masaさんからはじめて神奈川グランフォンドの構想を聞いたのは、確か去年の5月頃。そのときは、素晴らしいコースだと思いながらも、このコースを1日で走り切るのは無理なのではないかと正直思った。だから試走の誘いを受けたときも、「行きます!」と言ったもののあまり現実感はわかなかった。そうこうするうちに梅雨に入り、ヨシヨシこれで試走の話は立ち消えだなと安堵していたら、梅雨の晴れ間をついてmasaさんはひとりで全コース走り切ってしまった。そして、もちろん大変なコースだけれども、決して走りきれないコースではないことを証明してしまった。
あのとき以来、僕も是非ともこの素晴らしい神奈川グランフォンドのコースを完走したいとずっと思い続けてきました。去年は雨のために千石原からショートカット。今年も去年同様、梅雨時の開催となってしまったけれども、果たして天気は持つのか?そして体力は続くのか?そんな不安もあったけれども、結果は念願の完走。いろんなトラブル、そして反省は多かったけれども、なんとか完走できたことは本当に心の底から嬉しかったです。
ところで今回の神奈川グランフォンドでは、いつの間にか知らないうちに僕も幹事ということになっていましたが、僕はほぼまったくと言っていいほど何もしていません。あえてしたことと言えば、表丹沢の林道がさらにきれいに繋がるし、絶対に楽しい林道だからと日向林道の追加を提案したことと、僕が休みだからということで、6月28日の開催をお願いしたことくらいです。そんなわけで、masaさんや詳細なキューシートをつくってくれたリュウさんには感謝しきりなのです。本当にありがとうございました。ただ皆さん日向林道も楽しんで走られたようでしたし、なんとかぎりぎり天気も持ったのでその点ではほんのちょっぴりイベントに貢献できたかなと思っております。
さて、今年も集合は6時半に伊勢原駅。お見送りの方も含めて25人の自転車乗りがここに集まりました。今回ははじめましての方も多く、かなりワクワクしました。そんなメンバー及びコースについては
こちらで(笑)
ブリーフィングと簡単な自己紹介を終えて伊勢原駅を出走したのが6時50分頃。とりあえず日向林道の入口までは全員で走りましょうということになりました。
最初はコースを知っているということで僕が先頭。そして途中のコンビニ以降はブルベの達人・ミニベロのリュウさんが先導します。このとき先頭の3人は皆ミニベロの方。あまり見慣れないので、なんどかとても不思議な気持ちがしました。
リュウさんの強い引きで、林道の入口前ですでに集団はばらけ、
やってきました、16%の坂。
皆、楽しそうに上ってました(笑)
そして日向林道の入口で、この日唯一の集合写真です。
ここは林道に入ると勾配が緩やかになります。ですので、皆さん談笑しながら走っていました。
そしてお次は浅間山林道。去年はここで集合写真を撮りましたが、今年はすでにここで足にきはじめていたりも・・・。
前を走るのは、まるで兄弟のようなsudobanさんとモリさん。二人とも長身でスリムで格好良いです。
浅間山林道もだいたい皆で走り、お次は蓑毛からヤビツです。このあたりからだんだんと集団がばらけはじめます。途中、tanyさんが前に出て視界から消えていきました。まだ先は長いのに、あのペース。さすがと思いました。
たんたんと走ってヤビツに到着したのが9時23分。いつもはだいたいここでいっぱいいっぱいなんですけど、今日はまだほんの序章に過ぎないんだよなぁ。本当にすごいコースです。
ヤビツからは裏ヤビツに少し下り、護摩屋敷の水場で丹沢の湧水をボトルに補給。
そして菩提峠へ上り返します。
晴れていれば開放感のある景色を楽しめる菩提峠も、今日は残念ながらこんな感じです。でも梅雨時なんだから、雨が降らないだけで上等ですよね。それに晴れたら晴れたで、この時期だと暑さと湿気でかなり消耗したでしょうし。
菩提峠からは表丹沢林道へ下りますが、この表丹沢林道の路面は結構荒れてましたね~。試走のときほどではなかったので、自転車から降りる必要はありませんでしが、そのせいか僕は表丹沢林道の終わりで前輪がパンク。僕があまりに荒れた路面を気せず走っているように見えたのか、masaさんに「yuzitoさん、お構いなしだね」と言われましたけど、そのときはへっちゃら~って思ったりしました。でも全然へっちゃらではなかったです。
