ウォール街では決算発表シーズンがスタートした。
恒例通りダウ銘柄ではアルコア(AA)がトップを切って公表した。取引中は期待が先行し株価は+2.1%であったが、発表後は急落し-5.0%。売上は予想の上限であったが、利益が予想を下回った。需要は世界的に好調であったが、製品価格の下落が収益率の低下につながった。アルコアが注目されるのは需要先があらゆる産業にまたがっているからである。
S&P500の採用銘柄の第3四半期の業績予想は+13%がコンセンサスである。
ヘッジファンドのジョン・ポールソンの成績不振が話題になっている。年初来、旗艦ファンドのアドバンティジ・ファンドは-47%と不振。このため今月末には解約が殺到するとみられている。ヘッジファンドは解約する場合、3ヵ月前に申し入れするのが多い。12月末の解約の期限は今月末である。
ポールソンのヘッジファンドの規模は300億ドル(2兆3000億円)に達していたが、ポールソン個人の資金が約40%を占める。
先の金融危機では一部のファンドの成果が6倍と驚異的な記録を残したが、ここ3年間は強気のポジションをとり運用成果は不振であった。相場の波がこれまでの常識では判断できない動きをしたのがポールソンの失敗の主因である。短期間に勝者と敗者が入れ替わる時代になったことを直視しなければならない。
一方、2000年には大成功を収めヘッジファンドの運用から手を引いたジェフェリー・ヴィニックが再び復帰し新ファンドには資金が殺到している。