湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

8月まとめ

2012年08月31日 | 自転車生活
 自転車 894.00km
 ラン 58.14km

 せっかく楽しくなったランなのに、8月12日を最後に一度も走れていないのがいたい。そしてまだしばらく走れそうもないことに焦りを感じる。自転車ももうしばらくはちょい乗り程度で我慢しないと駄目そうだ。どれくらいやすめば完治するんだろ?直江津を目指しているときは、とりあえず今のことだけ考えて、王滝とかランとかどうでもいいくらいに思っていたけれども、やっぱり体動かせないと精神衛生上よくないですね。くさらないように気をつけないといけないな~。若干すでにくさり気味ですが・・・

 本日、映画『ドラゴンタトゥーの女』を観たあと読み始めた原作の『ミレニアム』シリーズ計6冊をようやく読了。いやぁ面白かった。スウェーデンで製作された映画3作のほうも借りて観てみよう!

 それからプロ・トレイルランナーである石川弘樹さんが書いた『トレイルランニングを楽しむ』もあと少し。鎌倉に住んでいらっしゃるようで、本のなかの写真に見覚えのある場所がちらほら。なんとなく場所がわかってしまうのが嬉い。少しもやもやを感じてしまうところもあるのだけれども、良い本だと思う。それにそのもやもやに関しても、MTBに乗る僕のような人間が感じるべきものではないという気もする。とにかく、もう少し涼しくなったらたくさん走りたいなと思った。

 というか、もうそろそろもう少し涼しくなってくれないと。

 しっかり休んで違和感なくなったら、またランも自転車も楽しもう!

直江津集合!2012 1日目 笹子隧道(1096m)

2012年08月27日 | MTB


 8月23日木曜日、23時13分に鎌倉の海から日本海を目指してMTBで走り出す。日付がかわった0時から走り出そうと思っていたのだけれどもうまく仮眠がとれず、2010年と同じく結局これくらいの時間の出発になった。

 気になって出発前にしたこと。SPDシューズのクリート位置の調整。ランで痛めた膝とアキレス腱が心配だったので少し時間をかけた。それから気になりつつもしなかったこと。サドルの交換。普段MTBについているサドルは18年前に購入したVOGUEの前のクロモリMTBについていたもの。ロングを走るのであればブルックスか、あるいはレース用として購入したアリオネのほうが快適なことはわかっていたけれども、今までほとんどサドルによる深刻なお尻の痛みに悩まされたことはないし、実際2009年の直江津集合のときはこのサドルで走っているのでまぁ大丈夫だろうと思ってしまった。

 結局膝とアキレス腱に関してはクリート調整だけでは悪化を防ぐことはできなかったし、お尻に関しては最近ロングを走っていなかったせいもあるのか、我慢しきれないほどではなかったけれども、久々というかはじめてというか、とにかく不快な痛みを感じながら走ることになってしまった。心配していた雨にはほとんど降られなかったので、革サドルに交換しておけば良かったけれども、今言ってもどうにもならない。お尻の痛みでDNFにならなかっただけでよしとしておこう。



 2009年と2010年にMTBで走り出したときはそれなりの緊張があったと思うのだけれども、今年はなぜかほとんど緊張がない。そしていつもあまりわくわくできない“移動”のためのナイトランも、あれこれ考えごとでもしながら走るにはちょうどいいかと、そんなふうに考えることができた。実際はそんなに考えごとなんてせずに、ただぼんやりとペダルをまわしていただけなのだけれども。



 移動を終え、笹子隧道への楽しめる道に入ったのが5時45分くらい。やはりこういう道はいいなぁ。今のところ膝やアキレス腱も、そしてお尻のほうも大丈夫。木々のあいだから射し込む朝の光のなか、のんびりと高度をあげる。



 直江津で宿泊するホテルに輪行袋と着替えを送ってしまい、今回は必要最小限の装備で走った。サドルバッグに替えチューブと工具などの少し重量のあるものを入れて、あとはトレラン用の小さなバッグに軽いものを入れて背負った。ハイドレーションシステムは必要ないので、タンクを外してかわりに上半身用のゴアの雨具を突っ込んだ。





 朝の空気と光と緑がとても気持ちいい。



 そして6時15分くらいに趣のある笹子隧道に到着。





 さぁ、では今年も大弛峠行きますか!