というわけで、去年獣のうんこを踏んだ牛首で、他の方には先に行ってもらって僕はひとりでパンク修理。そのあたりの写真は多分他の方のブログでいくらでも見れるのではないかと思います。。。
慣れないパンクに焦りながらなんとかチューブを交換しましたが、このときパンク修理キットを忘れたことに気づいて愕然としました。あまり人を頼ってはいけませんけど、今日はひとりでは走れない・・・と思った瞬間でした。
修理後、荻山林道を下りはじめて少ししたところで、再び前輪に違和感が。やばい、また空気抜けてます。ここを低い空気圧で下るのはまずいと思ってすぐに自転車から降りました。そして、タイヤを外してチューブを確認してみたら、バルブの付け根が切れてる・・・。なんてこった、パンナコッタ、なんて言う余裕はもちろんありません。焦りまくり、自分を責めまくりです。これはどなたかにパッチをもらって、最初パンクしたチューブをなおすしかありません。
と、そのときちょうどnoahponさんとBongoさんがゆっくり降りて来ました。そして僕のいるコーナーで止まってくれました。すかさず僕はパッチ提供のお願いをしました。結局Bongoさんにパッチを3枚頂き、noahponさんには二つ持って来たからといってパンク修理キットまで渡して頂きました。すみませんでした。
結局お二人は修理が終わるまで優しく見守ってくれました。
さて修理後は、再び荻山林道を慎重に下ります。そして気になりながらも、パンク修理に付き合って頂いた二人と別れ、ひとり中山峠へ向かいます。戸川のコンビニでの補給は結局諦めました。そろそろカップラーメンやおにぎりを食べたくなってきていたのですが、薄皮あんぱん5個と大福5個を用意してきたので、とりあえずハンガーノックの心配はないでしょう。両手離しで背中のポケットから薄皮あんぱんを取り出して、ぱくぱくかじりながらなるべく足に来ないように先を急ぎます。
そして中山峠の少し手前で、先行していたモリさん、yoneちゃん、JINさんに追いつきました。そこから4人で足をゆるめずに走ったのですが、中山峠の下り、ちょうど湧水のあるカーブでJINさんが転倒負傷して、そこから引き返すことになりました。結局われわれは何もできませんでした。。。
中山峠を下り終えてからは秦野峠林道の入口を目指します。
そしたら寄の集落あたりでmasaさんがパンク修理中でした。遂にmasaさんもかと心配しましたが、人の心配をしてる場合じゃなかったことにこのあとすぐに気づきました。
秦野峠林道の入口までの激坂をえっちらおっちらと上り、寄大橋にやってきましたが、そこにはさらに先行しているtanyさんとりょうさんの姿はありませんでした。でもそのすぐ先の林道入口で、お二人とも待っていてくれました。ここからは、tanyさん、りょうさん、モリさん、yoneちゃん、そして合流したリュウさんと僕の6人で秦野峠を目指しました。
そうそうこの上りでtanyさんに、「tanyさんは毎週こんなコースを走ってるんですよね?」と訊ねたら、にやりと笑って「そうだね」とひと言。多分そうなんだろうなと思って訊ねたのですが、それでもすごいと驚かざる得ませんでした。
秦野峠林道は僕はかなり好きな林道です。で、この直後くらいに僕が再びパンク。ガ~!と意味不明にそろそろ吠えたくなったりしてきました。ここでも皆さんに「先に行ってください」と伝えたのですが、りょうさんが最後まで見守ってくれました。ありがとうございました。ここでのパンクの原因はパッチがうまく張れていなかったことによるものでしたMaybe。
りょうさんはヤビツを38分台で走ってしまうお方。そんな方との登坂はとってもつらいです。そんなわけで、僕は「そろそろ足にきてますよぉ」とか「心拍いくつですか?」とか弱気な発言を繰り返してばかり。
だから秦野峠に着いたときはどんなにホッとしたことか。ここではモリさんとyoneちゃんが待っていてくれました。ここからはしばらく4人での旅。
