今日は一昨年緊張しながら訪れた小川谷廊下へ。今回は少し遅い歩き出しで、10時過ぎにカブを停めた場所を出発した。
途中、林道脇から斜面を下り、こんな感じの場所を3カ所降りて、沢へ。そしてその沢を少し下って、小川谷に入った。
最初の滝。右の少しオーバーハングした壁を登る。一昨年はじめて登ったときより、スムーズに登れた。
二つめの滝。一昨年は足場がわりに置かれた倒木と残置シュリンゲを使って右側を登った。でも今年は左側を突っ張りでチャレンジするつもりだった。でも水流が強すぎて左側は全然無理だった。
そんなわけで、倒木ではなく鉄梯子が置かれた右側から登ったのだけれども、水の勢いがすごくて鉄梯子を使ってさえも登るのが結構大変だった。すでに全身ずぶ濡れだ~
一昨年は陽射しが少なくて、丹沢一の美渓を堪能といった感じではなかった。楽しい沢ではあったけれど、美しさにたいする素直な感動はなかった。
ただ今回は違った。光が射し込み、岩や水、苔、木々などの色がはっきりとした谷はまさに美渓で、素直に感動したし、こんな場所が丹沢にあることを心から嬉しく思った。
なんてことはない、自然の造形のひとつひとつがどれもきれいに感じた。
苦労した記憶はないのに、登るのが大変だった滝。滝の左の岩に取り付いたのだけれども、ルートを見つけられず岩のバンドから一度降りた。前回はどうやって登ったのだろうか?今日の水量では直登は無理だけれども、前回は突っ張ってなんてことはなく登れてしまったのかもしれない。結局もう一度バンドに登り、それらしいホールドを見つけて、左上方に向かって登って岩の上に出たのだけれども、エスケープしずらい沢だけに結構焦った。
苦戦しただけに、滝の上に出て、このやろ的に一枚。登れて良かった。
しかし、ほんとうに変化に富んだ沢だ。
次々に変わる景色のおかげで、まったく飽きがこない。
登る人がいるというのが信じられない滝。今回も一応チャレンジしたのだけれども、全然駄目だった。ここは巻き道も少し危険だったりするのだけど、今回はまったく怖さは感じることなく通過できた。
ここは滝の下をくぐって、右側から岩を登った。
上から見ると、今そこにいたはずなのに、まったく覚えのない幻想的と言えなくもない景色が広がっていた。
つるつるの大岩と呼ばれる、巨大な一枚岩。
一応チャレンジしてみたものの、やはりロープがなければ登れない。固定ロープがないときは、どうやって突破したらいいのだろう?案外裸足になれば登れたりするのだろうか?次回試してみようかな。
大岩のあとは、ほんとうにここは丹沢か?的な景観の石棚のゴルジュのなかを歩く。
足跡から何人かの先行者がいるなとは思っていたけれど、3人の先行者の姿がようやく目に入った。
石棚のゴルジュを抜けると20mの大滝。2段目は直登は無理で、写真中央の岩場を登る。ここで3人に追いついた。ロープを出そうとしている3人に「お先にどうぞ」と言われて、岩に取り付いたらいきなり手が滑って岩から手が離れた。あぶね~と思いながら、グローブをつけたら今度は大丈夫だった。高さはあるけれど、ホールドも足場もしっかりしているので、そんなに怖さを感じずに登れるのがありがたい。
澄んだ深い淵。一緒に巻いてしまうのだけれども、巻いてしまうのがもったいなく感じる魅力的な淵だ。でも、ここに入って万一流されたら大滝の上から叩き付けられるわけだから、やはり巻くのが正解だな。そもそもこの淵に降りるにしても、ロープを使うか飛び込むかしないと無理そうなわけだし。
大滝を越えるとあと少し。
少し曇ってきたけれど、最後まで飽きの来ない景観が続く。
最後の少し難しい滝。水流に近づいてからが前回は大変だったけれど、今年は水流に近づくまでが大変だった。なんでだ?水流に近づいてからは、しっかりしたホールドを見つけることができて、前回の緊張が嘘のようにあっさりと滝の上に出れた。
そしてゴールの壊れた堰提。いやぁ、やはり小川谷廊下は楽しい。それに今回は丹沢一の美渓と言われるその景観も存分に楽しめた。こんな場所が県内にあることをほんとうにありがたく、そして嬉しく感じた。
来年もぜひまた来ようと思いながら、山のなかの作業道を歩き、出発地点まで戻った。