直江津集合!2012 1日目 大弛峠(2365m)

2012年08月27日 | MTB
 塩山のすき家で朝定食を補給し、大弛峠へ向かう。

 ただ塩山から上る大弛峠というのは、正直あまり心躍るものではない。長野側からは標高差もそんなではないし、変化のあるガレたダート道ということもあって苦しみながらも楽しんで上ることができる。しかし塩山からだと標高差が2000mもある上に、琴川ダム(1464m)までは容赦ない陽射しがきつい単調であまり面白味のない道を上らなくてはならない。琴川ダム以降はちょっとしたプロムナード風味な道が続いたりして気持ちいいのだけれども、そこまでは練習にはいいかもしれないけれども、ある意味・・・というか自走の場合は確実にちょっとした試練である。

 それでも自転車で上れるもっとも標高の高い峠というのは魅力的だし、長野側の荒れたダート道を下る楽しみだってある。2009年と2010年はダートの下りを楽しむ余裕はまったくなかったけれども、今年は装備が少ないのでもしかしたらごつくないタイヤでも楽しめるかもしれないという期待がある。そしてやはり大いなる達成感を得たいと思うと、どうしてもここを通らないわけにはいかなかった。

 とまぁ、そんなことをあれこれ思いながら上りはじめたわけである。



 ぶどう畑のなかの道を上りはじめながら振り返ると、どかーんと富士山が!



 轍屋さんの夏合宿も含めると塩山から上る大弛峠は今回が4度目。すべて自走なわけだけれども、今回が一番天気が良い。暑さはきついけれども、やはり天気は良いほうがいい。



 おかげで、単調に感じる琴川ダムまでの道も、今年はそんなに飽きずに上ることができた気がする。





 ダムまであともう少しの場所にある天然の水場。ボトルにはまだたくさん残っていたのだけれども、せっかくなので入れ替える。



 そしてようやく琴川ダムを越え、



 好きな雰囲気の道へ!

 ただこのあたりから右膝や右のアキレス腱、それから腰の痛みが強くなりはじめる。もともと調子が良くなかったので、まめに自転車から降りてちょっとしたストレッチをやっていたりしたのだけれども、防ぎきれなかったようだ。膝をかばうとアキレス腱の痛みが増すし、腰はちょっと後屈するだけで「うぐぐ・・・」といった感じ。まずいなぁ。



 素晴らしい天気にだいぶ気持ちは救われているけれど。





 プロムナード風なこちらも好きな道。



 五丈岩が特徴的な金峰山と朝日岳。ちょっとガスってきた。そして、いたくてきつい!



 ここまで来るとようやくあと少しと思える。



 そしてようやく12時ちょうどくらいに標高2365mの大弛峠に到着。しかし学生の頃にあった立派な峠の看板はどこにいってしまったのだろうか?

 今年は峠から展望の広がる夢の庭園まで歩くつもりでいた。でも嫌な感じの雲が出はじめていたので、少しだけ悩んですぐに下ることにした。2010年に峠の両側で降られた冷たい雨がかなりのトラウマになっている。ここらの展望に関しては、またの機会にということにしよう。確実にまた来る場所なのだから。



 さて、では信州に向かってダートの下りいきますか~





 大弛峠の信州側は荒れたダートで有名だけれども、今年は大きなサドルバッグをつけていないので、想像以上に楽しめる。もっとも大きなサドルバッグよりも、大きなサドルバッグを支えるサポーターの影響のほうが大きい気がするけれど、とにかく今年はこのタイヤにしてはかなり良い感じで下ることができた。





 途中からまた青空が、



 良い感じに!