秦野峠林道はダブルピークになってますので、一度下って日陰山の鞍部まで再び上り返し。
去年はかなりしんどそうだったモリさんですが、1年で本当に上りに強くなりました。体調あまり良くなかったはずなのに。
そしてロード歴1年未満のyoneちゃん。そのあいだに600kmまでのブルベをすべて完走して、房総サバンナも、この神奈川グランフォンドも先頭集団で完走。いったい、あなたは何者でしょうか?この日もカメラを構えるたびに嬉しそうにスプリント。いろんな意味でただ者ではないこと間違いなしです。
秦野峠林道を下ってからは、丹沢湖を左回りで周遊。今までずっと坂ばかりだったので、この周遊はもんのすごぉぉぉぉぉく気持ち良かったです。4人で気持ち良いね~と言いながらルンルン気分(古っ!)でペダルをまわしました。
丹沢湖からは246に下って、今度は足柄峠を目指します。その前に駿河小山のセブンイレブンに補給のために寄りますが、ここで先行していたtanyさんとリュウさんに再び合流。ここで僕はこの日はじめてのコンビニ補給。やった~!とようやくカップラーメンとおにぎりの補給です。まぁそんなに喜ぶようなものではないけど。
で、食べ終えたところで、再び前輪の空気が抜けていることに気づきます。正直、力抜けました。ここではりょうさんがご自分のチューブを差し出してくれました。本当に今日は皆に迷惑かけてばかりで・・・。で、焦りながらチューブ交換をすまし、さて出発とボトルに水を入れるために再びコンビニに入ろうとしたその瞬間、「パ~ン!」とすさまじい音とともにチューブが破裂。もう僕の気持ちの描写は必要ないですね。。。
今度はモリさんからチューブをもらって交換。モリさんのブログに“yuzitoさん、泣きそうです”ってありましたが、本当に泣きそうでした~。え~ん!
このときはさすがに皆さんから「焦らない方がいいよ」「チューブ噛んでないかちゃんとチェックしな」といったお言葉が。でも、その通りだと思いながら、実際は焦りまくりです。皆様、本当にご迷惑おかけしてすみませんでした。
さて、今日5回目のパンク修理を終えてようやく出発というところで、なかなか追ってこないのでおかしいなとずっと思っていたmasaさんが登場です。なんでもmasaさんも3回ここまでにパンクしたそうでした。いったい、なにやってるんだ、幹事の2人。でも、このときはまさか寄のあたりで、1時間以上も立ち往生してたなんてことは知りませんでした。よく、追いつきましたね。やっぱりmasaさん、タフですよ!
足柄峠は、コース上かなり恐れていた峠です。距離はそう長くないものの、最初のゴルフ場の急勾配部分では苦しめられた記憶しかないので。で、この日も当然きつかったんですが、思ったよりかヘロヘロにはならなかったかも。
ところでこの日はコースを知っているということで僕が先導役で、坂に入ったら各々のペースで走るといった感じだったんですが、坂では常にtanyさんがひゅるひゅると抜け出て先行していくというパターンでした。ここでも途中からtanyさんはぐんぐんと先行していきます。そして結局途中からはその姿が見えなくなってしまいました。
tanyさんから遅れて、僕とりょうさんもようやく足柄峠に到着。ここまで来ると、ようやくあと少し!って気になれますね。
さて、そこからは・・・ってだんだん長くてうんざりしてきますが、少し峠を下って今度は矢倉沢峠を目指します。ここでもお決まりのようにtanyさんが先行、そしてそのあとをわれわれが追う、というか死にそうになって走るというパターン。あまり展望のない林道ということもあって、たんたんと峠を目指しました。で、峠のトンネルに着いたときにはtanyさんの姿はありませんでした。
あと少し、皆頑張れ~!俺も頑張れ~!yoneちゃんはここでもスプリントしてますね(笑)
tanyさんは林道の出口で待っていてくれました。ここからいよいよ千石原~元箱根区間に突入です。で、千石原のコンビニに補給に入ったところでmasaさんが再び合流。すごい、まるで不死鳥だ。でもコンビニ出発して10分も走らないうちにmasaさん再びパンク。もう、どうなってるの?
