河口湖近くの山と樹海を走る富士山麓トレイルランというレースに参加してきた。
エントリー開始直後に申し込んだものの、その時点では実際参加できるかまったくわかっていなかった。その後SNSでトピがたったのだけれども、そんなわけでそちらには参加表明をしなかった。しっかり参加できそうということになったら、実は申し込んでましたと書き込みをしようと思っていたのだけれども、結局SNSのほうからの参加者はなし。そんなわけで、なんとなく言い出す機会を失ってしまいましたが、とりあえず走れそうということでひとりで参加して来ました!
はじめての山ランの大会だというのに、当日の天気は雨。基本景色を楽しむために自転車乗ったり山登ったりしているので、雨の中走るのはあまり気が乗らないのだけれども、せっかくエントリーしたのだし、今年唯一のレースだし(2回のハーフマラソンが今年だったことはすっかり忘れていた)、悪天候でも自転車よりはマシだしと自分に言い聞かせ会場に向かった。
レースではないけれど、以前一度走ったことがあるコース。そして、そもそもがゆるめの大会ということもあり緊張感はまったくなし。せっかく走るのだから、雨なら雨なりに楽しもう。最近は追い込むような走りはまったくしていないけれど、だからこそ久し振りのハァーハァーいう走りも楽しめちゃうんじゃないかと、なんだか我ながらずいぶんと力の抜けた感じでロングコースの第2ウェーブよりスタート。
走りはじめはゆるい下り。はじめてのレースなのでペースがわからない。驚いたことにいきなり先頭に出てしまった。背中を追うほうが気持ち的には楽なのだけど・・・
ゆるい下りはすぐに終り、今度は急登。すぐに走るのはやめて早歩きにかえる。少ししてひとりに抜かれ、その人の背中を見ながら登っていると、今度はもうひとりに抜かれた。あとから抜かれた人とは速度差が結構あって、少しして背中が見えなくなる。最初に抜かれた人とはそんなに速度差ないので、第1ウェーブから落ちてきた人を何人かパスしながら、しばらくその人の背中を見ながら登り続けた。
そうこうして、思いのほかあっさりと最初のピークに到着。もちろんきつかったのだけれども、以前走ったときはかなりきつかった記憶があるだけに少しびっくり&安堵。
下りは、実はすごく楽しみにしていた。でも雨のためにドロドロのグチャグチャで、さらに想像以上にシューズのグリップが効かずに苦戦を強いられる。もちろん条件はみんな同じなのだけれども、前を走る人と比べて僕のほうが足が流れてしまう回数が多く感じる。それでも下りでも何人かをパス。ただ一度抜いた直後に派手に転倒。でも、これでなんかずいぶん気が楽になったかも。下がぐちゃぐちゃなだけに肉体的なダメージはまったくなかったので、転んだっていいじゃんとこれ以降少しスピードがあがった気がする。
ただそれも左側が谷になっている細い道に入るまで。谷側に足が流れて転倒滑落なんてことになったらまずいと慎重にならざる得なかった。急で細い、テクニカルな下りではあったけれども、ドライだったらそれなりのスピードで下れそうだっただけにかなり残念だった。そして、調子悪くなさそうなだけに、復路の急な下りのことを考えて少し憂鬱な気持ちになった。
下り切ってからはエイドで水とバナナをもらって、樹海のなかへ。同じ第2ウェーブの先行していたひとりをパス。そしてここまで後ろからはほとんど抜かれていない。樹海では余計な体力を消耗しないように、突っ込める枝や木の葉には、頭をかがめずそのまま突っ込んで走った。体力の消耗を抑えるというより、すでに消耗していたのか、頭下げたり、身を屈めたりするのがすごく面倒に感じてしまったのだ。
さて、樹海を抜け、繋ぎのロードを少し走って復路の急登に入る。
登りはじめてすぐに2人をパスしたあとはしばらくひとり旅。そして、その後また2人の背中が視界に入る。ひとりには程なくして追いついた。そして足元を見ると、なんとファイブフィンガーシューズ!グリップ効きますか?と訊ねてみると、「いや~、滑りますわ」と返事がかえってきた。わからないけれど、確かにドロドロな道では底のしっかりしたシューズのほうがグリップ力ある気がする。いや、履き比べたわけではないから、ないものねだり的なただの思い込みだけど。
その人を抜き、もうひとりの人も抜き、復路最初の小ピークに出たところで、両ふくらはぎがぴくぴくしだした。ちょうど勾配がゆるくなって、走りにかえたときだった。ここまで自分なりに調子良さげなので、絶対に攣りたくはない。最後までもつか?とりあえず、ここで少しストレッチ。でも効果はほとんどなし。
ここからはだましだましの走り。歩きはそんなにスピード落とさずにいけるのだけれども、走りは駄目。ちょうどこのあたりからは勾配がゆるくなって、そこそこ走れるだけに悔しい。でもこれも実力。いや、これが実力。仕方ない。このゆるい登りで、ひとりに抜き返されてしまう。
そんな感じで最後のピーク。さて、ここからの下り、うまくこなせるか?
