湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

夕方ちょい乗り

2015年10月23日 | MTB
 久々、自転車のエントリー。普段乗りのブリヂストン号がまずひどいことになり、二番手として乗りはじめたランドナーのシフトワイヤーが切れてまた放置・・・

 本当に久々の自転車だったりするのだ。



 難しめのところは思っていたより乗れたのだけれども、難しくない場所、あるいは難しくないどころか今までは何の意識もせずに走れていた場所で苦戦。無意識にやっていた重心の移動がうまくできなくなっている。う~む。また精進しよう。 



 野紺菊やセイダカアワダチソウといった、今までこの場所で意識したことのない花がたくさん咲いていた。ただ単純に今まで気づかなかっただけ?それともこの時期にはあまりここに来ていたなかったから?MTB乗りはじめるのって確かに11月に入ってからが多い気がするので後者なのかもしれないが、前者の可能性も否定できない。どちらなのだろう?

 距離も時間も短いのに、身体にはそれなりにしっかりとした負荷がかかった。これからはもう少し自転車にも乗ろう。

2015.10.13 二つの季節のたくさんの顔 赤岳

2015年10月13日 | 山・山スキーなど
 自転車仲間であり、いつもお世話になっているメガネ屋さんの店主であるakiraさんと赤岳に登ってきた。

 最初の計画では常念岳に向かう予定だった。しかしやってきた寒波のせいで、北アルプスあたりは予報が晴れから曇りにかわってしまった。なので、まだ晴れ予報の八ヶ岳や奥秩父あたりで日帰りできるどこかの山に登りましょうと、茅ヶ崎を出発した。赤岳に決めたのは、中央高速に入ってからだった。他の候補は、位置的標高的にまだもう少しのあいだ登れそう。赤岳もまだ大丈夫だとは思うけれど、標高的にこのあたりでは冬の訪れが早いほうだろう。ならば、今のうちに登ってしまいましょうということになったのだった。

 中央道からは南アルプスとそして富士山がばっちり。朝日を浴びたそれらの姿に気持ちが昂る。しかしもう少し進んで八ヶ岳が近づいてみたら、なんと八ヶ岳は雲がかかっている。一応晴れの予報だったので、赤岳に決めたのに。大丈夫だろうか?akiraさんからは、「今からでも甲武信ヶ岳間に合いますよ」といったことばも。信州側からの甲武信ヶ岳という案にも僕がひかれていたからなのだけれども、ここまで来たらやはり赤岳でしょう。晴れなかったとしても、それはそれで経験値を高める山行になるはずと思い、結局赤岳に向かうことにした。

 歩き出しは美濃戸口ではなく、赤岳山荘から。美濃戸口以降は荒れた道で、僕の車、そして僕の運転ではきついかなと思っていたけれど、楽勝だった。さすが。



 ガスのなかではないけれど、頭上には厚い雲。森の中は暗く、そして寒い。決して雰囲気が悪いわけではないのだけれども、今日は青空は無理かもしれないとお互い思わざる得なかった。



 天気はそんな感じではあったけれど、苔に覆われた木や岩のなかを歩くこのコースはとても良い感じだ。天気の良い休日であればもっとたくさん人がいるのだろうけれど、そんなに人が多くないのもいい。行者小屋まではそんなに道が険しくないこともあり、楽しく歩くことができた。



 これもナナカマドなのだろうか?ガスのなかの赤というのもなかなかいいなと思った。



 宮崎駿の世界みたいですね、とakiraさんに言われて気づいた景色。確かに。声かけてもらって良かった。



 こちらもakiraさんに言われて気づいた苔の実?自然のなかを歩くのはやはり面白いなぁ。



 行者小屋あたりはかなり冷え込んでいた。そしてこのあたりまで来ると頭上だけではなく、周囲も薄っすらとガスに包まれた。ベンチに座って、冷たくなった手で補給をしたりしながら、これはやはり今日は青空は無理だなとほとんど確信したところで、隣のベンチの男性が同行者に「山頂あたりでは晴れると思うんだよな~、賭けようぜ」と言っているのを聞いて、その前向きさに驚く。これはさすがに青空には賭けられないでしょ。



