湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

ホタル

2006年06月23日 | 自転車生活


いままで蛍を見てきた。本当に蛍に出会うことができるのだろうかと少し疑ってもいたのだけれども、闇が濃くなるにつれて、そこかしこでふわふわと舞う蛍の小さな光を見ることができた。

今日は蛍を見に行く前に、まず腹ごしらえのために関内に向かった。なぜ関内かというと、えっと、なんとなく二郎のラーメンを食べたくなってしまったからだ。つい先日僕は二郎に「さよなら」をしたばかりなのだけれども、う~ん、やはり駄目ですね。結局また食べたくなってしまった。まぁあのエントリーだって本気というより、かなり適当な気持ちを書いたものだったしなぁ(と開き直る)。まぁこういうこともあまり窮屈になっちゃいけませんよね。


相変わらずの人気ぶりな関内二郎


小ラーメン。今日は結構楽に食べることができた。でも、またしばらくは食べなくてもいいかな。

で、久し振りの二郎のラーメンを食べ終えて、今度は横浜市栄区にある瀬上市民の森に向かった。


森へはこんな感じの道を走っていく。ダートだけれども、路面はかなりしまっており、少し注意すればレーサーでも問題なく走っていける。写真はフラッシュのせいで暗さばかりが強調されているけれども、時間はまだ19時くらいなので実際はまだここまでは暗くない。

そしてダートの道の終点近くにある休憩所のようなところに自転車をとめて、途中のコンビニで買っておいたビールと図書館で借りてきた「自転車で痩せた人」という本をディパックから出す。そしてビールを呑みながらLEDの光で本を読みつつ、闇がさらに濃くなるのを待つ。


ところで、二郎の行列に並んでいるときもこの「自転車で痩せた人(高千穂遥著)」を読んでいたのだけれども、これがとても面白くてかなり前のめりになってしまった。おかげで30分弱の待ち時間も全然気にならずにすんだ。

これは本のタイトル通り、自転車で痩せた著者が自転車の素晴らしさを伝える本なのだけれども、以前から日常的に自転車に乗っている僕なんかからすると、「そうだろ」とか「そうなんだよ」とか「だから言っただろ(実際は言っていないけど)」とついつい顔をほころばせながら相槌を打ちたくなるくらい自転車の効用や楽しさを肯定してくれるので読んでいてとても気持ち良い(もっともこの本では僕の好きなランドナーなどについては「理解不能」といったような扱われ方がしているけれども、それはそれでひとつの考え方だし、それによって本の面白さが損なわれたりはしてないと思う)。

逆に言えば、自転車をこれからはじめようとしている人にとっては、「そうなんだ」「そんなに素晴らしいんだ」「よし、ではわたしも明日からはじめてみよう」となるのではないかと思う(多分・・・)。

もっともほとんどの方にとっては、この著者のように“深い考えもなしになんとなく”神金自転車商会(老舗の高級自転車屋さん)でペガサスのスポルティーフをオーダーしておきながら、「これは私の望むところの自転車ではなかった」と言ってあっさりとTREK5500というランス・アームストロングの乗るような自転車を買うなんてことはとてもできないだろうけれども、そういうところを無視さえすればほんとになかなか面白くまたモチベーションのあがる本だと思う(まだ途中までしか読んでいないけど)。興味のある方は是非とも読んでみてください。

さてちょっと話が少し逸れたけど、ビールを呑みながら歯切れの良い著者の文章を読んでいるうちに、だいぶ闇も濃くなってきた。そして暗いなかで本を読むのに疲れて顔をあげると、沢を覆うようにして生えている木々のあいまでいくつかの小さな光が飛び交っていた。



それは以前三国峠の頂上でみた大乱舞とは全然違うささやかなものだったけれども、久し振りにみた蛍の光はやはりとても幻想的で情緒的だった。そして闇が濃くなるにつれて、小さな光は少しずつ増えていった。最初はほんのちょっと蛍を見たらすぐに帰ろうと思っていたのだけれども、結局僕はそんな光を、闇の中で目が痛くなるまで熱心に追い続けた。




江ノ島までの帰り道、昔の日本の自然というのは本当に素晴らしかったんだろうなと思ったりした。水辺の至るところで蛍が飛び交う様子を想像しながら、今度はもう少し自然の濃い場所で、もう少し自然な形で蛍を見ることができたらいいなと思ったりした。