去年あたりから楽しくなってきたMTBによる地元の里山探訪。乗ることにはそんなにこだわらず、若い頃はあまり目を向けることがなかった身近な自然をMTBと徘徊するのがこの冬は本当に楽しい。地図をながめて、身近なこんな場所にこんな道があったんだとまず驚く。そして期待と不安の入り交じった気持ちでその場所を訪ねてみる。快適に乗れて楽しめることもあるけれども、ほとんど乗ることができないで自転車ではかからない負荷を体にかけて疲弊して帰ってくることももちろんある。それでも、そういうのがすごく楽しくて嬉しい。
そんなことを繰り返しながら、そして地図を見ながら考えはじめたこと。それがそんな地元の里山の道をつないでMTBとともに三浦半島を縦走できないかということだった。丸一日MTBとともに山のなかを歩き走り、最後に海を眺めて三浦半島の自然の素晴らしさを思う存分体感することができないかということだった。
2月19日火曜日、そんなプランを具体化した。発熱のあとで体調はいまひとつだったけれども、乾いた晴天が続いたあとの平日のお休みということで少し無理してでもどうしても出かけたかった。泥道は避けたかったし、ハイカーの方たちが増える休日もやはり絶対に避けたいと思っていたので、このチャンスはなんとしても逃したくなかった。
というわけで、山域(というのは身近な低山にしては大げさなのだけど)で数えて全5ステージの三浦半島縦走をこの日行なうことにしたのだった。
6時頃には部屋をでる予定が、寝坊のせいで7時40分の出走。前日の予報では少し寒さが緩むということだったのだが、朝はやはり寒い。山道には霜がはっているところもあった。
さて1時間弱のアプローチのあと、第1ステージのいつもの山道へ。ここはまぁ何度も走っていることもあって気楽だったのだけれども、病み上がりのせいかあまり馴染みの道を走っているという感じがしない。バランスも明らかにおかしく、普段まったく問題なく走っている場所で何度かひやっとした。う~ん、こんな調子で完走できるだろうか?と少し不安になった。
繋ぎの舗装路の距離を少しでも減らすために、途中からはいつも走っているコースを離れる。といっても、ここもこの冬は何度か走っているので迷ったりする不安はない。
1時間強で第1ステージを終えたあとは1kmくらい舗装路を走り、
第2ステージへ。ここはこの冬のお気に入り。テクニカルなところはほとんどないけれども、
雰囲気がとても良くて走っているのがものすごく楽しい。ここらからようやく体が馴染みはじめたような気がした。
第2ステージのあとは、繋ぎのアプローチとしては今回もっとも長い距離(それでも4kmくらい?)を走って第3ステージへ。
ダートの林道のような道を走ってまずはピークに上り、そこからコースを少し戻って、
再び山道へ。この山道は途中までは何度か走ったことがあるのだけれども、後半部分は今までまったく入っていったことのない道。それはこれ以降の第4ステージ、第5ステージも同じなのだけれども、ここは今までかなり苦労させられている山域なので少し不安を感じていた。ここを訪れたときに走っているコースも、なかなか難度が高く、転倒も多分一番多くしてるところなので。
で、怖れていた通り、ここでかなり消耗。勾配のきついアップダウンが連続する尾根道はほとんど乗ることができずに押しや担ぎの連続だった。そんな感じで2つピークを越えた。
展望のあまり良くない2つ目のピークからの下りは、
ようやく楽しめる道になってひと安心。
ここは本当に気持ちの良いダウンヒルが楽しめたので、途中のコースを検討して再び訪れたいと思った。もう少し乗れるルートが多分あると思うので・・・
さてお次の第4ステージはコース上の最高地点を目指すもの。ここは何度か訪れたことがあるのだけれども、今回のルートははじめて。いや、正確にいえば高校2年のときに一度だけ友達に誘われてランドナーで訪れたことがあるはずなのだけれども、僕はそれがきっかけでこういったいわゆる“山サイ”にしばらく興味を失ったのだ。とにかくものすごく疲れたので。
