湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

のどかでワイルドな南房総サイクリング

2010年10月26日 | MERLINチタン号


 念願の、と言ったら大げさかもしれませんが、ずっと行ってみたかった房総の素掘りトンネルのある林道をようやく走って来ました。

 「素掘りトンネルが連続する房総の林道を走ってみたいんですよね」となんとなくchicorynさんに話したのは、多分もう1年くらい前のことだったと思います。chicorynさんはすでにいくつかの林道を走っていて、「すごく良いですからぜひ行きましょう!」という話にはなったものの、予定を組んだら雨が降ったりなどしてなかなか実現にこぎつけませんでした。今回も若干天気は怪しかったものの、そんななかなか行くことができなかった房総の林道を、火曜グルメ隊のakiraさんとatusさんたちとようやく訪問することができました。



 火曜グルメ隊の面々。今回はグルメ隊というより、南房総探検隊という感じでした。雨上がりだったせいもあり、余計にジャングル的な雰囲気が強調されていたように感じました。



 今回走った林道2つ。素掘りトンネルのある林道としては結構メジャーだと思うのですが、たとえば昭文社のツーリングマップルを頼りに走るのはかなり困難なのではと思えました。



 masaさん企画の春の房総は、まさにサバンナということばが相応しいと思うのですが、こちらはホントにジャングルといったことばのほうが相応しいですね。





 濡れた路面は滑りやすく、結構怖かったです。





 林道を抜けてあらわれた民家脇の激坂。裏山の畑に続く道でした。



 山のなかの広い立派なお家。



 そしてまたトンネルのある林道を走ります。



 ここを通るのか!みたいな地層むき出しの小さなトンネル。



 そして切通しの濡れた路面の下り。



 サバンナにジャングル。房総ってミニアフリカ大陸みたいです。



 そしてジャングルを抜けたら海。



 これがまた不思議なくらいのんびりとした普通な海が広がっているわけで・・・



 林道を抜けたあとは、北へ向かい再び金谷港を目指しました。向かい風のなかchicorynさんにほとんど牽いてもらってしまいました。ありがとうございました。



 房総まで出かけたというのに、あやうく三浦半島に戻ってからになりかけた食事。金谷港の少し北にある食事処で、なんとか房総の海の幸にありつくことができました。もっとも、内房の海の幸と三浦の海の幸って同じなのでは?って気がしないでもないですが、まぁせっかく房総まで来たのだから。ちなみに左上のソフトクリームは、途中で食べたatsuさんお薦めのピーナッツソフトなんですが、これすごく濃厚でおいしかったです。写真だとソフトの量が寂しく見えますが、コーンのなかまでたっぷり入っていたせいで、これだけでかなりお腹がふくれてしまいました。そんなこんなでなかなかお腹が空かず、金谷港に戻ってから食事ということになってしまったのでした。

 久里浜港に集合した時点では雨が降っていて、今日もまた中止かと思った房総ですが、なんとか雨もやみ、楽しいサイクリングを満喫することができました。案内してくれたchicorynさん、ご一緒してくれたakiraさんとatsuさん、ありがとうございました。房総、他にもたくさん楽しい道があるようなので、ぜひまた走りに行きましょう。

 ダートの残る林道なんかもあるようなので、それらに関してはひとりでランドナーででも探訪してみたいと思います。

雨なので

2010年10月21日 | ランドナー


 この冬チャレンジしてみたいホイール組みのために、使っていない手持ちのリムやハブのサイズを測ってみたり、



 少し雨のやんだ合い間をぬって図書館に出かけてみたり、



 帰りにラーメン食べてお店を出たらまた雨に降られたり。



 多分4年くらい前に購入した分割式の泥除けを取り付けたのは昨夜。隠し止め専用のものではないので、アーレンキー用の普通の頭のネジでは取り外すときにネジの頭が邪魔になってしまう。なので工具箱のなかをさがして、頭が平べったいプラスドライバー用のネジを使って固定。干渉はするけれどもなんとか外れるようになった。良かった。次回交換の際にはしっかり隠し止めに対応したタイプのを購入しよう。

