年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

御遺訓

2014-04-10 21:11:46 | Weblog
  このところ温かい日が続いている。朝方は少し肌寒く感じるも日中は汗ばむほどである。
 昨日ユタカちゃんから、ブチ切れた声をだして、もう辞めたぜ~、と言ってきた。電話の声では相当頭に来ている様子が伝わってくる。先月初めに市の教育委員会に面接に行き、給食センターの配送の仕事に採用されたので4月から忙しくなってくる。お前さんと一緒に遊ぶ時間がないよ~、などとニコニコしながら報告してきた。だからこの年齢でパートではあるが毎日の仕事にありつけるのは願ってもないこと、などといっしょに喜んでいた。そして三日目にしてもう辞める・・・というのは一体どうしてか、

 話を聞く。すると、給食をただ単に学校へ配送するだけでなく、厨房に入って何人かの女性陣と一緒に野菜を切ったりすることがあるとか、それで初めての事でもあるし、慣れなくてマゴマゴしていると年齢40歳くらいの言葉のきつい一人の女性から、うす汚い強い言葉でなじられ雷を落とされたとか・・今まで男社会の中でのみの仕事しかしてこなかったユタカちゃんにとってみれば女性から頭ごなしにやっつけられることは生まれて初めての経験らしく、相当こたえたらしい。もう二度と行きたくないから、教育委員会へ行って、辞めることを宣言した、という話であった。
 このような話はちょくちょく聞くことがある。たとえば介護施設での就労が長い近所のHさんは、寮母さんからきつい言葉で言われることが時々あるらしく、女性が多い職場の難しさを話してくれる。Hさんは、そのようなときの対応策は馬耳東風に限る・・などというが本人にしてみれば相当頭に来るんだろう。私は、そこまでいやな思いをして、なぜその仕事をするの?とHさんに聞く。返ってくる言葉は生活のため、お金のため・・と言う。
  ユタカちゃんは、そのような嵐のような洗礼に似た応対に、白旗挙げて退散する決心をしたそうな。難しいな、様々な人がいる職場で仕事をするってことは。
 ユタカちゃんは生活のために給食センターの仕事に飛びついたわけではない。人から頼まれて就いた、と言う。だから仕事を始める動機もお金を稼ぐなどの覚悟するほどではなかった。 
 フト思う。だから、仕事をするってことは、自分たちには生活を守る以上の、何かしら聖なるエリアで獲得しなければならないものが一人ひとりにあるのではないか・・などと。
 明日の刑務所での講話を考える。先日Mさんから頂いた日光東照宮御遺訓を参考にして、“働く”ことについての話題を提供しようと考えている。その中にある「勝事ばかり知てまくる事を知らざれば害其身にいたる」ところをしゃべろうと思うが・・・さまざまなことにおいて勝つ事は難しいが、潔く負けることもさらに難しい。

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