足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

成長株を発掘のチャンス

2006-06-24 16:54:21 | 株式

日経平均は6月13日の底から今週末(23日)まで+6.3%であったが、日経ジャスダック+5.7%(6月8~23日)、マザーズ+13.1%(同)、ヘラクレス+10.5%(同)であった。

新興2市場の上昇率が大きいのは下げ率の大きかった反動でもある。そんな環境下でさえないのはIPO市場だ。初値買いで、その後も順調に上昇するケースがほとんどなくなってきた。新興市場から人気が離散しているのにそれを考慮せずにIPO価格を決定するのに問題がある。しかし、こんなときには少ないがチャンスもある。21日に公開したアドウェイズ(2489・マ)だ。誤発注というハップニングもあって株価形成にゆがみが生じたとみる。「トリトンスクエア通信」では次のように評価した。

「6月のIPO銘柄では大物であり、久しぶりにインターネット関連株の成長企業の登場である。ビジネスモデルはシンプルで、アフィリエイト広告を携帯電話、PC向けに展開する。昨年12月に公開されたファンコミュニケーションズ(2461JQ)と似たビジネスモデルであるが、アドウェイズはブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)など新時代のWeb 2.0の分野に力を入れている。ファンコミュニケーションズに比べ、同社の売上げ、成長率ともに約2倍と大きい。技術開発に力を入れ、技術者の数も多く、中国にも進出している。評価はPSR(株価÷1株当たり売上げ)を用いる。

同社は発行済み株式数が15,315株と、売上げの割には少なく、1株当たり売上げは460,000円。ファンコミュニケーションズのPER6倍台なので、仮にこの水準まで買えば270万円という株価が出る。新興市場とインターネット関連株に人気のある時であれば、PSR10倍以上の株価が期待できる。値がさ銘柄でリスクも大きいが、注目したい銘柄である。インサイダーの株主のロックアップには6ヵ月の期限が付いている」

ファンコミュニケーションズは執筆時の株価に比べて上昇し、PSRが7.5倍になった。この数値をアドウェイズに当てはめると340万円になる。Web2.0関連の銘柄で、今月のIPO銘柄では現在の時価での投資に妙味があるとみる。


新しい技術革新の潮流

2006-06-22 17:53:52 | 株式

「シリコンバレーはバズワード(buzzwords)が好きだ。Web2.0という言葉はいまや当たり前に使われるようになってきた。あなたが頑固なハイテク嫌いでないかぎり、幸いその言葉の意味は理解しているはずだ。Web2.0技術はwikis,blog、RSS,AJAX,mashupsというよな奇妙な言葉を生み出した。・・・まるでジョージ・ルーカスが映画フイルム編集室でスター・ウォーズの登場人物の名前を命名したような発音の言葉だ」(ビジネスウィーク誌6月5日号)。

「現在のインターネットビジネス(Web1.0)の代名詞といわれているヤフーもまた、これからを見据えてWeb2.0を目指そうとしている。創業者であるジェリー・ヤン氏は、2006年3月28日の、ヤフー・ジャパンの10周年記念における記者会見で「われわれはWeb2.0に対応できるよう生まれ変わろうとしている」と語った」(神田敏晶著「WEB2.0でビジネスが変わる」ソフトバンク新書)。

この2つの文章の引用だけで新しい技術革新の潮流が始まったことがわかると思う。

不透明な株式市場はインターネットの夜明けであった1998年の環境と似ている。ここで紹介した言葉の中には多くのヒントが含まれている。昨日のウォール街ではグーグル(GOOG)が$400台を奪回した。


米バロンズ誌の座談会の強気派

2006-06-21 16:52:49 | 株式

昨日に続いて今週の米バロンズ誌の年央の投資戦略の座談会をみてみよう。世界のトップを行く実践家を集めただけに、投資家は大きな関心を持つ。

アビー・コーヘン(ゴールドマン・ザックス)の見方を紹介しよう。かっては、その発言がグリーンスパン議長と並んで世界の市場に大きな影響力をもった。今回の座談会の参加者のなかでも相場の先行きに強気の姿勢を崩していない数少ない存在。

「米国経済の原動力は個人消費から製造業に移る。これまで数ヶ月間にわたって投資家にはハイテクと製造業に注目するようにすすめてきた」と景気を牽引する主役の交代を強調する。

