中国株の暴落が世界の株価に影響を与えた。先週金曜日は-3%であったが、月曜日は-6.7%でことし最大の下落になった。
「中国の経済が米国と密接になった。株価も同方向に変動する」という見方がウォール街でも定着した。かつて日本のプレゼンスが大きくなった1980年代でもこんなことはなかった。中国の経済力が、先行きさらに大きくなることは確実なので、世界の株価への先行きの影響力を考えると、投資の世界のパラダイムの転換を深刻に考えさせられる。
2007年4月にも上海株は暴落した。このときも世界の株価が大きく下落したが、当時は現在に比べると、中国の影響力はそんなに大きくないとみた。その後、米国株の立直りでウォール街が中国株を牽引した。
2007年4月の上海株の暴落を予見して一躍、有名になったのは当時、モルガン・スタンレーでアジア専門のエコノミストをしていたアンディ謝であった。今回も「現在のような回復は持続不可能だ。さらに25%下落する」と予想している。
昨日の東京市場は民主党の勝利を買って大幅に上昇したが、上海株の下落で水を注された。
日本株にも中国株の人気は大きな影響力をもつ。民主党の政策よりも、材料としては中国株が大きくなってきた。
ただ2007年との違いは世界経済が金融危機の洗礼を受けて、ようやく底いれを確認しようとしている時である。当時、シカゴ取引所のVIX(恐怖)指数は長い間、10台にあったのが20台に乗せた。6ヵ月後の米国株のピークを予見した。しかし今回は90から20台へ下落してきた。相場の過熱局面と、回復初期の違いがある。
株価にどこの政策当局よりも関心のある中国が当面はどう動くか?動きはあるだろう。