 ただ下るにつれてアキレス腱と腰の痛みが耐え難くなってきた。ダートの下りなのでほとんどサドルに座ることはできない。そうなるとペダルにつま先立ちみたいな状態が続き、それが痛みを余計にひどくさせたのだろう。途中からはクリートを外しシューズの中央部分をペダルにのせて下った。そして何回かとまって休憩をした。



 あと少しの我慢。でも痛みさえなかったら、上りも下りも今年は今まで以上に楽しめていたはず。それが悔しく残念だ。でも原因は自分にあり、そしてはっきりしている。来年以降の課題だな。

直江津集合!2012 1日目 レタスの川上村と馬越峠(1613m)

2012年08月27日 | MTB


 ようやくダートの下りを終えて、少し残念な気持ちなりながらもほっとひと息。そしてレタスの川上村へ下りてきた。



 振り返ると金峰や小川山方面の山々が立派だ。自転車も山登り&トレランもボルダリングも、そしてキャンプも楽しめるエリア。廻り目平のキャンプ場にテントを張って、すべてを楽しむというのをいつかやってみたい。



 ここらで少しだけだけれども、雨に追い立てられた。夢の庭園まで歩かず、すぐに下ってきたのはやはり正解だったか?



 疲れ、体のあちこちの痛みは相当つらくなっていたけれども、馬越峠へ向かう。2009年は川上村での雨宿りとそこまでの疲れで弱気になり、馬越峠を回避してしまった。そして2010年にヘロヘロになりながらもようやく馬越峠を越えることができた。今年は2010年に比べて荷物の軽量化が約3kg、そして自分の軽量化がだいたい4kg弱くらい。体のコンディション的には決して良くないけれども、ここで馬越峠を回避することは絶対にできないと思った。

 ただ、今回の馬越峠はほんとうに、ほんとうにきつかった。膝が、アキレス腱が、腰が、そしてお尻が悲鳴をあげていた。何度も何度も足をつき、そのたびにハンドルに顔を伏せた。そして少しして顔をあげると、うつろな目で呆然と目の前の坂を眺めた。とにかく久々に感じる自転車でのきつさだった。痛さだった。

 長距離は走っていなかったけれども、上る力だけを考えれば2年前より間違いなく向上しているはず。それに体重だって、荷物だって今回は少なくなっているのだ。でも体の痛みでこんな走りしかできない。これじゃ翌日だって走れるかわからない。情けなさと悔しさが込み上げてくるのを抑えることができなかった。



 標高差約400m、距離約6kmになんと1時間近くもかけて倒れこむように14時45分くらいに馬越峠に到着。大弛峠を越えたときよりも、ほっとした。



 そして切通しの峠から後ろを振り返り、少しだけ心が満たされた。



 さて、あとはとにかく佐久平までなんとか走ろう!

 佐久平に着いたのは16時40分頃。簡単に食事を済ませ、コンビニでアイスを買って食べ、健康ランドにチェックイン。汗だけ流して、即効で水風呂に向かって下半身のクールダウン。膝の痛みは少し良くなった気がするのだけれども、そのかわり右のアキレス腱の腫れが気になる。

 疲れと体のほてりと眠気がひどく長く風呂に入っていることはできなかった。すぐに仮眠スペースにうつって、そのまま気づいたら寝落ちしていた。一応耳栓とアイマスクを持っていったのだけれども、まったく必要なかった。

 1日目の走行距離 248.01km

直江津集合!2012 2日目 車坂峠(1973m)

2012年08月27日 | MTB
 8月25日土曜日。2時頃に一度目覚める。本当はもう少し早い時間に起きたかった。でもそのまま二度寝。そして再び目覚めた3時頃に起きようとするが、驚くことに腰の痛みですぐには体が動かせない。簡単なストレッチやマッサージをするつもりだったのに、あまりの眠さに結局何もできずに寝てしまったのが良くなかったのか?それともリクライニングチェアのつくりのせい?仕方ないのでそのまま腰を小さく上下左右にほぐし、とりあえずリクライニングチェアから降りてからは太鼓座りのように床に座ってゆっくり腰を伸ばした。ただ腰にも膝にもアキレス腱にもダメージはあるけれども、DNFするほどではないと判断。いけるところまで頑張ろう。