 不安だった固定用のネジの穴開けは、不器用な僕にしては珍しく2箇所とも見事に1回でばっちり。ネジ穴をもう1個あけたり、あけた穴を縦に長くすることなくそのままきっちり使うことができた。ありがたや、ありがたや。



 ただしリフレクターの取り付けは、微妙に右寄りに・・・。まぁ車道の左側を走るわけだからこの方が都合良いかもと、それこそ自分に都合良く考えておくことにしよう。とりあえず。

 これで前輪の折れたスポークを交換すれば、またランドナーに乗って出かけられる。そのスポークも本日注文完了。

 輪行しやすくなったランドナーでどこに紅葉狩りに行こう?

はじめての関戸橋フリマと予期せぬ風景と

2010年10月16日 | MERLINチタン号
 その存在を知った4年前からずっと行ってみたいと思っていた関戸橋フリマに本日ようやく行ってきました。



 僕は朝8時過ぎに会場に着いたのですが、すでにかなりの賑わいでした。なんでも早い人は朝5時頃からお店を開いているそうです。なので買う側も早く来れば来るほど、お宝やお値打ち品をゲットできるらしいです。そのことを知った上で、僕は8時頃着くように家を出たのですが、次回からはもう少し早く会場に着くよう家を出たいと思いました。そんなに物欲の強いほうではないと思っていたのですが、お値打ち品や少し値段は張っても興味のあるパーツ、どうにも懐かしくてたまらなくなるようなパーツ、それから見ているだけでドキドキするようなものが確かにたくさんあったので。いやいや、会場歩きながら自分でも意外なくらい気持ちがわくわくしてしまいました。



 会場ではたくさんの自転車仲間に会うことができました。久し振りの方、はじめましての方、いろいろな方と話をしたり挨拶をしたりでそちらも本当に楽しかったです。ホント出かけて良かったです。仲間が出していたお店も嬉しいことにかなり賑わっていました。

 なんだかんだと長居して、12時少し前に会場をあとにして向かったのは、関戸橋から結構近いらしいと気づいてしまった二郎・八王子野猿街道店。ただでさえ量の多い二郎のなかでも盛りのすごさで有名なお店です。こちら方面に来る機会は普段ほとんどないので、これは行くしかないだろうと思いました。



 で、頼んだ『小』野菜ちょい増し。思っていたほどではなかったかもしれませんが、確かにかなりのボリュームでした。ちょい増しで野菜の量がこれだけあるのであれば、普通に“増し”で頼んだら野菜を落とさずに食べ進むのは確かにかなり困難ですね。それから麺も丼のなかでの密度が濃いのか、箸で引き上げるのが結構大変でした。スープ以外はしっかり完食しましたが、鎌倉まで50km近く走ってもお腹がこなれることはありませんでした。うっぷ。もうしばらく二郎は食べません。。。

 さて、二郎からの帰り道、本日は幹線道路の移動ということで景色はまったく期待していなかったのですがちょっと入った市道?で予期せぬ風景に出会いました。
 


 なんか良い感じ・・・



 本当にこの道であっているのだろうか?



 ま、雰囲気の良い道だからまぁいいか。と、ふと見ると



 なんと都内なのに棚田が!

