今週のウォール街は2008年の週間を通じての最後の週を迎える。来週はクリスマスをはさんで市場が休場になり、投資家や機関投資家の運用者はクリスマス・ムードを迎える。
S&P500で相場をみると11月20日の752.44ポイントを付け底入れしたあと、3週間弱で+21%となった。
普通、指数が‐20%になれば相場はベアー・マーケットいりとされるが、今回のS&P500の20%以上の上昇には「相場の底入れ」とみる向きはすくない。この間、NYダウ平均は+18%になった。
一部のヘッジファンドには「相場が大底をいれたとみるのは早いが、中間反騰はある」としてきたが、今回の上昇局面はまさに中間反騰ではあった。
S&P500は昨年10月にNYダウ平均と並んで天井を打ち、11月20日の底まで‐44%になった。
‐44%も下落した相場が全値を戻すには+78%の上昇が必要。
このことはヘッジファンドなど機関投資家の頭にはいつもある。
特にヘッジファンドがパフォーマンス・フィーを取るにはまず預かった顧客の資金が元に戻ってからである。
今週の最大の関心事は15~16日の米連銀のFOMCである。いまのところ0.5%の利下げ説が有力であるが、少数意見であるが0.75%説もある。
われわれのいまひとつの関心事は円相場の動向である。
今回の米国の利下げでFFレートが0.5%になれば、日本の公定歩合0.3%との差が接近する。ましてや0.75%利下げになれば、日米の金利は逆転する。
先週の急激な円高には、円を借りて海外で運用する向きの巻き戻し(円の返済のための円買い)があったと、海外のメディアは伝えている。
いまひとつ円相場への政府の介入の観測も強い。
今週のNYダウ平均は先週の火、木曜日の下落分430ドルを取り戻しにいくとみる。