 近くのすき家で朝食を食べて、4時頃出走。



 夜明け前の薄暗闇のなか車坂峠を上りはじめる。





 大弛峠の前半と同様、個人的な感覚で言わせてもらうと車坂峠も標高1800mあたりまではちょっと単調で面白味のない道だ。路面は良く、勾配の変化が少ないのでロードで練習するにはすっごく良いと思うし、実際もし近くにこんな走りごたえのある峠があれば絶対に、いやえっと多分ですけどときどきは練習で使わせて頂くと思うのですが、ツーリングとして走るにはちょっと単調すぎるかなと思うわけです。それに峠からの景色もそんなに素晴らしいわけではない。

 ただそうは言っても下界の暑さが厳しいこの時期、標高が高いというだけで空気は気持ち良いわけだし、周りの緑だって気持ち良いわけではあるのです。とにかく、そんな中をたんたんと高度をあげていく。

 ところで、上りはじめてすぐにサドルを動かしてポジションを変えた。最近は練習中心でトルクのかけやすいポジションで走っていたのだけれども、それが元凶なのかと思ったのである。実際上りはじめてすぐにまた腰に強い痛みがではじめた。これでは2000m級の峠を今日2つ越えるなんてとても無理そうに思えた。それでサドルを後退させ、高さを低くして以前のポジションに近くした。すると、あのひどい腰の痛みが驚くくらいに軽くなった。もちろんまったく痛まないわけではない。でもだましだまし直江津まで走れるんじゃないかと思えるくらいになった。



 おかげで時間はかかっているものの、視界の広がる1800mあたりまで今回も上ってくることができた。そしてもう少し上って何気なく後ろを振り返ったら、



 うぉっ、富士山が!



 そしてさらにそこから進んだカーブのところでは、奥秩父から八ヶ岳の山々がどーんと!!

 学生時代を含めると今回が4回目の車坂峠。学生のときは日が暮れてからの到着だったのでまぁ当然景色は見えなかったのだけれども、他の2回はいつも小諸の街から雲湧き上がるといった感じで、それはそれで良い感じだったのだけれども、こんな開けた展望は得られなかった。だからこんな景色は全然期待していなかったわけで、ここでテンションが一気にあがった。



 同じような写真ばかりなのに何度もシャッターを切ってしまう。





 富士山の手前が奥秩父から奥多摩にかけての山々。奥多摩はともかく、奥秩父の山々を、こんなふうに横に長く連なるしっかりとした山脈風に見るのは多分はじめてでかなり興奮。瑞牆、金峰あたりから雲取まで奥秩父の尾根を縦走すると62kmになると最近聞いたばかりなので、その尾根をしっかり眺めた。



 そして八ヶ岳。どちらもいくつかのピークに立ったことがある。そういった過去に行ったことのある山を他の場所から見るのがまた嬉しい。



 7時前に車坂峠に到着して、レストハウスの駐車場からあいかわらず感動しながら目の前に広がる景色を眺めていたら、3時頃に車で峠に上ってきて、小諸の街の夜景や明け方の風景を撮影していた人が撮った画像を見せてくれた。どれも魅力的だった。暗闇のなかを上るのは怖いけれども、ちょうど日が昇る頃に峠に到着するように出発するのもありだなと思った。



 昨日はつらさばかり感じた1日だったけれども、この景色を見てだいぶ気持ちが前向きになった!

直江津集合!2012 2日目 湯の丸高峰林道(2040m)

2012年08月27日 | MTB


 車坂峠からはたった4kmだけれども、お楽しみの湯の丸高峰林道へ。2000mあたりを走る楽しいダート道である。



 と、走りはじめると、すぐに雲海とそしてこのあと向かう志賀の山々が。



 湯の丸高峰林道も4回目なのだけれども、こんな雰囲気の展望ははじめてでやはり興奮。だからか、痛かったはずの膝やアキレス腱のことはほとんど覚えていない。



 天気がいいって素晴らしいことだ!









