昨日の話の続き。BBの調整が終わっても暗くなるまでまだ少しだけ時間があったので、玉当たりが滑らかになったBBに気を良くした僕は、今度は泥除け磨きに取り掛かった。
TAのチェーンホイールにせよ、本所のこの泥除けにせよ、バフ仕上げというのは僕のような面倒臭がり屋にはなかなかやっかいである。確かに最初はいい。鏡面仕上げというくらいだから、顔がうつるくらいにピカピカ光っていて。でも時間がたつとだんだんとそして着実にその光は失われてくる。そしてそのまま放って置くとアルミ特有の白い粉のような錆に覆い尽くされるのだ。
なんとかその白い錆をきれいに落とせないかと中学のときに自転車仲間たちとない知恵を絞って考えたことがある。そのときひとりの友人がサンポールで錆を溶かしちゃえばいいんじゃないかと提案した。サンポールだったら塩酸だから絶対に錆も溶かせるよとその友人は言った。さっそく僕はトイレに置いてあったサンポールを泥除けにたらしてみた。結果、余計に白い錆はひどくなった。どんなに磨いても復活しないくらいに。後日別の友人にその顛末を話したら、「塩酸って要は塩の酸だろ。酸で金属溶かして塩を擦り込んだようなもんだからそりゃ錆もひどくなるだろ」と言われた。確かに。。。苦い思い出である。
というわけで、それ以来バフ仕上げのものは白い錆が出る前に(あるいはひどくなる前に)、コンパンドやピカールで磨くようにしている。昨日の場合はまだそんなにひどいくすみ具合ではなかったので、少しピカールで磨くだけでそれなりの輝きを取り戻すことができた。やはり、メンテナンスや洗浄清掃は早めにやったほうがいいのだ。
ピカールで磨く前
磨いた後。少しは輝きが違いますよね。
もっともこの自転車の場合、リムやハブもバフ仕上げだったりするので、そちらが大変なんですよね。スポークが邪魔をして。こっちも今度磨かなきゃな。。。やはりバフ仕上げの扱いって面倒だ。輝きを失わせない簡単な良い方法って何かないのだろうか。。。
さて、泥除けを磨き終わっても暗闇に包まれるまでまだ少し時間がある。う~ん、こうなったら手持ちの部品で泥除けの輪行仕様への加工もやってしまおうか。多分性格的に今回やらなかったら、次はだいぶ先になりそうな気もするし。とかなり時間的にはタイトだったにもかかわらず泥除けの加工にも手をつけてしまった・・・。
分割しないで輪行する場合、一番面倒なのがチェーンステーのブリッジに隠し止めにされているネジを外すことだ。シートステーのブリッジに隠し止めされているネジに関しては、自転車を裏返しにしてしまいさえすればアーレンキーを突っ込んでネジをまわすのにそんなに不便はない。
なのでシートステーのブリッジに取り付ける輪行金具が僕の半丸タイプの泥除けのカーブにはあっていなかったこともあり、結局こちらのほうはいままで通り普通に隠し止めのネジで固定することにした。ただ今までは何の補強もしてなかったので、以前どこかの自転車屋さんで購入したひし形の補強金具だけ取り付けることにした。
時間を気にしながら、焦りながら穴あけなどの作業を行なったわりにはスムーズに取り付けることができた。
周囲はだいぶ暗くなってきたけれども、ここまで来たらチェーンステーのブリッジに固定する金具も取り付けてしまえと、そちらの作業にもとりかかる。この暴走が良くなかった。。。
まずは金具の余分な部分を金鋸で切り落とす。金鋸なんて何年も使ってなかったので歯がサビサビだ。
そして泥除けを自転車に合わせてとりつける位置を確かめ、ポンチの先っぽで小さな傷をつける。ほんとは黒い油性マジックでしっかりマーキングをしたほうが良いのだろうが、部屋にマジックを取りに行く時間さえも惜しい。夕暮れの静かな住宅街に泥除けをポンチで叩くうるさい金属音がカンカン鳴り響く。
ポンチで開けた穴のバリをプライヤーでむしりとり、金やすりで簡単に仕上げをする。完全にやっつけ仕事的になっている。そして輪行金具を取り付ける。よしこれでしっかりチェーンステーのブリッジにひっかかれば完成だ!
「すると何ということでしょう、全然位置が合わないではありませんか」(ビフォーアフター調)
ガーン!まじかですか?やばいよ。もう日が暮れるよ。とにかく、もう一度位置決めをして泥除けに穴を開けなおす。もうみてくれは気にしてる余裕はない・・・というか開けてしまったものは元に戻らない。でもって二度目は何とかピッタシとまではいかないまでも、きちんと泥除けを固定できる位置に取り付けることができた。
がしかし取り付けて気づかされたのだが、このチェーンステーで固定するタイプの輪行金具というのは、レーサーなどのように泥除け用のネジ穴がない場合には良いのかもしれないけれども、ネジ穴がある場合はあまり有効ではなかった。ネジ穴の台座の出っ張りがアダになって少しぐらつくのだ。これではダートなどを走ったときに絶対に左右にぶれてフレームを傷つけることになる。
でももうここまでで時間的に終了せざるを得ない。とにかく、そのまま後片付けをして2台の自転車を部屋に仕舞った。
最後はもうほとんど日が落ちてしまっていた
この後、ツール・ド・スイスを観ながら、結局チェーンステーのブリッジに引っ掛けるタイプの輪行金具は外してしまった(写真がありません。無残に開けられたネジ穴があまりにみにくかったので)。つまりアーレンキーで外しやすい部分の加工だけ成功して、外しにくいほうの加工には失敗したわけだ。いったい何やってたんだか。焦りながらやっていたのも良くなかったけれども、今回のタイプのような輪行金具を使おうという見込みも甘かったということだったんだろうなと反省である。
必要のない4つの小さな穴が開いて、数グラム?の軽量化がなされたこの泥除けだけれども、しばらくこのままの状態で使い続けようと思う。今回たまたま泥除けの取り外しのときに使ったボール六角レンチを使えば、チェーンステーのブリッジのネジもそんなに苦労せずに取り外すことができたので。
こういうやつです。角度をつけてネジをまわすことが可能。
なんだかせっかくのメンテも最後は残念な結果に終わってしまったのだが、まぁ仕方ないな。今後の教訓にしよう(4つの穴を隠すガムテープがそのしるし)。