 行者小屋からは文三郎道を行く。地蔵尾根よりこちらのほうが険しい印象があったので、文三郎道から登って、地蔵尾根を下るというほうが安全かなと思ったのだ。



 行者小屋からはずっと急斜面。でも気温は低く、また風も少しあるので、汗はほとんどかかない。



 少しずつ標高をあげながら、気づいたらハイマツが凍りつきはじめているではないか。まだ10月13日なのに。



 周囲はすっかりガスに覆われている。頭上では強い風が吹いているようで、やたら雲の流れがはやい。そんななか、時折薄い雲越しに太陽の姿が見えたり、雲の切れ目からほんのわずかだけ青空が覗いたりはした。



 そして周囲のガスが薄くなると、



 木々には霧氷が。この時期、こんな景色はまったく想像していなかったので、これはこれで気持ちが昂ってきた。

 このあたりで、中岳との分岐まで登って引き返してきた人たちとすれ違う。分岐あたりでは体が飛ばされそうな風が吹いているという。



 そんな話を聞いているうちに、少しずつ青空が見えはじめ、



 今まではまったく見えていなかった中岳の姿も見えはじめた。ガスは依然として濃いけれど、引き返す気にはなれない。とりあえず分岐まで行って決めましょうと、このまま登り続けることにした。



 秋の山登りに来たのだけれども、



 辺りはどちらかというと冬の気配。これはこれでラッキーではないか。そしてこれで青空になったりしたら・・・



 ガスのなかに太陽。



 さぁどちらの勢力が上回るか。



 分岐の標識にはエビの尻尾が。確かに冷たくて強い風が吹いているけれど、引き返すほどではない気がする。天気も少しずつ良くなっている気もするし、ここから頂上まではもうそう遠くないはずなので、相談して頂上に向かうことにした。



 だんだんと青空が優勢になってきた。





 強い風が吹く中、凍てついた斜面を登るakiraさん。絵になる景色だ!



 空をすごい速さでガスが流れる。少し早い寒波に化粧をほどこされた周囲の景色がとても格好いい。



 赤岳にして今日は大正解だったようだ。



 左に小さく見える登山者の姿と見比べると、なかなかのスケールだということがより実感される。



 このあたりで、akiraさんが高度の影響か肺の痛みを訴えはじめた。まさか肺水腫ということはないだろうし、頂上まであと少しなのでakiraさんなら頑張れるはずと思ったけれど、無理そうであれば引き返すので言って下さいと伝えて、akiraさんのペースで山頂を目指してもらった。えっと下山後、「あのとき全然引き返す気なかったですよね」と言われてしまったけれど。いやぁ、akiraさんなら登れるはずって信頼していたってことですって。



 岩場を登って山頂を目指す。



 なんかすごく格好良いんですけど。



 ホント、いい日に来れた。



 登ってきた岩の斜面。



 そして頂上まであと少しの踊り場で姿をあらわした富士山。青空、そして周りの景色も見えてきたじゃないですか。行者小屋で賭けようと言っていた人、すごいなとakiraさんと笑いあった。



 そして最後の岩場、



 階段を登り、



 青空にかわった山頂にakiraさんと一緒に立った。やった~



 山頂からの景色。大展望とはいかなかったけれど、候補だった奥秩父方面は良く見える。あちらはずっと晴れだったのかな。でも、やはりいろいろな景色が楽しめた赤岳で今日は正解だったのだと思う。



 こちらは川上村方面。中央奥に見える岩々した山塊は妙義の山だろうか?



 そして見下ろした黄葉。



 またガスが濃くなってきた。もしかしたら最高のタイミングで頂上に立てた?



 赤岳頂上山荘は冬の気配。



 先週の穂高にもこんなのなかったけれど、北アルプスは少なくとも今日は冬の気配ではなく、初冬の景色になっているだろうな。



 下山は慎重に。見えて来た展望荘。記憶していたより、急な斜面だった。



 稜線を離れる前に富士山と、



 奥秩父の山々の姿を目に焼き付けた。



 地蔵尾根と横岳との分岐。嘘でしょ?と言われそうだけれども、近づくまで小柄な女性が休憩しているのだと思っていた。目の前はガス、そして冷たい風が吹いているのでおかしいとは思ったのだけれど。