 「白い坂道が空まで続いていた」

 それまでは別の歌を口ずさんでいたのだけれども、思わず口をついて出た。













 4kmにじっくり30分くらいをかけて池の平に到着。



 ここからも八ヶ岳の展望が。

 さて、ここからしばらくは舗装路の快適な下りが待っている!

直江津集合!2012 2日目 嬬恋

2012年08月27日 | MTB


 地蔵峠からの気持ち良いダウンヒル。



 走っているときはただなんとなくいい景色だなぁと眺めただけだったのだけれども、あの山は方角的に四阿山だろうか?



 えっと、こちらは浅間山とか湯の丸山かな。ここを通るときはいつも目を奪われる好きな景色。



 今年はいつも以上に周りの景色をきょろきょろ眺めながら走った。



 草津へは草津嬬恋線を走る。もちろん上りだけれども、大津からのきつくて退屈なあの道よりだいぶ気持ち的に楽に走れる。



 ただこの道は、草津方面から走ってくるほうが景色を楽しむことができそうだ。



 せっかくの素晴らしい天気なので、時々後ろを振り返ったり、道の右側へ寄ってみたりとなるべくたくさんの景色を楽しむようにした。







 さぁ、次はいよいよ渋峠!あそこまで上るのだ!

直江津集合!2012 2日目 渋峠(2172m)

2012年08月27日 | MTB
 草津のセブンイレブン着10:00。カロリーの多いナポリタンを補給。渋峠着12:35。

 今年で6回目の渋峠。3回目のときは雨とガスのなかだったけれども、それ以外はだいたい晴れ。そのなかでも今回はとくに空も雲も緑もきれいだった気がする。車もバイクもそれなりに多い道だけれども、来るたびにやはりこの景色はすごいと感じてしまう。どちらかといえば静かで地味な峠が好きなのに、それでも広がる景色に感動してしまう。そして、すごい峠だとあらためて思う。

 そんな峠にあまりことばは必要ないですよね。つらさや痛みもあったけれども、今年も楽しく上った!







































 今年で6回目の湘南からの自走での渋峠越え!

直江津集合!2012 2日目 5年振りの関田峠(1100m)から日本海へ

2012年08月27日 | MTB
 今年の渋峠は本当に素晴らしかったのだけれども、白根山のあたり、そして峠のあたりにいるときには実はちょっともやもやした気持ちがあった。

 考えていた時間より少し遅めの出発になった時点で、できたら走れればと思っていた奥志賀林道も、それからこちらは今年はぜひとも行きたいと思っていた関田峠もちょっと無理だろうという気持ちになっていた。出走が遅くなったばかりか、右膝とアキレス腱の痛みがやはり心配だった。しかしそれ以外の条件は今年は本当に恵まれているのだ。荷物と自分の体重の軽量化が約7kg。雨の心配なんてまったくなさそうな素晴らしい天気。なのに思うように走れない。できたら2010年のときより、僕が考える完成度の高いコースに近づけたい。なのに時間的にも、コンディション的にも躊躇してしまう自分がいる。

 関田峠に行けないかわりに、まだ登ったことのない草津白根山の山頂でも踏みに行くかと実は途中自転車から降りたりもした。渋峠では、今年は時間的な余裕が結構ありそうだから、急いで暑い下界におりずに涼しい峠でのんびりするかとも思った。でも結局すぐに走り出し、下り出した。現実的にほとんど関田峠は無理だと思っていたにもかかわらず。



 とにかく今に集中しよう!



 そう気持ちを切り換えて長野県に突入。





 こちらも素晴らしい景色だ!