と詳細はまったく覚えていないのだけれども、そんなきつかった印象があったこのルートなのだけれども、想像していたよりもすごく楽にピークに到達することができた。多分当時はこういった小さな自然を楽しむ能力に欠けていたのだと思う。
晴れた日には360度の素晴らしい眺めが楽しめる展望台は強風のために閉鎖されていた。正直この日の風はそんなにたいしたことがなかったのだけれども、もしかしたら冬のあいだはずっと閉鎖しているのかもしれない。先日別のルートで訪ねたときもやはり同様に閉鎖されていたので。
このピークで少し長めの休憩をとったあと、いま上って来た道を少し下り、
分岐から別方向へ向かう道へ。
この道の途中で標識のない分岐がまたあったのだけれども、地図でどの道なのかいまひとつ判別できず、どちらに向かうか少し悩む。標識通りに進めば間違いないのだろうけれども、面白そうなのは標識のないほう。それで少し悩んでいたら、ちょうど良いタイミングで単独行のハイカーがやってきた。それでそのルートに訊ねてみると、どうやらその人は海のほうから歩いてきたらしい。でも僕はこの時点ではまだ海へは出たくない。ただやはりその道の途中にも分岐があって、そちらへ行けば多分もっと内陸側へ出るだろうとのこと。「でも結構すごそうな道ですよ」とそのハイカーは言ったのだけれども、このときは気持ちに余裕があったのでその道を行ってみることにした。
そうしたらこれがアタリ。快適ダウンヒルが待っていた。こういうのは本当に嬉しい。途中担ぎでの階段下りもあったけれども、乗れるところがとても面白かったので全然苦ではなかった。
と、そんな良い気持ちで下ってきたら池というか流れの淀んだ川が道を遮っていて一瞬焦る。水に足を入れなくても石伝いに渡れたので良かったけど。
そして里に降りてきたのだけれども、そこがどこなのかが全然わからない。たまたま散歩に来ていた人に「ここはどこですか?」と訊いたら、以前ヘラブナ釣り場だった○△池というところだと教えてくれた。考えていたところとは少し離れたところだったけれども、こちらのほうが次の最終第5ステージへのアプローチは短くなりそうなので結果オーライ!それに地図では繋がっていない道だったようなので、コース開拓もできて良かった!
さて、そんなこんなで最後の第5ステージ。ここは最初のピークまで舗装路で上れてしまうようです。しかしそのピークまでの道のきついこと。おう、これは結構な激坂ではないかと一度自転車から降りて写真を撮ったあとにあらわれたのが、
この道。写真ではわかりにくいかもしれないけれども、かなりの勾配だった。普段は足つきなしとか全然気にしないのだけど、ここは気合入れて勾配が緩くなったところにある展望台まで頑張った。ここで足ついたら“負け”だと思ったので。でもロードだったら上りきれなかった思う。今度機会があったらロードで来てみよう。誰かを道連れに。
ちなみに、ここまででかなり体力をつかっていたので、この上りは本当にきつかったです。
さて、そのピークからは尾根道伝いにもう2つピークを越えて、
少しずつフィナーレに近づいていく。
ここを下れば海だ!
で、7時間強山の中を悪戦苦闘しながら楽しんで、ようやく三浦の海水に触れた。このときはやはりかなりの達成感があった。とにかく当初望んでいた通り、三浦半島の自然をまる1日かけて思う存分満喫できました!ありがとう、三浦半島!!
海水に触れたあとは、空腹を満たすために横須賀の岩松へ。実は途中から疲労と空腹で、穴子のそそりたつ岩松のこの海鮮丼が食べたくて仕方なかったのだ。走る前はお刺身を考えていたのだけれども、実際体が求めたのはこちらだった。
そして大盛の海鮮丼に満足したあとは暗くなった道を走って江ノ島まで。
ところで昼間走っているときはMTBに余計なものは何もつけてないですけど、暗くなってからはちゃんと照明類はつけてます。山道を走るときは邪魔というか少し気になるので、外してザックに入れてあるのです。外観的にもなるべくシンプルなほうが好きなので。
体は疲れたけれども、転倒やケガもなく、大満足の1日でした!