この千石原~芦ノ湖区間はアップダウンがきつくて結構恐れていたのですが、この日は思ったより気持ち良く走れました。多分上りでペースを抑えたのが良かったのだと思います。そのあとの下りがすご~く楽しかったですから。で、また上りになったらすぐにギアを落としてゆっくりと上る。アップダウンの連続だとつい下りのあとの上りで踏んじゃったりしますが、それを控えたのがこの日は良かったのだと思います。
そしてやってきた元箱根。よっしゃ!あとは大観山を上れば大きな峠はありません。ここからはそれぞれ行きましょう!
というわけで、ここでも途中からするするとtanyさんが先行。その背中を追って僕も走ります。霧が立ち込め、展望などまったくなく、ただ黙々とペダルをまわして頂上に近づいていきます。
そして・・・、やったぁ~!17時30分にようやく大観山に到着です!なんですが、いまひとつそのことを喜べなかったら、上りながら明らかに前輪の空気圧が下がっていっているのがわかったから。それからこれは誰にも言いませんでしたが、矢倉沢峠のトンネルでつけたライトの電池がいつのまにか切れていたから。チューブもパンク修理キットも忘れた上に、電池もきちんと充電されてなかったなんて口が裂けても誰にも言えないと思いました。
大観山では自分の自転車の写真など撮る余裕などなく、再びチューブ交換。ここではyoneちゃんの最後の1本のチューブを頂きました。本当にすみません。で、このチューブ交換の最中にmasaさんが到着。なんか2人のパンクで、微妙に時間調整を行なっている感じです。
電池を買おうと思っていたレストハウスはすでに閉まっている雰囲気でしたので、まだ明るさの残るうちに椿ラインを下れたのは幸いでした。
椿ラインの下り、そして真鶴旧道の入口はtanyさんの先導で走ります。そして真鶴旧道途中のコンビニで最後の補給をして(ここで僕は誰にも気づかれないように電池を購入)、そこからは僕が前に出ました。足はあまり残っていませんでしたが、わざわざ埼玉から来てくれたtanyさんに前をひいてもらうのはどうかと思ったので。やっぱり、ここは神奈川県民が頑張らないと!
R135~R1と先頭を走って、大磯あたりでmasaさんが先頭に出ます。やはり最後はこの人じゃなきゃ。そして・・・
20時20分にようやくゴールの茅ヶ崎サザンビーチに到着です。このときは本当に、心から本当に嬉しかったです。実はこのときも前輪の空気が抜けはじめていることに気づいていたのですが、ここまで来ればもうそんなのどうだっていいです。あとは歩いてだってアパートまで戻れます。とにかく、やったぁ~!!!
この日の僕はまったくもってサイクリスト失格と言っていいほど準備不足でした。ひとりだったら間違いなく完走はできなかったわけですから、一緒に走って頂いた方たちには本当にいくら感謝してもしたりないくらいです。チューブ代払いますからと言っても、「お互い様でしょ」と頑なに言う仲間たちに助けられての完走でした。本当にありがとうございました。
それから、「ありがとうございました」のことばをこの日すべての参加者にあらためて。いろいろトラブルもありましたし、過酷なイベントではありましたが、多くの皆さんとその苦しさやきつさや楽しさを共有できたことを嬉しく思います。
今回の教訓を生かして、次回は自分の世話だけでなく人のお世話もできるようにチューブ5本は持って走ります!またやりましょう、神奈川グランフォンド!!