新興市場の下げが厳しい。この日も日経ジャスダックは-3.8%であったが、マザーズ-7.0%、ヘラクレス-7.8%。これまでのマザーズの下げが大きかったのはライブドアの暴落が指数に影響を与えたが、ここえきて時価総額も小さくなったので影響力は薄れ、他の銘柄の下げが指数に現れた。
IPO市場も今週は初値買いで成功するチャンスは少なくなってきた。それだけにこんな時期に公開後、上昇する銘柄には将来の成長の種があるのだろう。先週の9日に公開されたドリコム(3793・マ)の人気の強さにひきつけられる。ブロッグに関する新しい技術開発に特化した技術志向のベンチャーで、ライブドアなどとは次元の異なるネット企業だ。「公開で入手した資金はM&Aではなく、技術開発に使う」と明言できる数少ない会社である。
インターネット革命の第2ステージの分野に足元を固めた。
いまひとつ注目されるのが昨日(16日)に公開の、いい生活(3796・マ)である。不動産の販売物件をネット上で提供するシステム構築とそのデータの配信サービス。日本では初めてのインターネット活用の分野である。金融と同じように、不動産は「ネットと親和性が強い」といわれる。証券市場がオンライン革命で一大飛躍したように、不動産業界の成長に大きく貢献する。
この2銘柄のIPO後の人気は他の銘柄とは一線を画しているのをみると、株式市場の合理性に勇気づけられる。
新興市場の銘柄選択に合理性が働く時に、これから入るだろう。