足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

パリ同時テロ事件をどうみるか?

2015-11-16 07:32:59 | 投資戦略
パリの同時テロ事件後、最初に取引が始まるのは東京市場である。
海外では今回の事件後の株価の動向についてどのようにみているか?
パリでのテロは本年にはいって2回目だが、前回は新聞社という特定の目標があったが、今回は無差別にフランス国民を攻撃した。
まずユーロ中央銀行はユーロ相場に影響があるようなら行動を起こし買い支える。最近のユーロ相場にはショートポジション(空売り)が積上がっており、下値には買戻しが出て大きな影響はないだろう。
過去15年間にヨーロッパで起こったテロ事件の株価への影響は限定的で相場の方向性を変えることがなかった。月曜日のヨーロッパ株へは影響がでても、それが長く続くことはなく、今回は市場の休場中の事件で、相場には真相を織り込む時間的な余裕があった。
問題はフランス経済への影響である。外国からフランスを訪れる観光収入がGDPの7.5%を占めるだけに景気には一時的に影響を及ぼす(日本は訪日外人ブームでもGDPの1%以下)。ユーロ中央銀行は予定している量的緩和の実行を早める可能性がある。
これまでの経験則では世界の経済に影響を与えることはなく、限定的で、影響があっても短期間で終わるとみるのが大勢の観測である。
週末のNY市場のS&P500の先物相場は1%の下落になった。先週の調整局面が続きそうだが、事件が相場の方向性(回復トレンド)に影響を与えることはないだろう。
ここ1~2週間は年末相場での投資のチャンスを提供するかもしれない。相場の調整局面が
くれば、ポーフォリオの組み替えと、主導株への投資である。