 実は今日もちょっと話していたのですが、今僕のなかでは棚田が秘かなブームなのです。棚田の写真集を図書館で借りてきて、こんなとことあんなとこにもいつか行ってみたいなぁなんて思っていた最中だったので、このホントに偶然の、そしてまったく予期せぬ場所での棚田との出会いは本当に嬉しかったです。 



 この棚田以外にも気持ちが和む風景が少しのあいだ続きました。



 そして再び棚田。



 刈り取られた稲穂。

 ちょっと脇道に入ったおかげで、関戸橋フリマの往復だけが目的の幹線道路の移動に、ちょっとしたツーリングの趣きを加えることができました。二郎に寄らなかったら多分往路をそのまま戻っただけだったから、やっぱり二郎に寄ったのは正解だったのかもしれません。



 そして鎌倉に戻ってきたのは15時少し過ぎ。



 自転車最高を実感した本当に楽しい1日でした。今日お会いした皆さん、ありがとうございました。



 そうそう、本日の戦利品はこちら。フロントバッグ・サポーターとリフレクター2個。すべて今では入手が難しいものです。ちなみにお値段はサポーターが800円、白いリフレクターがなんと100円、そしてメッキのやつは2千円と言われたのですがなぜか半額にしてくれて千円でした。しめて1900円。大変良い買い物が出来たと思います。

表丹沢ヘロヘロ午前練

2010年10月15日 | LeMond
 水曜日に久し振りに日向林道~浅間山林道~ヤビツ峠というコースを走りました。練習っぽい走り方をするときでも、普段は頑張るのはほとんど坂のみ、平地は流してという感じだったのだったのですが、思うところがあり水曜日は初っ端の平地から少し頑張って走ってみました。




 高度がおかしいことになっていますが、上のグラフが5月13日に同じコースを走ったときのもので、下が今回のもの。明らかに今回は前半から心拍数が高いです。なぜこんな走り方をしてみたかというと、速くなるためには練習全体の強度をあげる必要があると単純に思ったから。

 で、そんなふうに走った今回なんですが、いやぁ疲れました。ボトルの水はすでに空っぽだったにもかかわらず、ヤビツ峠に着いても護摩屋敷の水場に下る気力はなし。ぐったりしながら峠の売店でファンタオレンジを1本飲んですぐに名古木に向かって下ってしまいました。下りで少し元気が復活して、R134に出るまでの1%あるかないかのゆるい下りではそこそこ足がまわったけれども、海岸線に出てからはぱったり足に力が入らなくなり、心拍数は150くらいあるのに走っているスピードは時速21kmくらい。もう悲しいくらいのヘロヘロ状態でなんとか鎌倉に戻ってきました。

 月間走行距離を極端に増やすのは多分無理。自転車=競技・練習というスタイルも僕には無理。となると、練習っぽい走り方をするときの内容を濃くすることと、体重を減らすくらいが自分にできそうなことかなと思って今回のような走り方をしてみたわけですが、ちょっとやり過ぎたというか、やり方を間違えたというか、とにかくいきなりは無理だったのかもしれません。もうちょっときちんと練習方法を考えないと駄目かもしれないと思いました。

 ちなみに10月2日の信州ツーリング以後、今回以外にも国際村周辺には何度か練習に出かけています。そのときも今までよりかは高めの心拍数で走ってみたのですが、所詮1時間半くらいなのでこの日のようなダメージはありませんでした。地道にこつこつ努力して、強い体をつくらねばと思います。

 あ、先ほど体重減らすことも速くなるために僕ができそうなことのひとつにあげましたが、今はまったく減量のための努力はしていません。まぁしばらくレースの予定はありませんから、減量については後々追々。まぁ食べ物がおいしく感じる季節ですしね。そんなこんなで体重は順調に増加中・・・。焦らずやっていくことにしましょう。

 さて、明日は関戸橋のフリマに行ってみるつもり。出店するわけではありませんが、関戸橋フリマははじめてなのですごく楽しみです。早起きしてのんびり出掛けることにしましょう。

 ところで、水曜日のライドの写真がないのは、写真も撮らずに真剣に練習するつもりだったからというわけではなく、ただ単にデジカメを忘れたからでした。明日は忘れずに持っていこうっと。

テントか、宿か

2010年10月10日 | 自転車生活
 若い頃は、歳をとってもテント泊をし続けたいと思っていました。テントに泊まるのはお金がないからとかそういう理由ではなく、旅の自由さを満喫し充実感を得るためだと思っていました。しかし実際に歳をとった最近は、「やはり宿がいいなぁ」と感じることが多くなりました。それはなぜなのでしょうか?



