湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

六畳一間のご主人様

2006年06月08日 | 日常生活
平日の昼間に部屋にいると、時々何かの勧誘のような電話がかかってくる。そういったほとんどが、僕が電話に出ると「ご主人様ですか?」と訊ねてくる。でも僕はご主人様ではないと思うので、「ちがいます」とこたえる。すると不思議なことにほとんどの場合相手は「それでは息子さんですか?」と訊いてくる。でも僕は息子ではないので、やはり「ちがいます」とこたえる。すると相手は喉に何かが詰まったかのように一瞬黙る。こちらにはもともと話すことなんてないわけだから、僕のほうもそのまま黙っている。

平日の昼間に部屋にいる一人暮らしの男にたいするマニュアルだってあって良いはずなのに、沈黙のあとの反応はそれぞれでなかなか面白い。ストレートに「では、あなたな(何者)?」と訊ねてくる人もいれば、そのまま「失礼しました」と電話を切るものもいる。他には「会社とかそういうところですか?」と訊いてくる人もいた。これには適当に「そうです」とこたえておいた。先日は申しわけなさそうに、そして幾分不快そうに「怒っておられるのですか?」と訊いてきたひともいた。「怒っているわけではないけれども、ご主人様でも息子でもないのです」とこたえたら、ガシャリと電話を切られた。やはり怒っていると思われたのだろう。確かに迷惑ではあったけれども、基本的にはこちらは事実を言っているだけなんですけどね。

こういう場合、あまり波風を立たせないためにやはり「ご主人様です」とこたえたほうが良いのだろうか?もしご主人様か息子かと二者択一で訊かれたとしたら、この部屋においては僕はご主人様と言えないくもないわけだから。でも六畳一間の一人暮らしで、「俺はご主人様だ」なんて言うのもやっぱ虚しいし、悲しいと思う。それにもし部屋に置いてある自転車たちに、「俺はご主人様だ」なんてやりだしたら相当危ないような気がする。

とにかく無差別爆撃的な電話勧誘を行なう事業者は、僕のような人間を困らせないために早急に平日の昼間に部屋にいる一人暮らしの男用のマニュアルを作成すべきだと思う。