 こちらも記憶していたより、ずいぶんと急な斜面だった。ただそんなには長い下りではなくて良かった。



 せっかく火器の準備をしてきたことだしと、行者小屋に戻ってきて温かいものと一緒に最後の補給。自分のカップ麺に加えて、多めに持ってきたというakiraさんからおにぎりとサンドイッチをもらって、すっかり満腹になってしまった。



 登るときは見えていなかった横岳周辺の山々、



 そして主峰である赤岳。



 樹林帯に入る前にしっかり目に焼き付けた。



 帰りはさすがに疲労を感じながら来た道を歩いた。紅葉はやはり陽射しがあったほうが映えるなぁ。



 途中、岩場で足を滑らせて、転倒を避けるために変な挙動をして、後ろのakiraさん大笑い。しばらくそれをネタに2人で笑いながら歩いた。



 そして16時過ぎに駐車場に帰着~。いやぁ、お疲れさまでした。寒波のおかげもあり、充実感いっぱいの印象深い山行になりました。





 最後はすっかり青空にかわっていた。周りの木々を眺めながら帰り支度。

 お疲れのところ、帰りも運転はakiraさんにお願いしてしまった。さすが、僕の運転とは全然違う。この軽がこんな走りをするとはまったくもって思っていなかった。楽しい1日をありがとうございました。またよろしくお願いします!

2015.10.05 ぎりぎり秋の穂高へ 1日目

2015年10月06日 | 山・山スキーなど
 真夏の3回の沢のあとは、またしばらく自然から遠ざかってしまった。そろそろと、気持ちがそわそわしだしていた。ちょうど天気の良さそうな5日、6日の休み。久し振りにテントを持って、以前から行きたいと思っていた場所へ行こうと思った。温泉の湧く山の斜面。そんなにたくさん歩かなくてもいい。温泉の横にテントを張って、山の水を沸かして淹れたコーヒーでも飲みながら温泉三昧だ!とかなり前のめりになっていた。

 しかしながら、なんたることか、家を出る直前にそこに至る道の途中にある橋が数日前の大雨で流されたことを知る・・・

 気持ちは前のめりだったものの、毎度ではあるけれど長距離の運転は面倒に思っていた。だから山行きを中止することも考えた。でも、やはりこの天気の良さそうな休みに出かけないのはもったいない。とりあえず準備も済んでいるのだしと、結局秋の景色の有名なあの場所へ向かうことにした。下調べはほとんどしていないけれど、メジャーな場所だしまぁなんとかなるだろうと思って家を出たのだった。



 朝の上高地。まだデジカメなど持っていない時代の残雪期に穂高を登って以来だから、15年振りくらいだろうか?あいかわらず良い場所だ。しかし山のなかへ入っていきたい人間からすると、なんとなくあまり長居したくない場所だったりもするのが不思議だ。



 コースは迷ったけれど、岳沢経由で。最初は楽な横尾経由で涸沢から奥穂をピストンで考えていたのだけれども、残雪期に登ったときと同じコースになってしまうので、家を出る直前にみつけたヤマレコの記録を参考に、岳沢~前穂~吊り尾根~奥穂というコースを歩くことにした。

 朝の光、青空、色づきはじめた木々が嬉しい。



 岳沢への道へ入る。



 そして久し振りの重い荷物を背負って少し登って、開けた場所。



 目の前に広がった秋色に彩られた沢を見入って、しばし休憩。ただ確かに嬉しい景色なのだけれども、もっと空がくっきりと青かったら、さらに紅葉が映えるのになぁと心のなかで思ったりしていた。そしたら、近くにいた女性が僕が頭のなかで思っていたのと同じようなことを口にして、「あんた、いつも恵まれ過ぎてるからそんなふうに思うのよ」と仲間にたしなめられていた。天気が良い日を選んでいるからだけど、そう、確かに今まで恵まれ過ぎだったことが多いのだ。



 沢沿いの登山道をしばらく登っていくと岳沢小屋が見えてきた。なかなか良いところに建っている小屋ではありませんか。



 小屋の前のベンチで補給をしてまた歩きだす。小屋の周りはとても紅葉がきれいだ。



 小屋から前穂へ向かって歩き出す。



 結構長い梯子。





 直前に決めただけにコースに関して予備知識はほとんどなかった。思っていたより岩々したコースで少しびっくり。そして少しわくわく。



 紀美子平にザックをデポして前穂を目指す。



 いやぁ、結構な高度感ではないですか。ホントこんなコースとは思っていなかった。ただ程よい厳しさで、今日の天気であればすごく楽しく登れる。悪天候では登りも下りも勘弁願いたいけれど。



