年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

母と暮せば

2016-01-05 20:49:16 | Weblog

 一昨日いつものHさんが興奮した様子でやってきた。そして話すことに奥さんと二人で「母と暮せば」を観てきたんだと、そしてハンカチが濡れてしまうほどに涙が出た、と。隣に座る奥さんからも、反対側に座っている知らないご婦人からも泣くたびに笑われた・・んだと。だからアンタもぜひ観に行ってよ、と熱心に薦められた。

 Hさんは介護施設での仕事が長く介護対象者に対する処遇の在り方に意見を持っている。ゴールドプランに端を発して以来、老人への寄り添い方について明確に現在の介護の世界に希望を失っている。老人介護は終わったとよく愚痴っている。介護を商売にしてしまう今の在り方に嫌悪感すら持っていることを仲間内でよく話している。定年を過ぎた今は介護の世界から離れて何もすることない代わりに“反原発”のデモに参加したり“反戦”の集会に参加したりして自分の身の置き所を求めている。そのようなHさんが観た映画は長崎原爆で亡くなった長崎医大生と母親と婚約者の物語であっただけにストンと入るものがあったのかもしれない。涙のキーは、戦争と原爆、亡くなった息子と残された母親、亡くなった息子に想いをつなぐ婚約者と母の関係、それに年老いて行く母と周りの関わり合い、それらがHさんの今をつなぐ出来事と二重写しに観たのかもしれない。Hさんのご子息さんも年末に婚約者を連れて来て紹介されたとか、医大生も私ところのR君を思い出したとか、亡くなった一人息子を思う母に、Hさんのお兄さんが奥さんを病気で亡くされたのに続いて10年ほど前に一人娘を交通事故で亡くされて一人ぼっちになっていることに想いを寄せたのかもしれない。
 昨夜テレビで見たのは「ふしぎな岬の物語」だから二日続けて吉永小百合さんの映画を見たことになる。「母と暮せば」の映画を観るよりスターウォーズの方がいいと言うのを無理やり連れて行った奥さんは、午前中に大学病院で処方してもらったコンタクトソフトレンズ装着したところ複眼になっているところが幾分か矯正され、はっきり見えるらしい。でも涙が出てこないことで乾燥しており映画鑑賞中にポロッと外れてしまった。映画どころではなくなったようで・・・。私の午前中は初仕事となる刑余者支援である。還暦を刑務所で迎えたひと。技術的に高度な資格を持っている。これを活かして支援をすることにする。しかしその前に事件の発端となったアルコール依存症についての対処策をアドバイスする。帰住先の医療やハローワーク、保護観察所と連携しなければならないこと。