足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

連休明けの東京市場

2009-09-23 09:13:56 | 株式

連休中の海外の相場は動いている。

昨日のウォール街は1年ぶりの高値に進んだ。「ウォール街にアニマル・スピルットが蘇ってきた」という声が聞かれる。NYダウ平均は9,829ドルと戻り高値に進んだ。

9月に入ってからの上昇率はNYダウ+3.5%であるが、ナスダック+6.8%とほぼ2倍のスピードで上昇した。

昨日はシンガポール政府の投資機関GSICがシティへの投資で16億ドル(1,400億円)の利益をあげたことが話題になっていた。2008年初めに転換社債を購入し、それを普通株に転換して売却した。一時は発行株式数の9%の大株主であったが、現在は5%になった。市場で売却したが、相場には大量の売却を吸収する力が出てきている。シンガポール政府の売却が伝わったが、株価は+9%上昇した。たまたま利益が出たととはいえ、シンガポール政府の投資行動には敬服させられる。最近はシティの先行きを評価して有力ヘッジファンドの大量投資が話題になっている。

それに比べて東京市場での金融株の低迷はどうしたことか?

昨日はアジア開発銀行がアジアの経済成長率を2009+3.9%、2010+6.4%としたが、日本を除くという注がついている。

9月に入ってからの日経平均は-1.2%である。休み明けには遅れを取り戻す相場展開になるだろう。


ハイテク株が人気の主流になる

2009-09-22 20:36:30 | 株式

昨日のウォール街ではダウ平均、S&P500は小安い動きであったが、ナスダックは高かった。

ハイテク株が堅調であったのがナスダックの上昇に寄与した。

注目点は有名なロス・ペローが創立したペロー・システムズをデルが現金で39億ドル(3600億円)を投じて買収したこともハイテク株の堅調の材料になった。ペロー・システムズは医療関連へITシステムを提供するとともに、業界のIT化サービスに貢献してきた。これまでの米国での医療業界のコスト削減の原動力でもある。

デルは先輩格のHPIBMがハードの販売だけでなく、ITサービスのインフラを提供し好不況に左右されないビジネスモデルを構築してきたのを追いかける。

ここ数年間、ハイテク業界は金融市場の混乱を傍目にみて着実にキャシュフローを積み上げてきた。いつかはそれが市場に流入すると期待されてきたが、デルがその先例の一つをつくった。ハイテク株の先行きに強気できる一つの視点である。デル株をソロスが大量に投資した理由が理解できる。

いまひとつ今週のアジア市場でハイテク株に注目される人気の流れが出てきた。韓国と台湾で半導体関連株が買われたことだ。東京市場の休み中であるが、メモリーのDRAM価格の上昇が材料になった。

ハイテク株は秋口から動く習性がある。久し振りにその人気が見られるようになってきた。

連休明けの東京市場でもハイテク株が動く可能性が出てきた。

注目したい動きである。


休み明けの注目株

2009-09-21 19:51:38 | 株式

先週末はグリー(3632・マ)がストップ高で引け昨年12月の公開以来の高値で引けた。野村証券が評価を「買い」にして目標値を12600円とした。

「トリトンスクエア通信」では公開以来、一貫して東京市場のインターネット関連では唯一の注目株としてきた。日本のネット関連株でなかでは業界の低迷にも拘わらず、景気に関係なく業績が高度の成長を続けてきたことに注目してきた。

ビジネスモデルには別に目新しい点はない。携帯電話を中心にオンライン・ゲームを提供してきた。この会社が注目されるのは公開以来、4半期の業績発表ごとに増額修正してきたことである。

同業者がひしめくなかで着実に高度な成長路線を走ってきた実績に市場では「いずれ壁に突き当たる」という観測が多く株価は、業績の割にはいつも低評価されてきた。しかし20093月期は経常利益率59%とヤフー(4689)の49%を上回った。自社開発のゲームソフトの好調が続きユニークなゲームの販売で先輩企業を追い抜いてきた。

一時期の任天堂を彷彿とさせる。

9月末に12の株式分割の権利を落とす。

株式分割の幅も控え目である。

業績見通しもこれまでは控え目。先行きこの点を株価が織り込み始めるだろう。権利取りの目的で投資を考えたい。


東京市場は出遅れてきた・・・必ずキャッチアップする

2009-09-18 08:19:43 | 株式

昨日のNY株は一服したものの過去10日間のうち8日間が上昇し「ここは微調整した方がよい」と余裕のあるムードだ。それでも金融、ハイテクには高い銘柄が散見された。発表される景気指標がバーナンキ議長の「景気は底入れした可能性が高い」という先の発言を裏付ける。

東京市場はNY株に一歩出遅れてきた。

日本株で特に出遅れているのは金融株である。昨日のNY市場では一時は問題視されたシティ、バンク・オブ・アメリカは高かった。

3月から6月までの局面では銀行株もウォール街のあとを追いかけたが、最近は全く元気がない。理由のひとつは先の大手銀行のファイナンスで需給関係が悪化し、特に個人投資家にしこりをつくってしまつたことだ。ウォール街では有力な機関投資家が銀行株を長期投資の対象にかならず入れるが、日本では機関投資家の組み入れはベンチマークをいつも下回っている。3月以来の世界の株価の戻り局面では、日本の金融株に投資するよりもシティ、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、ウエルズ・ファーゴなどに投資していた方がはるかに成果は上がった。どこかで日米の差を必ず取り戻すとみるが、その時期は9月中間決算の発表のある11月か?

さて「トリトンスケア通信」でこれまで注目してきた不動産関連とハイテクが、ここ数日の反騰相場には乗れなかった。9月に先行した分の調整をしているが、テクニカル面からも反騰するところへきている。先行きの懸念はいらない。

昨日、公開のキャンバス(4575・マ)は初値をつけなかったが、レポートした株価目標をメドに注目したい。


個人の資金の還流・・・IPO市場が活況

2009-09-16 17:23:54 | 株式

9月相場はウォール街の「9月相場は警戒」というジンクスを警戒してなんとなく慎重論が出ていた。

ところが本家の米国株がジンクスを打ち破って新高値に進み、これまでMMFに待機していた資金を誘いこみ始めた。

3四半期の増額修正組が目立ち始めた。

東京市場で注目される動きはIPO市場である。特に先週11日(金)に公開されたSHO-BI(7819JQ)は初値720円に対して昨日の高値は1,156円と+60%も急騰した。量販店やドラッグストアに化粧雑貨、服飾雑貨、キャラクター雑貨を製造・販売するという比較的に不況の影響を受けにくいビジネスモデルである。

公開価格が極めて割安であったので、個人投資家の資金をひきつけた。割安株には資金が向うという市場の合理性が出始めたことは注目したい。

極めて割安というのはわれわれが使う理論株価比である。

引き続き本日はキャンバス(4575・マ)が出る。

人気を先取りして新興市場のバイオ関連株が最近、動いていた。2006~2008年と大きく痛めつけられた新興市場に復活の光が見え始めた。

こんどは再生の動きを大切にしたい。