 下ってきた人と道を譲りながら前穂の山頂を目指す。



 こちらは明神?かなり険しそうだ。



 そして前穂山頂。あ~、楽しみにしていた槍や北ア北部、後立山方面はガスで見えないではないか。残念。まぁでもガスに包まれた山頂でないだけラッキーだと思っておこう。



 前穂から紀美子平に戻ってきて、今度は本日のメインである奥穂を目指す。いい感じの岩場のトラバース道を歩く。



 こちらは先ほど登ってきた岳沢。



 そしてこちらは前穂山頂からは見えなかった、一応本日の目的地である涸沢!少し色褪せた感じだけれども、なんとかぎりぎり紅葉に間に合ったようだ。



 だんだんとハードな岩場になってきた。ヘルメットを被っている人、被っていなくてもザックにつけている人が多い。



 背中にはテン泊装備が入ったザック。かなり疲れがではじめていた。幸い怖さはあまり感じていなかったけれど、しっかり集中せねばと気を引き締めた。



 奥穂が近づくにつれてガスが濃くなりはじめた。



 山頂付近。薄くなったときに写真を撮っているわけだけど、山頂あたりはほどんどガスに包まれていた。そして風が強く、とても寒い。周りの人もしきりに寒い寒いと言っていた。というわけで、1枚写真を撮ってもらって、すぐに下山。景色は残念ではあったけれど、無事山頂を踏めて良かった。それにたまにはこういうなかも歩かなきゃね。



 まだ10月の上旬だけれども、北アルプスはもういつ冬がやってきてもおかしくないのだなと思った。



 ガスのなかを慎重に下って、ようやく穂高岳山荘。ここで少しひと息。以前残雪期に登ったときより、だいぶ時間がかかった気がした。



 穂高岳山荘のテン場に泊まることも少しだけ考えたのだけれども、やはり紅葉の涸沢でテントを張りたかったので、あと少し頑張って涸沢まで下ることにした。眼下に見えるテント場。安易に考えていたのだけれども、これが長かった。久し振りのテント泊、さらに結構なロングコースにだいぶ消耗もしていたのだとは思うけれど、とにかく長く感じた。体のあちこちが痛い。普段は痛まない体の脇が痛むのは、上半身も使う必要のあった岩場のせいだろうか?結局最後まではもたず、テン場まであと10分くらいの場所でザックを降ろしてアミノバイタルゼリーを補給。これでだいぶ生き返った気がした。

 平日だというのに涸沢のテン場は大賑わい。石がゴロゴロしていたけれど、適当な場所を見つけてテントを張り、ひと息ついてから受付をしにいった。そして水の補給とトイレを済ませて、夕食の準備をしながら大事なものを忘れたことに気づく。どこをどう探してもヘッドランプがない・・・。どうしよう。かろうじてまだ明るい。急いで夕食の支度をして、もう一度水を汲みに行って、トイレを済ませた。夜中トイレに行きたくならないように、水分補給は控えめにして、日が落ちるのに合わせてシュラフに入った。久し振りに読み返そうと文庫本を用意してきたんだけどなぁ。



 さぁ長い夜のはじまりだ。

2015.10.06 ぎりぎり秋の穂高へ 2日目

2015年10月06日 | 山・山スキーなど
 日付がかわる前、ひどい体の震えで目覚めた。熱があがる前のような嫌な感じの悪寒。しつこい喉風邪が治り切っていなかったのでもしかしたら熱が出るのかと少し不安になったのだけれども、あらためて寝袋にしっかりくるまっていたら震えも寒さもおさまった。良かった。

 夜中の2時半頃。水分を控えていたにもかかわらず、トイレに行きたくなった。しばらく我慢をしていたのだけれども、朝までは到底もちそうもない。外は月明りと星のきらめきのおかげか、まったくの暗闇ではない。これならと思って、そこそこ距離のある小屋のトイレに向かおうとするが、不安定な石ばかりの道を歩くのはやはり難しく、しばし瞬く星を眺めてからテントに戻り、どうしてものときはと考えていた手段をとることにした。