 路面が完全にドライだったせいもあり、下りは本当に快適だった。それに加えて今日の僕は、自分比だが下りがきれている。ちょっときつめのコーナーも内腿でサドルを内側に小突いて膨らみを抑え、必要最小限のブレーキでやや自己陶酔気味にかなり良い感じに湯田中まで下っていった。

 いつもひと息つく湯田中のセブンイレブンも今回は素通りした。下りながら残っている補給食を頭のなかで確認。おにぎり1個。ミニ羊羹1個。粉末のスポーツドリンクが2袋。種抜きの梅干が10個くらい。アミノバイタルの粒が5個くらいまだあるだろうか。湯田中のセブン以外にもこの先にはコンビニはある。さらに足をかばいながらの走行を続けていたこともあって、体力的なダメージはいつもより少ない感じだ。だったらしばらく休憩は控えて、このままもう少し行けるところまで行ってしまおう。

 とそんなことを思ったのは、長い下りのおかげなのか正直理由はまったくわからないのだけれども、下っているあいだに膝とアキレス腱の痛みがかなりやわらいだからだ。緩斜面になって少し力を込めてペダルを踏んでも一応大丈夫そうだ。だったらとりあえず飯山街道が上越方面に進路をかえる分岐まで頑張って、そこで最終的な判断をしようと思った。

 そこからはガーミンで確認しなければ下りとはわからないかもしれないようなゆるい下りを、姿勢を低くしてこれまでのいくつもの上り以上の心拍数で走った。そしてもう気持ちは決まっていたのだろう。分岐でも足をゆるめることなく、そのまま素通り。集合時間までの到着は多分無理だと思う。でも今回を逃せば、もしかしたら自分が思い描くコースを完走するチャンスはもうないかもしれない。自転車の神様もきっとこのチャンスを逃すなというつもりで足の痛みを一時的に緩和させてくれたのだろう。

 ただそんな前のめりな気持ちで走っていたにもかかわらず、しっかりコースを把握していなかったせいもあり、関田峠までの上り口までで少しコースミス。まぁでも多めにみてもきっと時間的には10分程度。弱気にならずに前へ進んだ。

 関田峠に向かう前に、ここらが最後かと思われるコンビニに寄って水分補給。生温かいボトルの水では全然体に染み入ってこない。その生温かい水も残りわずかだ。炭酸ではなく、しっかり冷たいスポーツドリンクを流し込んだ。そして、確かこのときだと思うけれどもSNSに「飯山街道のつもりでしたが、関田峠向かってます。時間的に相当厳しいかと思われます。解散に間に合いそうもないときは、書き込みの上、直接宴会会場に向かいます!」と書き込んだ。   



 千曲川沿いの道。関田峠への上り口まであとわずか。



 15:03、関田峠に向かって上りはじめる。標高差約800m。確実にスピードは一桁台、それも7~8kmくらいでしか上れない。1時間で可能な獲得標高は頑張って500mくらいだろうか?とにかく頑張ろう!



 お昼頃に比べれば全然ましなのだろうが、それでも照りつける陽射しがきつい。



 そしてだんだんと稜線に雲がかかる。う~ん、これは峠からの日本海の展望は無理かもしれないと思う。でもいい、ここまでずっと素晴らしい風景を堪能してきたのだ。これで最後の最後の関田峠からさえも素晴らしい展望を望むなんてそれは贅沢ってもんだ。ここまで来たらあの雲が雨雲であっても構わない。とにかく無事峠を越えて、船見公園まで走れればそれでいい。

 ここらで目の前を小動物が横切った。一瞬リスかと思ったが、リスよりも細身で胴も長かった。そして野性味のある雰囲気だった。イタチ?この関田峠で2007年に埼玉のテツさんがチャウチャウ・・・ではなく熊を目撃している。味わい深いわりには開放感のある道なので、もし熊に出会ったら逃げ場がないような気がして少しだけ不安な気持ちになった。



 黙々と上りながらも途中で何度か後ろを振り返る。きついし、ゆっくりとしか上れないけれども、でも峠までは頑張れそうだ。というか、頑張る!



 そして遂に16:34に関田峠着。やった!



