乗る

2009-09-15 12:19:24 | 株式

IPO(新規公開)市場に人気が戻ってきた。先週末、公開されたSHO-BI7819JQ)は公開価格380円であったが、初値は720円で2日目の昨日は922円買い気配で終わった。化粧雑貨、服飾雑貨、キャラクター雑貨などの製造販売であるが、量販店、ドラッグストア、100円ショップなどに販売する。不況とは縁のない消費関連株である。派手さはないが着実な成長をとげてきた

また昨日は知名度の高い三菱総合研究所(4575・東2)が公開されIPO価格1,860円に対して3,200円で寄り付いた。知名度が高く大物の公開である。

また17日にはキャンバス(4575・マ)が公開される。バイオ技術を応用して制がん剤の開発を行う。2002年にアンジェスMG4563・マ)が公開され東京市場でのバイオ関連株の公開人気の先駆者的な役目をはたしたが、その後はしばらくこのカテゴリーからは目新しい銘柄は出なかった。久し振りのことである。大物のベンチャー企業である。

新規公開の銘柄についてはどこまで買えるか、公開後の人気が続くかどうかの見極めはいつの時代でも難しい。

アナリストはさまざまな分析モデルを利用して評価を行うが、個人投資家の天下だけに複雑な分析はあまり効果がない。

先週からの株価判断には私が開発した理論株価の数字が意外に効果を発揮している。

20061月のライブドア事件で新興市場が崩壊したが、2度とそんな事件が起こらないように、今回の人気は大切にしたい。

IPOフアンの個人投資家には活躍の舞台が来た。


リーマンショック1周年・・・現在の相場の位置

2009-09-14 15:00:11 | 株式

915日はリーマンブラザーズ破綻から1周年を迎える。

14日にオバマ大統領が演説をする。世界に向けて米国の政策当局の考えを発信する。財務省と米連銀の大胆な行動で恐慌の瀬戸際までいった世界の金融界は、一歩手前で救済された。

それでも株価はリーマン破綻前のNY11421ドル、日経平均12214ドルを超えていない。いまだ後遺症が残っている。

数字以上に、今回の株価の下落の傷は大きかった。特に日本の場合は個人投資家への打撃が大きく、今回の株価の戻りに乗れなかった投資家が多い。

早くもウォール街では相場の2番底説が出てきている。2010年には景気の上昇が挫折してリセッションに入るというものだ。

シカゴ取引所のVIX(恐怖)指数は昨年11月には一時は90まで急騰し、相場の先行きへの恐怖感は極度の域に達した。

しかし先週は23まで下落し20台割れ寸前まで下落した。この数字をみるかぎり投資家の先行きへの不安感は極度に低下してきている。

しかし過去の数字をみるかぎり、まだ安心できないことは確かだ。

20032007年の強気相場では1015のゾーンで推移した。

当面の注目される好材料は米国の第3四半期の決算である。ぼつぼつ明るい見通しを出す企業が増えてきた。

東京市場でも20099月中間決算の増額修正組みに期待できる。

ヘッジファンドの中には911月相場に警戒してキャシュポジションを大きく上げているところも多い。強気一色でないことは、下値不安のない証明でもある。


6ヵ月で26倍になった株

2009-09-13 09:57:51 | 株式

週末の日経新聞の証券欄に「過去1年間の騰落率」の15位までのランキングが掲載されている。

値上がりトップは東栄住宅(8875)5.5倍、第2位は飯田産業(8880)5.1倍、第3位はファースト住建(8917)3.3倍である。この間の日経平均は12214円→1444円と-14%であったので、東栄住宅以下の3銘柄に投資をして持ちこたえた投資家がいたとすれば、まさに「ライオンのような心臓とトラのような千里眼」の持主である。1年前といえば、世界の投資家がリーマンブラザーズの行方にかたずを飲んで見守っていたときである。

15位の中には続いて10位にアーネストワン(8895)2.5倍、15位にタクトホーム(8915)2.5倍が顔を出している。

最近の東京市場ではこの種の不動産関連株の人気が続いている。

なぜこんな現象が起こるのか?

単なる目先の早い投機家の投機現象か?

いま一つの例を加えるならジャスダック市場のプロバスト(3236)がある。株価は今年2月の安値から26倍になった。

ここに取り上げた銘柄は「明」の部分だけをみると、ものすごいパフォーマンスであるが、「暗」の部分をみると別の事実が浮かび上がる。プロバストは20071月に282000円と高値をつけ、ことし2月には620円という株価をつけた。実に450分の1になった。その反動が出たと言ってしまえば簡単である。しかし、いまの東京市場ではこのような現象が起っていることに、私は注目したい。20世紀の生んだ偉大な投資家のピータ・リンチのいうテンバーガー株(10倍になる株)のタネがあったのだ。


バフェットが来日の予定

2009-09-11 08:22:43 | 株式

ウォーレン・バフェットが来日の準備にはいった。

これまで海外での投資チャンスのアイディアを出してきた側近が「日本に同行する」とブルンバーグTVで語った。

バフェットが、これまで日本に来た経験があるかどうかは知らないが、昨年はヨーロッパ、2007年は中国と海外への出張が続く。

来日の第一の目的は傘下のイスカルが株式を所有するタンガロイへの訪問である。イスラエルの切削工具メーカーを子会社化してから、さらに東芝タンガロイを買収した。

中国への訪問では電池メーカーのBYDの株式の10%を取得するきっかけになった。最近はこれまで投資していたエネルギー関連の株を売却し、債券の比率を高めてきた。流動性のある資産の比率を高めた。それにはさまざまな憶測が出ている。

日本は「失われた10年」を脱出するのに懸命で、最近は「Found Decade」(再発見の10年)という言葉がでてきた(今週の米バロンズ誌)。政治が変わり、こんどは産業界の変革の時期に来ている。戦後から猛スピードで立ち直ったエネルギーをいま一度、ふるい立たせる時期でもある。悲観のどん底から期待が産まれるというバフェット式の投資哲学がある。

数年前、バフェットは「日本を研究している」という話を株主総会でしたことがある。いずれにしても自信の喪失しているいまの日本には明るい話である。