日経平均は6月13日の底から今週末(23日)まで+6.3%であったが、日経ジャスダック+5.7%(6月8~23日)、マザーズ+13.1%(同)、ヘラクレス+10.5%(同)であった。
新興2市場の上昇率が大きいのは下げ率の大きかった反動でもある。そんな環境下でさえないのはIPO市場だ。初値買いで、その後も順調に上昇するケースがほとんどなくなってきた。新興市場から人気が離散しているのにそれを考慮せずにIPO価格を決定するのに問題がある。しかし、こんなときには少ないがチャンスもある。21日に公開したアドウェイズ(2489・マ)だ。誤発注というハップニングもあって株価形成にゆがみが生じたとみる。「トリトンスクエア通信」では次のように評価した。
「6月のIPO銘柄では大物であり、久しぶりにインターネット関連株の成長企業の登場である。ビジネスモデルはシンプルで、アフィリエイト広告を携帯電話、PC向けに展開する。昨年12月に公開されたファンコミュニケーションズ(2461・JQ)と似たビジネスモデルであるが、アドウェイズはブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)など新時代のWeb 2.0の分野に力を入れている。ファンコミュニケーションズに比べ、同社の売上げ、成長率ともに約2倍と大きい。技術開発に力を入れ、技術者の数も多く、中国にも進出している。評価はPSR(株価÷1株当たり売上げ)を用いる。
同社は発行済み株式数が15,315株と、売上げの割には少なく、1株当たり売上げは460,000円。ファンコミュニケーションズのPERは6倍台なので、仮にこの水準まで買えば270万円という株価が出る。新興市場とインターネット関連株に人気のある時であれば、PSR10倍以上の株価が期待できる。値がさ銘柄でリスクも大きいが、注目したい銘柄である。インサイダーの株主のロックアップには6ヵ月の期限が付いている」
ファンコミュニケーションズは執筆時の株価に比べて上昇し、PSRが7.5倍になった。この数値をアドウェイズに当てはめると340万円になる。Web2.0関連の銘柄で、今月のIPO銘柄では現在の時価での投資に妙味があるとみる。