 夕飯に食べたアルファ米。お湯を注いでつくるわけだから、当然入っていたビニールに水を入れても問題はない。なんとか危機を乗り越えた。

 そんなこんなで迎えた朝。朝食はすでに済ませていたので、コーヒーを淹れて、モルゲンロート目当てに外に出た。



 そしてコーヒーを飲みながら朝日に照らされた周りの山々を眺める。こちらは奥穂。



 奥穂から涸沢岳、涸沢槍。



 涸沢小屋の向うは涸沢槍から北穂。



 マイテント越しに奥穂。20年以上前に買ったテント。残念ながら今回が最後になりそうだ。あちこち不具合がでている。



 それにしても素晴らしい景色だ。淹れたときは熱々だったコーヒーはあっという間に冷めてしまったのだけれども、その冷めたコーヒーを飲みながらしばらく見入ってしまった。



 下山は、パノラマコース。名前の通り、素晴らしい景色のなかを歩くコースのようで楽しみにしていた。



 で、実際これが素晴らしいコースだった。コースの入り口にあったように、所によっては前日の岩場以上に危険じゃないかと思った場所もあったのだけれども、景色も雰囲気もほんとうに素晴らしかった。



 まずは振り返った穂高方面。穂高の山々はもちろんだけれども、涸沢を穂高方面からとは別の角度で上から眺められるのが良かった。



 そして昨日は見ることができなかった槍ヶ岳。ここまで槍ヶ岳を見ずには帰るのはやっぱり残念だったので、見れて良かった。



 ただコースはちょっと難しい場所もある。たくさん人歩いていたけれど、天気悪い日は避けたほうがいいかもしれないし、雪のある時期は少なくとも僕には絶対無理だと思った。



 岩々した場所も悪くないけれど、こういう雰囲気のほうが好きかもしれない。



 槍をアップで。殺生ヒュッテ、肩の小屋もしっかり見えていた。こうして見ると殺生ヒュッテまでもかなり険しくてちょっとびっくり。



 贅沢なくっきりとした青空と、秋の終りを感じさせる葉の少なくなった木。



 自転車でも山歩きでも、次の景色への入り口ではいつもわくわくだ。どんな景色が飛び込んでくるのだろう、と。



 あぁ、こちらも好きな景色だ。



 青空に映えるナナカマドの実。



 振り返るとまだ見えている奥穂~涸沢岳~北穂。



 このあと下る道に金色の光が射し込んでいた。



 湧き出てきたガスもまたよし。



 さらなる展望を求めて屏風の耳に向かう。



 雲海。 



 屏風の耳は人がいっぱいだったので、人のいない小ピークまであとほんの少し歩いた。

 前穂~吊尾根~奥穂と歩いてきた場所が良く見えた。実感はあまりなかったけれど。





 最後しっかり目に焼き付けよう。



 分岐からは黄色い斜面の下り。



 まだ先は長いのに、すでに余韻に浸りはじめていた。





 だんだんと黄色から緑へ。





 もう少しで横尾からの道に合流。



 その手前で脇の森のなかでざわめきが。前を歩いていた女性の体が強張る。決して小さなざわめきではなかったので、僕も焦った。結局猿だったのだけれど、結構びびった。



 休まず行けるかなと思っていたのだけれども、疲れが出てきたので徳沢で休憩。サッポロ一番味噌ラーメンに餅を入れて食べたのだけれども、うまかったなぁ。食後は贅沢にコーヒー。僕はここのテン場の雰囲気が好きなのだ。



 補給後は、近づく終わりを残念に思いながら上高地まで歩いた。



 そんなふうに感じることってあまりないのだけれども、山旅が終わってしまうのがすごく残念だった。



 それだけ充実した山歩きだったからなのかもしれないな。



 考えていた場所が駄目で、直前に決めた穂高&涸沢だったけれど、心も体もものすごく満足できた。最近は軽装での山歩きばかりだっただけに、久し振りのテント泊も、当然荷物は重かったけれど、とても楽しかった。いい山登りができて良かった。