 テント泊の場合、自炊はしないとしてもテントとシュラフ、それからマットが最低でも必要になります。実際的には他にもヘッドランプなどの照明器具など細々としたいくつのものを用意しなければならないでしょう。自炊をするのであれば、それにコッフェルやコンロ、食材も必要になります。
 これらのものを自転車に積んで走行するのは実はそんなに苦になりません。荷物が増えれば、それ相応の距離しか走りませんから。ではなにが面倒かというと準備や輪行です。若い頃はとくに面倒に思わなかったそういうことが、今は面倒に感じたり大変に思えたりしてしまうのです。



 一方、準備や輪行が面倒でも、やはりテントにはテントの良さがあります。それは圧倒的な行動の自由さです。目的地にたどり着けなくても、適当な場所で寝てしまえばいい(すなわち明確な目的地を決める必要がない)。連休中などは宿の確保が難しかったりするが、そんなことはまったく関係ない。宿を抑えていないので、天気が悪そうであれば旅そのものの中止が容易。ある程度の条件さえ満たしていれば、自分の気に入った場所で寝れる。そんな自由さは旅の緊張や充実感をいっそう高めてくれますし、安く泊りがけのツーリングを楽しめるというメリットもあります。さらにテントで寝るのは、それだけでなんか楽しかったりもするのです。そう考えるとやはりテント泊も捨てがたいよなと今尚思ったりもします。



 がしかし、現実的な1~2泊程度のツーリングを考えたとき、やはり宿に泊まるほうに気持ちが傾くのは、おそらくうまいものを食いたいという欲求が若い頃より圧倒的に強くなっているからのような気がします。若い頃は遠くに出かけても、その土地のうまいものを食べたいという欲求が今より少なかった気がします。もちろん貧乏旅行だったからということもあるでしょうし、それなりにはおいしいものを食べたいと思ってはいましたが、そういった欲求はそんなには強くなかったのだと思います。でも今は違います。せっかくなら、その土地のうまいものを食べたい。ついでに温泉なんかにも入りたい。だったら料理自慢の温泉宿とか温泉民宿に泊まりたいよなぁと思ってしまうわけです。

 だからかもしれませんが、山登りなんかに関しては今尚テント泊のほうが圧倒的に楽しいような気がします。一部の名物山小屋を除けば、山小屋での食事なんてたかが知れています(多分)。これは山小屋が悪いわけではなく、日常と隔絶した場所にあるから仕方ないです。でもとくに食事に魅力を感じなければ、わざわざ山小屋に泊まるより自分で適当に自炊して、自分のテントで自由に過ごしたほうが気楽だと思うわけです。さらに山登りの場合は、テント泊になったからといって大きめのザックにするだけで、持ち運びの荷物の数が増えるわけではないですから。

 と、こんなふうに考えていくと、若い頃に比べてテントより宿のほうに気持ちが傾くようになったのは、結局のところうまいものが食いたいという欲求が強くなったからということになるわけですね。それもどうかという気がしないでもないのですが、なんとなく納得せざる得ない理由なので仕方ないですね。

秋の旅する心

2010年10月09日 | 自転車生活
 夏頃からあらわれはじめていた旅に出たい気持ちが最近さらに高まっている。もっとも“旅”といっても長い旅は無理なので、日帰りで自分のなかの旅心が満たされるようなコースを検討するわけだけれども。

 コースを検討する際、僕の場合これまで走ったことのある道ばかりを考えてしまうことが最近多かった。それは外れを避けるためであり、同時に新しいコースを考えるのが億劫だったからだと思う。でも先日の信州ツーリングのように、今まで走ったことのない素晴らしいコースはまだまだたくさんあるだろうし、もしちょっとくらい外れだったとしてもまったく初めてのコースを走っているときの気持ちというのはそれはそれで悪くないものだ。なのでこれからはツーリングに出かけるときはなるべく今まで走ったことのないコースを考えたいと思う。