最初の勾配のきつい下り。あまりに滑って、なんだかおかしくなってしまう。スキーでの下りみたいに、シューズを斜めとか横に滑らせて下るも、すぐに尻餅。立ち上がるのも面倒だったので、雪山じゃないけれど、泥まみれの尻セードでぐちゃぐちゃの滑りやすい場所を突破。やけくそ気味だけれども、なんだか楽しい。
そんなこともありながら、急な坂が終わると今度は林道の下り。今までの道と比べてあまりに走りやすく、また思いのほかその走りやすい道が長く感じたので、ミスコースしているのでは?と少し不安になった。すれ違ったスタッフさんが、普通に応援してくれていたので間違いじゃないんだとようやく安心できた。
心肺的にはまだ余裕あったと思うのだけれども、この頃にはふくらはぎだけでなく、太腿の内側もぴくぴくいい出していた。なので、林道のあとの細い道は相当きつかった。下りだけれども、歩きを交えながら、走るときも足を引きずるような不自然な走り。パスされたひとりを途中でまた抜き返したのだけれども、ゴールの少し前でまた抜き返される。第1ウェーブの人なので、タイム的には負けていないのだけれども、う~ん、もったいない!
ゴールまでのゆるい登り。ぎこちなくだけれども、最後だし走る。そしてゴール。
靴だけはざっと泥を水で洗い流した。
雨だし、道はグチャグチャだし、足は攣る一歩寸前だしとそんなレースだったけれども、なんだかとても気持ち良いゴール。いやぁ、雨だからと参加するのやめないで良かった。ま、その雨もそんなにひどい雨じゃなかったし。
ゴールした後は、河口湖畔の集合場所に戻り、フォカッチャとミネストローネを頂く。そして雨降ってるので、道路挟んだ向かいの道の駅の軒下で食べようと、道路への石垣を上ろうとした途端、ついにふくらはぎが攣った。ミネストローネはマグカップと一緒に土の上にこぼれ落ちてしまった。あぁ・・・。でも、しばらくの無言の悶絶のあと、スタッフさんがプラスチックのカップに入れて持ってきてくれた。ありがとうございました。
レース後は、クールダウンがてら2kmちょい離れた駐車場まで歩き、その後再び会場に戻って、何もあたらなかったけれどじゃんけん大会に参加したり、アフターパーティのバーベキューに参加して、たらふく食べてから会場を後にした。
天気は残念だったけれども、それも含めてもとても楽しめた大会だった。来年もぜひ参加したいなと思った大会だった。
結果はタイム2:04:26、順位がロング18km男子の部22/358。出来過ぎな順位だけれども、「とにかく自然を楽しんで欲しい。速く帰ってきた人より、ぎりぎりまでコースの中にいた人が勝者です」といったことばが開会宣言で主催者からあるような大会だからこその順位だろう。予想していたより全然良い順位なのでもちろん嬉しいのだけれども、それよりハーフの前のような練習はしていなかったのにそれなりの地力はついているように感じられたことがとても嬉しかった。
雨でも楽しかったけれど、来年はやはり青空の下を走りたいな~。晴れでも景色楽しむ自信はないけれど。