湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

早起きで得をしたときのこと

2006年06月18日 | 日常生活
早起きは三文の徳、という諺があるけれども、早起きしてではなく実際したときの話。

2000年の夏の終わり頃のこと。僕はアルミの極太レーサーが欲しくてたまらなかった。それまではアルミのフレームなんて冗談じゃないよと思っていたにもかかわらず、何かの雑誌でキャノンデールの極太アルミフレームを見て、「こういうフレームはどんな乗り心地がするんだろう?」と思ったのをきっかけに、どんどん自分のなかで極太アルミフレームへの好奇心が膨らんでいってしまった。

しかしそれまでに僕はずいぶんと自転車にお金をかけてしまっていた。その前年にはランドナーの再塗装&レストアを行ない、その年のはじめにはVOGUE(オリエント工業)でMTBのフレームをオーダーしていた。そして確かやはりその一年以内のあいだに自身としては初となるSTIの変速レバーのついたクロモリのレーサーをオークションで手に入れていたと思う。なので、たいして自転車に乗っているわけでもないくせに(当時はいまから比べるとホントに自転車に乗っていなかった。所有欲だけが突っ走っていた)、これ以上自転車にお金をかけることにも、自転車を増やすことにも躊躇いがあった。

それになにせキャノンデールといえば、(今もそうかもしれないけれど)当時はかなりの人気ブランド。新品はもちろんのこと、オークションでも結構な値段で落札されていた。なので、いずれにせよそう簡単には手が出なかった。

しかし2000年の9月上旬のある日、早起きしてぼんやりとオークションをチェックしていたら、キャノンデールのサエコレプリカのレーサーが3万円で出品されているのを見つけた。まぁそれだけなら驚くことはない。時間とともに値があがるだけのことだ。しかしなんとそのオークションには希望落札価格が設定してあって、その価格が5万円だったのだ。

なぜ、このオークションが誰にも落札されずに残っているのだ?一瞬頭が混乱したが、出品時間を確認してみたらつい数分前に出品されたばかりなのだ。これは大変なものを発見してしまった。それからは短時間で頭の中を様々な考えが飛び交った。何か不具合でもあるのでは?サイズは?仕様の詳細は?などなど。でもそんなことをいちいち出品者に質問している時間の余裕はないと思った。様々なリスクを覚悟したうえで希望落札価格で入札してしまうか、諦めるかのどちらかだ。

でもって、結局というか当然というか僕はそのキャノンデールを落札した。そして届いた商品を組み上げて、どきどきしながら試走してみたのだけれども、別段特に不具合は感じられなかった。サイズもピッタリだった。若干ハンドルがクイック過ぎる気がしたけれども、ネットで調べたらやはり同じような感想を持っているユーザーの方が何人かいたのでこれもこの自転車の特性なのだととりあえず思い込むことができた。

去年の夏にLEMONDのフレームを手に入れるまでこのキャノンデールに乗り続けた。途中アルテグラの9速にコンポを換えて、それまで付いていた105の8速コンポはオークションで処分した。そしてフレームのほうも最後はやはりオークションで処分した。コンポとフレームの落札価格の合計は5万円を越え、今も尚ホイールが手元に残っている。そう金銭面においては明らかに得をしてしまったのだ。

それ以来僕は『早起きは三文の徳』というと、このキャノンデールのことを思い浮かべてしまうようになった。ただこのキャノンデールの話=『早起きは三文の徳』という構図が出来上がってしまうことには抵抗を覚える。だって、なんかこれでは「早起きしたらすごく儲かる銘柄の株があり得ない価格で買えたんだよ」というのとさして変わりないですからね。これからも早起きを心掛けて、もっと精神的に豊かな出来事にめぐり合うことを期待しよう!


そのキャノンデールのレーサー。そういえばケイデンス付のメーターまで付いていた。

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