 もっとも(主に鈍行)電車でのアプローチや1日に走れる距離や時間などを考えると、自分にとって魅力的と思える日帰りできるコースはそんなに多くないというのも本当のところなのかもしれない。いや実際にはあるのだろうけれども、簡単に思いつくようなコースはこれまでにもう走ってしまっていることも少なくないので、未知のコースを見つけるためにはそれなりの努力を払わなければならないのだと思う。あるいは近場なメジャーなコースでも、「どうせいつでも走れるから」と興味の対象から外れていたような場所を訪ねてみるのも良いかもしれない。奥多摩や秩父なんかは輪行日帰りが(頑張れば自走日帰りも)充分可能なのにほとんど走っていないし、そういう場所は他にもたくさんあるのだから。



 上の写真は昔遠野に出かけたときのもの。遠野周辺の雰囲気は旅心をとても満足させてくれるものだった。来年あたりまた行きたいと思っているのだけれども、どうだろうか?って、また走ったことのある場所を考えてしまってますね。これは、あくまでこんな雰囲気の場所をという参考的な意味で。だいたい遠野は日帰りでは無理だし。  



 もう少ししたら、日帰りで行くことができる場所でも紅葉がはじまりだす。魅力的と思える秋のツーリングコースを考えておかないと。

北アルプス大展望と秋の農村を巡る小さな旅

2010年10月03日 | MERLINチタン号
 ワニガメさんにロードでの日帰りツーリングにピッタリなフロントバッグとサドルバッグ、それからそれら専用のサポーターを5月頃つくって頂きました。それ以来、このバッグをつけたロードが似合うツーリングに行きたいとずっと思い続けていました。夏に秋葉街道を目指したのがその第一弾のつもりだったのですが、そのときは事情により最初の峠である杖突峠を上っただけでそこから引き返してきてしまいました。

 実は今回はそのときのリベンジとしてまた秋葉街道に出かけるつもりでした。ただ夏に読んだニャロメさんのブログで知った分杭峠大鹿村側の通行止めが未だ解除されていないこと、それから実は秋葉街道は一昨年のちょうど同じ時期に走っていること、さらに今回自分がイメージするツーリングよりは距離が長くハードなことが引っかかっていました。そんなあれこれと、天気予報では長野県の南よりも北のほうがすっきりと晴れそうだったことなどもあり、前日にようやく考えついたのがとくにランドナーなどの旧車派の人たちに好まれてきた小熊黒沢林道と嶺方峠、それから少し前に知って興味を持った旧大岡村を巡るコース。距離的にも100kmちょいとちょうど良いし、すべてにおいてまったくはじめて走るコースというのが自分にとってとても魅力的と思えました。

 ムーンライト信州で信濃大町駅に着いたのが5時11分。自転車組み立てたり、のんびりと暖かい缶コーヒーを飲みながらパンを食べたり、トイレに行ったりして、走り出したのが6時少し前。木崎湖畔から小熊黒沢林道に入るといきなりのきつい上りです。先日のターンパイク・ヒルクライム同様、だいたい10%くらいの上りが続きます。ただ朝の静かな林道をまわりの木々を見たり、鳥の声を聞きながらゆっくり上っているのでそんなにきつくありません。上るにつれて湖から湧き上がる朝もやが見えたり、北アルプスがちらちらと見え出したりします。ひとつ目のピークを越え、ふたつ目のピークを上ると、雑誌やブログでよく見る眼下に木崎湖を見下ろすポイントがありました。立ち上がり消えつつあるもや。それを薄く照らす朝の光。一応予備知識のあった風景ですが、こういった雰囲気のものはあまりなかったので思わず息をのんでしまいました。素晴らしい景色でした。
 ふたつ目のピークを下ったあとは、また上り。爺ヶ岳、鹿島槍がくっきりと近くに見え出します。素晴らしい景色の連続で上りも下りもなかなか前に進みません。時間帯のせいもあるのかもしれませんが、本当に素晴らしい林道でした。