 やはり峠からの展望を楽しむことはできなかったけれども、ここに来れただけで充分だ。多分僕はこの関田山脈あたりの雰囲気がとても好きなのだと思う。

 さぁ、ここから船見公園までだいたい35km。SNSに「関田峠着。ガスで展望なし。船見公園目指します(^_^;)」と新潟県入りの報告をしたのが16:37。多分18:45の解散までには間に合うだろう。でもせっかくだから皆と夕日も見たいし、できたら集合時間である18:00までに到着もしたいぞ。もしかしたらぎりぎり間に合うかもしれないような時間に峠に到着したので、そんな欲が出た。

 さぁ、どうなるか。

 



 急いではいたけれども、光ヶ原高原では自転車から降りた。やはりこのあたりの雰囲気は素晴らしい。ただこれ以降は2007年に気付かなかったいくつかの素敵な風景に出会ったにもかかわらず、写真のために自転車を止めることはしなかった。棚田の稲が傾いた陽射しを受けて黄金色に輝きながら揺れ動いていた。ここは、と思ったのだけれども、ちょうど勾配のきつめの場所だったこともあってあっという間に通り過ぎてしまった。

 渋峠からの下りと同じように、気持ちの良いワインディングを積極的に下っていったのだけれども、一ヶ所コントロールに失敗して膨らみすぎた。どきっとしながらラインを修正し終えた直後に対向車がやってきた。ちょっと調子に乗りすぎた。それ以降は気持ちが萎縮して大胆なコントロールができなくなり、スピードを落として慎重に下った。

 峠道を下り終えてから船見公園までは一番心拍数があがった区間だ。ただあと少しでゴールという昂揚感もあり、気持ち良く走れた。今年は日本海までの最後のストレートが向かい風だったらしいけれども、僕が走った時間はそんなにひどい向かい風は吹いていなかった気がする。

 18号のバイパスに入る前に、駆け込むように自販機のある場所に止まって再び冷たいスポーツドリンクを補給。暑さがきつい場所では生ぬるいボトルの水では全然体が潤わない。半分量を飲み干し、ペットボトルを背中のポケットに突っ込んですぐにまた走り出した。そして何度か背中のポケットに手を伸ばしてちょうどすべてを飲み干したあたりで、



 この場所へ到着。17:48のことだった。やった、なんとか集合時間にも間に合ったようだ・・・。よし!



 船見公園に到着するとちょうど集合写真の撮影中だった。というより、これよりだいぶ前に集合写真を撮りはじめたのに、そのあとも僕のようにぱらぱらと到着する人がいるので、何枚も取り直していたようだ。いやいや、申しわけないです。

 こうしてここまで走ってきて、今年も皆とこの船見公園で会えて本当に良かった!



 そして周りの人と旅のことを話しながら日本海に沈む夕日を眺めることができたことが本当に嬉しかった!幹事のmasaさん、林檎さん、それから参加した皆さんに感謝!



 それから・・・、僕もこの自転車も頑張った!



 馬越峠からの下りのデータをとり損ねてしまったのだけれども、太平洋から日本海までこんな感じのコースを走った。全然長い距離を走っていなかったので、その点についても不安はあったのだけれども、たくさんの素晴らしい景色を楽しみながらなんとか走り通せた。それは僕にとってかなり嬉しいことだった。

 2日目の走行距離194.81km。太平洋から日本海まで計442.82kmの旅だった。



 走り終えたあとはしばらく自転車のことは考えたくなかったけれども、来年も走る!

 んだろうな~(^^;

甲斐あった!2012年直江津集合

2012年08月26日 | MTB


 最低でも1週間くらいは自転車乗ったり走ったりできそうもないけれど、天気に恵まれてたくさんの素晴らしい景色を堪能できた最高の2日間だった!



 ゴールの船見公園には59人の仲間が集まった。毎年直江津でだけお会いする人もいる。ほとんどが東京・神奈川・埼玉あたりの人なのに。そんな出会いがなんとなくおかしく、とても嬉しい。



 今年で6回目を迎えたこのイベント。去年は完走していないけれども、僕はこの6年間、毎年夏の終わりに日本海からの夕日を皆と眺めている。それぞれ勝手に走って、皆で日本海からの夕日を見る。単純だけれども、なかなかに大変なこのイベントが続いているのはやはりmasaさんと毎年の幹事のおかげ。masaさん林檎さん、本当にいろいろありがとうございました。



 そして参加された皆さん、お疲れさまでした!