NY株が7日ぶりに下落したが、そのなかでも先行きを見通すうえでの明るい材料も出ていている。
まず米国の週間の失業保険申請件数である。50万2000件と予想の51万件を下回った。1月3日以来のことである。
またAPEC出席のためにシンガポールに到着したガイトナー財務長官は「金融危機のための政府の借り入れは予定よりも少なく済んだ。ドルは国際通貨である。強い通貨を目指す」と早速コメントした。昨日のNY市場でのドル高の理由である。
ウォールマートが8-10月の決算を発表したが事前の予想を上回った。米国の年末商戦が月末から始まるが、当面の世界の景気の動向をみる大きなカギとなる。金融恐慌の瀬戸際まできた直後のクリスマスを迎えるが、米国の消費者が先行きをどう見るか?
昨日のウォール街では金融、エネルギー、ハイテクが相場の足を引っ張ったが、そんな中で注目したいのはマイクロソフト(MSFT)の株価が戻り高値をつけたことだ。年初来では50%の上昇になった。目先のハイテクの回復をみる指標的な存在だけに、その動きは投資家のセンチチメントには好影響を与える。
このような材料のなかでも、東京市場にとっての最大の関心事はドル相場である。せっかく回復してきている世界景気のなかで日本株が振るわないもっとも大きな材料は円高にあるという見方をしているが、年末にかけての東京市場の回復の度合いを計る最大の指標である。