 小熊黒沢林道の次は、これまた白馬岳の大展望が有名な嶺方峠へ。青木湖畔を走り、国道をなるべく避けながら、嶺方峠への道を上りはじめます。上りはじめはまたしても急勾配。湧き水を補給したりしながら、国道に合流すると途中からまたしても北アルプス・白馬連峰の姿がちらほら。基本背後なのですが、カーブなどでは自転車に乗りながらでもしっかりその姿を見ることができました。そして程なくして嶺方峠へ到着。今回は白馬から上ったわけですが、それでもこの景色に感動するのだから、鬼無里側から上ってきてトンネルを抜けてこの景色が目の前に広がったらきっとすごい感動なんだろうなと思いました。











 嶺方峠からは鬼無里方面へゆるい下り。ときおりあらわれる秋の農村の風景に気持ちが和みます。鬼無里からは旧大岡村まで県道をつないで“移動”の走りですが、ここで誤算がいくつか。想像以上に上りがきついのと、移動のためのコース設定だった割にはとても雰囲気が良かったことです。黄金色に実った稲、刈り取られて畑に干されている稲穂、小さな集落、棚田、要所要所であらわれるパノラマ的な風景。ずっと上り下りの連続、それも「えっ、ここで標高下げちゃうの?」という気持ちの凹む場所もいくつかあったりはしましたが、予想を裏切る情緒ある素晴らしいコースに思えました。























 信州新町から旧大岡村まではちょっとわかりにくい道。小さな集落への分岐がたくさんあるのだけれども、道幅が県道とほとんどかわらないのでどちらへ行けばいいのか迷う場所がいくつもありました。そしてぽつぽつとあらわれる小さな集落を越えて、唐突に旧大岡村へたどり着きました。目的の棚田があらわれ、すぐそこに小さな大岡温泉がありました。まだ旅は終わりではないのですが、着いた~と思った瞬間でした。









 大岡温泉に入るかはかなり迷いました。コースの終わりである聖高原駅まで約20km。どんなコースかわからないだけに、時間的に心配だったのです。でもこの時期だからこそそんなに湯冷めもしないだろうし、かといって温泉入ったあとひどく汗だくになることもないだろうと思い、この温泉に入るか入らないかでこのツーリングの充実感はかなり変わると考え、結局入っていくことにしました。棚田を見下ろすぬるめの気持ちの良い温泉につかり、温泉を出てからは小さな休憩所で手打ちの十割蕎麦を食べました。立ち寄って大正解の大岡温泉でした。

 ちなみにこの大岡の棚田、それから旧大岡村までに至る道の景色の開けた場所からも、空気さえ澄んでいれば北アルプスを眺めることができるようです。今回は残念ながら雲に隠れてしまいましたが、北アルプスをずっと見ることができたならこのコースの満足度はさらに上がることと思います。



 温泉を出たあとは終着点の聖高原駅を目指します。しかし、最後のダウンヒルに入る前に2回の上り返し。でも景色が素晴らしいので許せます。そして民俗学的な価値も高いらしい芦ノ尻の道祖神に立ち寄って、あとは快適なダウンヒルを楽しみ、会心?と思える小さな旅の充実感を味わいながら14時20分くらいに聖高原駅に到着しました。













 走行距離104km。上りの多い少しきつめのコースですが(→ルートラボ)、北アルプスが雪をかぶっている時期にまた走ってみたいと感じた充実の輪行ツーリングでした。こんなコースを走るきっかけになるバッグをつくってくれたワニガメさん、ありがとうございました。そしてバッグですが、使いやすくまた走りやすくて大変ありがたかったです!