足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

世界の資金の逆流はじまる

2008-08-10 16:45:11 | 株式

先週末は石油が下落し$115.15になった。

3ヵ月ぶりの安値である。711日には$147.27の史上最高値となり、「待望の$150台乗せのあと、次の目標は$200」という見方も強かった。

株式相場と同じように、市場参加者の見方が強気で一致すれば「相場が転機を迎える」という経験則が実証された。

石油だけではなく、銀は1月以来、銅は三月以来の大幅安で、商品相場から資金の流失が始まった。

商品相場の下落と同時に世界最強の通貨であったユーロ・ドルも下落を始めた。

ユーロだけではない。資源高を背景にして強かったカナダ・ドル、ロシアのルーブル、オーストラリアとニュージランドのドル、南アのルーブルも下落した。

ロシア・ルーブルは2年半ぶりの安値で、グルジアへの空爆という材料も加わった。

これらの通貨はいずれも資源に裏づけられたものであるが、その流れに乗っているのが円相場である。資源とは関係がないが、米ドルに対して下落を始めた。

要するに、これまで金融市場の不安で売りこまれた米ドルの復活である。

ドル安→原油高→インフレ懸念→ドル安という循環が、完全に止まった。

この動きが先行き継続するかどうか?

カギは米国の金融市場の動向にかかっているが、ウォール街への資金の流入が継続するのかどうか?

米国内に滞留する4兆円という株式市場からの流失資金が動くかどうか?

今週の米国株は、新しいパラダイムを買って上昇するとみる。