今週はウォール街で第1四半期の決算発表が始まる。
月曜日のアルコア(AA)が皮切りで、JPモルガン(JPM),バンク・オブ・アメリカ(BAC)が続く。これまでの予想では増益率が+13%とみられていたが、今月初めには+11%に減額された。
市場では「決算の好調は株価には織り込まれた。むしろ経営者の先行きの見通しの方に関心が移っている」とみる。昨年第4四半期は好決算で株価は+3.4%上昇した。
現在は3月中旬を起点にして戻ってきた日米の株価であるが、ヘッジファンドをはじめ機関投資家の間には目先に警戒感をもつ投資家が多い。戻り相場が急激であったことで好材料を消化したことと、原油高によるインフレ懸念の高まりである。またウォール街では売買高が低水準であることを警戒する。資金流入はさほど強くないという見方だ。
東京市場の株価の戻りも急激であった。NY株が調整局面にはいれば当然、影響を受ける。外人投資家が主導権を握ってきたからである。ただ最近の円相場は同時テロ事件、リーマンショック時とは大きく異なる。この2つのケースの場合は外的なショックであったが、円高が急に進むきっかけになった。
日本の金融市場は日銀の固有の資金供給で欧米の金融政策とは全く異なった動きになり、金利差が拡大し始めている。円安の環境が続く。円相場の90円説が出てきたが、むしろ90円~100円ゾーン入りが十分に考えられる。
ウォーレン・バフェットが90億ドル(7600億円)を投じて買収を決めたリブリゾール(LZ)は精密化学企業である。これまでのバフェットの買収とは分野が異なる。この企業を調べて驚いたのは株価がリーマンショック後に3倍になったことだ。
それでもバフェットが史上2番目の大型買収という大勝負に出たのは注目される。
日本の同じカテゴリーにあるのがMORESCO(5018)である。調べてみると両社の規模には大きな格段の開きがるが、成長性では類似している。