「成長率は減速するが。第1四半期のGDPの成長率5.3%(年率)は持続不可能で、年末には2.5~3%に落ちる。景気は減速するが不況入りではない。われわれのモデルではS&P500の適正値は1400ポイント(昨日・1240ポイント)」と語る。

「いつ?」、その水準に達するかの予測はしていない。

これから日銀が2年前の米連銀のように長期にわたる利上げ政策にはいる。それだけに東京市場の日々の動きはNY株により大きく左右される日々が続くだろう。

コーヘンの見方は目先のトレーディングよりも、中、長期戦略であるが、先行きに自信を失いがちなセンチメントのなかで、行く道に光を当ててくれる。


短期間に60兆円を集めたビル・グロスの見方

2006-06-20 18:18:28 | 株式

今週の米バロンズ誌に投資座談会が掲載された。新年の座談会の年央版だ。海外からの2人を入れて12人と電話でのインタビュー。年金、ヘッジファンド、投資銀行など第1線で活躍する実践家の話だけに鋭く、意外な視点が話の中に豊富にある。

比較的に新しい参加者のひとりがビル・グロスである。ピムコという債券運用の投資顧問会社の設立者で、運用資産60兆円超の債券大国とでもいえる会社だ。もちろん運用成果が抜群であったので短期間に急成長したが、いまや債券投資のウォーレン・バフェット(バイクシア・ハザウェイの経営者)といわれる。

年初の座談会では「利上げは4.5%までで終わる」とみていたが見通しは間違った。

「自分が考えていたよりも世界経済の成長が強かった。コア・インフレ率が連銀が限界と考えている水準にきた」とさらなる利上げを認めた。

ただ仮にどこかで利上げを中止しても世界の過剰流動性の低下トレンドは止まらないとみる。それは今回の過剰流動性は米連銀の政策の守備範囲外で起こったからである。

つまり日銀のゼロ金利である。それの解消がこれから始まろうとしているのを、ビル・グロスは重視する。米連銀、ヨーロッパ中央銀行に遅れて日銀が流動性の吸い上げにはいった。今回、世界の投資市場に与えた日銀の流動性の供給は1兆ドル(100兆円)と読んでいる。最近の外人投資家の東京市場への消極姿勢を説明する視点でもある。

ビル・グロスの見方は実績のある運用者だけにこれからも念頭に置かなければならない。

本日のIPO(新規公開)は注目した銘柄のうちリビングコーポレーション(8998・マ)以外は初値買いはまずまずの成果であった。

ただ本日のように銘柄数が多いときは1~2銘柄に絞って投資を考える作戦を取りたい。


IPO(新規公開)ラッシュ

2006-06-19 18:31:23 | 株式

今週はIPO(新規公開)フアンにとっては忙しい週だ。本日のビユティー花壇(3041・マ)を皮切りに、20日はリビングコーポレーション(8998・マ)、アテクト(4241.JQ)、オウケイウェイブ(3808・名証)、モジュレ(3043・HC),アドウエイズ(2489・マ)、CDG(2487・JQ)、21日はアストマックス(8734・JQ),インスペック(6656・マ)、22日は日本サード・パーティ(2488・JQ)である。

市場予想として専門紙、独立系調査機関が出している初値予想があるが、「トリトンスクエア通信」の予想がのほうが高いのはリビングコーポレション、アテクト、モジュレ、CDG。

アドウェイズはわれわれと同じであるが、ネット株の人気のある時なら予想値の50%上まで買えるとした。

最近は新興市場が大きく崩れたために、異常な人気をつける銘柄は少なくなり、IPO価格を下回って初値を形成するというケースもみられるぐらい、投資家も比較的に冷静になった。

まずIPO投資に参加するかどうかの判断は、ビジネス・モデルが時流に乗っており、成長性が期待できるどうかの検討。これが個人投資家には一番の難題である。

第2は成長性があると判断して初値をどこまで買うか?

私は理論価格を利用するが、それでも有効率は50%。最近のように人気が下火のときは幸い有効率は50%を越えているとみる。

今週は成長性のあるビジネスモデルも散見される。2~3銘柄には投資を考えたい。