足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

中国政府の威力が効を奏した

2015-07-10 05:55:04 | 投資戦略
世界の株価はギリシャ問題と中国株の暴落で大混乱に陥ったが、昨日は上海、ヨーロッパ市場とも底入れの気配が出た。
ギリシャ問題に気をとられている間に中国株がパニックに陥った。両者には直接に関係はないが、同時に起こったことに世界の投資家に大きな衝撃を与えた。
特に東京市場で関心があるのは中国で、昨今の両者の経済関係は一段と密接になってきただけに株価の突発的な暴落は大きな影響を与えた。最近、人気の出ていたインバウンド関連が中国からの訪日客に影響を与えるとして総崩れになった。

中国政府の日本の常識では考えられない株価対策の連発で株価には落ち着きが戻った。今回の上海株の動きをみて感じさせるのは、強力な中央政権の当局のなりふり構わない株価対策である。このような局面は高度成長の時代に東京市場でもしばしばみられたが、中国の政策当局のあらゆる対策を総動員した対策は、われわれの想像ではとうてい考えられないものであった。本来は自由市場であるはずの市場での政府の強権な行動は常識を大きく逸脱し、中国の政府の政策の威力を誇示した。日本でならさまざま方面からの批判が出るが、それを封じることができる現状にはおどろかされた。
米国では「連銀に立ち向かうな」ということばあるが、中国では「政府に立ち向かうな」と置き換えられる。

その行動の良し悪しを論じても意味がない。これまでの株価対策で効果が出なければ、どんな奇策が出てくるかわからない。

中国政府は株価の動向が景気に大きな影響を与えることを確信している。経済成長率が鈍化するのを、株高で消費者の心理を鼓舞し、支えるという方針を明確に打ち出した。その政策遂行の力はあなどれない。

これまで東京市場はNY株の従属変数といわれてきたが、それに中国株が割り込んできた。

昨日のNY市場では空輸株が軒並み高になった。東京市場でも日本航空(9201)、ANN
ホールディングス(9202)に注目。